遠征は出来ないのであせる今回も配信で楽しみました。

 

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ミュージカル・ロマン

 『ヴェネチアの紋章』 

原作/塩野 七生『小説イタリア・ルネサンス1 ヴェネツィア』(新潮文庫刊) 

脚本/柴田 侑宏  演出/謝 珠栄    

『ヴェネチアの紋章』は、塩野七生氏の小説をもとに柴田侑宏の脚本・演出で、1991年に花組トップコンビ大浦みずき、ひびき美都のサヨナラ公演として上演され絶賛を博した作品。

初演からちょうど30年の時を経た2021年、謝珠栄氏による新たな演出で復活いたします。 

16世紀前半のイタリア、ヴェネチア元首の息子であるアルヴィーゼは、正当な世継ぎでないがゆえに愛する人リヴィアと結ばれず、異国へと旅立つ。十年後、持ち前の才覚で貿易商として成功を収めた彼は、忘れることがなかったリヴィアと再会し、モレッカのダンスでさらに想いを滾らせる。

そしてついに、愛する人を取り戻すために、そして自分自身の誇りのために、アルヴィーゼはヴェネチアがくれなかった“紋章”への強い執着に突き動かされ一国の王となるために立ち上がる─。

ヴェネチアとコンスタンチノープルを舞台にして壮大に繰り広げられる愛と野望のロマン大作の再演にご期待ください!

(公式サイトより)

 

6/2(水)~4(金) 相模女子大学グリーンホール(神奈川県)

6/7(月)~9(水) 愛媛県県民文化会館メインホール

6/11(金)~15(火) 愛知県芸術劇場大ホール 

 

 

雪組新トップコンビ、彩風咲奈さんと朝月希和さんのプレお披露目公演です!咲ちゃんが愛媛県出身なので今回は凱旋公演もありますね。

昨年梅芸の配信(炎のボレロ)を見た時には「愛媛のみんなー!次は必ず行くけんねー!」と咲ちゃんがカメラに向かって宣言していたのですが、早速実現のようですウインク

そして“名古屋飛ばし”なんて言葉をたまに耳にしますが、今回はまさかの“関西飛ばし”でしたおいであせる

 

 

アルヴィーゼ・グリッティ 彩風 咲奈 

リヴィア 朝月 希和 

プリウリ 奏乃 はると 

メリーナ/青い影 沙月 愛奈 

元首 アンドレア・グリッティ 真那 春人

ロクサーナ 杏野 このみ

踊り手 白峰 ゆり 

イブラヒム 橘 幸 

カッサンドラ 妃華 ゆきの 

アイシャ 華蓮 エミリ 

踊る美女 沙羅 アンナ 

ゼン 叶 ゆうり 

マルコ・ダンドロ 綾 凰華 

ビアンカ 星南 のぞみ 

ヴィットリオ 諏訪 さき 

レミーネ 希良々 うみ 

ジョヴァンニ 眞ノ宮 るい 

スルタン 汐聖 風美 

インジ 琴羽 りり 

オルファン 望月 篤乃 

エンリコ 彩海 せら 

カシム 一禾 あお 

カスパーラ 有栖 妃華 

グラデニーコ 琥白 れいら 

ティエポロ 稀羽 りんと 

オリンピア 夢白 あや 

セバスチアーノ 聖海 由侑 

ヴェロニカ 莉奈 くるみ 

ラウドミア 音彩 唯 

ジェンティーレ 紀城 ゆりや

 

 

ざっくりとしたストーリーは、愛するリヴィアを手に入れる為にアルヴィーゼはトルコへと旅立ち10年の間にコツコツと地位を築いていったのにやっとリヴィアを迎え入れようとしたタイミングで計画は失敗して・・・あせる

というバッドエンドですね。

城の中でモレッカを踊っていた時の表情が二人ともとても幸せそうだったので、「ふさわしい身分になって結ばれた後にまた城で一緒にモレッカを踊りたかった」というのが切なかったです。

首長の後継ぎとして認められていたらアルヴィーゼは優秀な人物として民にも愛され幸せな生涯を送ったのでしょうが、最後まで生い立ちに葛藤を抱えた人生だったのだとあの苦悶の表情に思いました。でも援軍が出せなくて苦しそうな父親の事を思うとそれはそれで悲しかったです。この親子関係とっても複雑・・・。

 

歌はプロローグの『ヴェネチ~ア~♪』のゆったりとしたメロディーがめちゃくちゃ耳に残りましたが、下手のセット上で歌っていたのは有栖妃華さんですね~照れとても綺麗な高音が響いていましたキラキラ

 

 

アルヴィーゼ・グリッティ役の彩風咲奈さん 

恋をしている姿は純粋そうな青年ですが、その内側には燃え滾る野望が沸々・・・という役でした。

これだけ書くと“炎のボレロ”のアルベルトと似ているけれど、アルベルトのような見眼麗しい育ちの良い青年という雰囲気の中にもっと男くささを感じさせる部分があってそこがカッコ良かったですグッド!

 

ヴェネチアに戻って姪っ子であるラウドミアの結婚式に参列していた時に同じく参列者であったリヴィアと10年ぶりに再会するのですが・・・すれ違ったアルヴィーゼが喜びを抑えきれないように目で彼女を追っているのが可愛くてすごく愛に満ちていたなぁって思います。その後は会える時間が少ないからってところかまわず二人でキスばっかりしていて最初はびっくりしましたけど(笑)

好きな女性の為に10年も下準備をして念入りに念入りに計画を練って来たのに最後は無情にも計画は失敗、早々に死を選ぶのはやりすぎかな?と思うけど、アルヴィーゼの中では絶対に成功させないといけないミッションだったんでしょうね。

死を覚悟してリヴィアに別れを告げる表情が本当に切なかったです。

好きな人の為にも最後は全部捨てて彼女の元へ逃げて行けば良かったのに!!ってこういう話ではいつも思いますが、運命に抗いきれなかった人の表情って胸に刺さります笑い泣き

 

 

リヴィア役の朝月希和さん 

落ち着いた貴婦人の佇みが素敵でした。

でもそんな高貴なリヴィアが思わず笑顔でイキイキと踊っていたモレッカの踊り。

モレッカとはもともとは戦闘の踊りで、両手に鈴を持って足踏みをして激しく踊るイタリアの踊りなのだとか。「モレッカ!」の掛け声で若者の目の色が変わるくらい舞踏会では人気のある踊りだそうです。

そのモレッカを踊るリヴィアを見て面識のあるマルコが驚くくらいなので公の場で時々踊ることはあっても、そこまで楽しそうには踊っていなかったんでしょう。それだけで周りはすぐに2人の関係に気づきそうなものですが。

 

『私も連れてってと言ったのに、貴方はただ一人行ってしまったわ』

と言うセリフにもあったように、リヴィアはきっと今の地位を捨てて駆け落ちになっても構わないというくらいアルヴィーゼを愛していたけど、アルヴィーゼ自身はリヴィアにそんな思いはさせたくない!とあくまで今の身分のまま妻として迎えたかったよう。

これは後々の展開で何故そう思ってしまったのか気づくところもあるんですが汗

実は二人には娘もいたのに、その少女を残して自身も死を選んでしまうのは娘が可哀想過ぎるし、その飛び込む一部始終を見たマルコも後味が悪かったでしょうね・・・。

 

 

マルコ・ダンドロ役の綾凰華さん

基本的には爽やかな人格者ですが、屋敷でオリンピアに

『よく知っているんだねぇ・・・』

と低音ボイスで囁きながらソファーでキスを迫るのがなかなかの色気でしたおいでアルヴィーゼとリヴィアも隙あらばキスしてたけど、この時のマルコとオリンピアも結構キスしてますよね(笑)

オリンピアがスパイだと知って何か言いたそうなお顔になったのも、親友のアルヴィーゼに語り掛ける優しい声もとても良かったです。

それから咲ちゃんがどの衣装を着ても足長でカッコ良いのは知っていますが、あやな(綾凰華さん)もスタイルが良くてどの衣装もよく似合っていました。

 

 

オリンピア役の夢白あやさん

物語のカギを握る一人、オリンピア。夢白さんのお芝居が良かったです。『結婚は諦めてるけど、上流階級の人たちの舞踏会には一度出てみたい・・・』とウットリと青い影と踊るのを見て、こんなに若くて綺麗で男性を掌で簡単に転がせそうなオリンピアがそんなことを言うんだ~目と印象に残るのですが、サラッと終わったこのシーンも後から思い返すと“貴族”という称号の強さを感じました。

仮にリヴィアが駆け落ちしてしまったらこの称号も無くなってしまって、豊かな暮らしが出来なくなったり、後ろ指を指されることも出てきてしまうあせる

アルヴィーゼは自分のせいでリヴィアがそんな目にあって傷ついてしまうのが耐えられないのだとオリンピアのセリフで気づくことが出来ました。自分の為のヴェネチアの紋章ではなくて、貴族と認められない自分側には来てほしくなかったからこその執着ですね。

アルヴィーゼなりの彼女への「筋」というのか「深い愛」というのか。やっぱりどう考えてもリヴィアはそんな事気にもしなかったと思いますが、その想いの強さは自分が生い立ちで苦しんだからこそなのでしょうか。

ただ二人で一緒に生きて、笑って行けたらというのは理想でしかないのかとちょっと寂しい気分でした。

 

 

アルヴィーゼについて行くぜ!な可愛いおバカトリオはヴィットリオ役のすわっち(諏訪さきさん)、ジョヴァンニ役のはいちゃん(眞ノ宮るいさん)、エンリコ役のあみちゃん(彩海せらさん)

キャラクターは皆違いますが女の子達に尻に敷かれたり陽気に歌って踊ったり・・・とわちゃわちゃして可愛かったですウシシ

 

そして雪娘ちゃん達キラキラ

なんていう綺麗な腹筋をお持ちなのか目

あの綺麗な踊り子さん達といい、衣装といいラブ思わずシルクロードのシャフリヤールさんのシーンかと勘違いしました(笑)魅惑のくびれボディ・・・

 

カシム役の一禾と(一禾あおさん)とヴェロニカ役のりなくる(莉奈くるみさん)のやりとりも可愛かった~(*´ω`*)

『いーのいーの♪』でなんでも済ませるヴェロニカと、従者たるもの・・・と頭カッチカチ系の優秀なカシム。良い組み合わせで二人のシーンは癒されますね照れ

でも『自分も一緒に最後まで戦わせてください!!』と懇願するカシムには泣かされました。

 

セバスチアーノ役のせいみぃ(聖海由侑さん) とラウドミア役のはばまい(音彩唯さん)の美男美女夫婦も可愛かったですね。

 

 

 

2幕 ロマンチック・レビュー 

『ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-』  

作・演出/岡田 敬二    

1990年に剣幸、こだま愛を中心とした月組で初演、2011年には星組中日劇場公演、花組全国ツアー公演で再演されいずれも好評を博した、岡田敬二によるロマンチック・レビューの代表作の一つ。

古今東西の愛の逸話で構成された、大人の香り漂う名作レビューの10年振りの再演において、新トップコンビの彩風咲奈と朝月希和を中心とした雪組メンバーが妖しくも美しい世界を繰り広げます。 

一部アレンジを加えさらにバージョンアップした形でお届けする『ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-』を、ぜひお楽しみください!

(公式サイトより)    

   

1幕で色々と考えながら観たからか2幕は時々記憶が曖昧にあせる

でもこちらは有名なショーなので花組(蘭寿とむさん)Verと星組(柚希礼音さん)Verを見たことがあります!

 

プロローグの「愛の媚薬」と手に持つにわにわ(奏乃はるとさん)と紫の衣装のすわっち。希良々うみさんの歌声も綺麗でした。

そして咲ちゃんはやっぱりどんな衣装も似合いますねキラキラえんじ色っぽい赤の衣装がカッコ良かったです。

 

『ルポォアゾ~ン♪』 

 

は今まで観た中で一番滑舌良くてどちらかというと爽やかに感じましたが、トップコンビの並びがお似合いでした拍手そして毎回思うけどトップ娘役さん達はよくあのプロローグのピクミンの苗木みたいな被り物似合いますよね(笑)

反りのポーズも凄いんですが、それよりも何よりも被り物に目が行ってしまう・・・キョロキョロ

トップコンビだけじゃなくて2番目に出て来るあやなと咲ちゃんの並びも良い感じでした。

 

ペガサスとか白鳥が出て来るあの「ララ・ランランラララ♪」と歌っている場面(名前が出てこない汗)が好きだったのでニコニコ可愛いトップコンビに癒されますにひひ

それからかちゃ(凪七瑠海さん)の“パッション・ダ・ムール”1幕最後にもあったあの独特の歌と振り!だいもん(望海風斗さん)が大好きな「無駄な掛け声」の多い感じと娘役を沢山侍らせるのが私も好きで色んな娘役さんとの絡みを見られて大満足です。

 

それから基本的に歌よりもダンスの方が好きなので、咲ちゃん闘牛士?のシーンも見応えがありました。あやなと交互に出てきて踊るのもカッコ良かった~キラキラ

 

最後に白い衣装で男役全員が踊るところも綺麗でした。咲ちゃんなんでも似合いますが、白を着てもスタイル抜群なのが凄いですよね。時々宝塚の方を見ていたら白が膨張色って嘘なんじゃないかって思うことすらあるけど自分が着たらすぐに本当だって思い出します(笑)

 

デュエットダンスでは緑色の衣装で踊る二人がとても楽しそうで幸せいっぱいのダンスシーンでした照れラブラブ

咲ちゃんの丁寧に踊るところがとても好きです。

 

雪組の宝塚以外の2本立て舞台というと昨年の“炎のボレロ”が浮かびますが、今回は歌の上手な方が多くてショーも最後まで安心して観ることが出来ました。特に歌姫多しビックリマーク

ダンスはあゆみさん(沙月愛奈さん)や一禾がやっぱり気になって見てしまうことが多かったです。

 

 

このライブ配信はそのままDVD収録の日だったようで、最後に咲ちゃんのご挨拶もありました。2幕のショーは可愛い印象が強くて最後の挨拶もハキハキと元気だった咲ちゃん(笑)

渋い役が似合う前トップと違う持ち味なのでこれからの公演ラインナップが気になるところです。こんなに可愛くてシティーハンターを無事に出来るのかな?と勝手に心配になった雪組公演でした。