年明けからあっという間に雪、星、と終わり今度は花組公演です。
ドラマ・ヒストリ
『アウグストゥス-尊厳ある者-』
作・演出/田渕 大輔
ローマ史上初の皇帝となり、「尊厳者」を意味する“アウグストゥス”の称号を贈られたオクタヴィアヌス帝。
彼はいかにして、志半ばで死したカエサルの後継者となったのか?
カエサルの腹心・アントニウスや、ブルートゥスらとの対立の果てに、「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」の境地に至った若き英雄の姿を、フィクションと史実とを織り交ぜて描く。
紀元前46年。政敵ポンペイウスを討ち、ローマに帰還したカエサルの凱旋式当夜。ユリウス家の邸では、カエサルと敵対していた貴族たちとの和解の宴が催される。そこに現れた招かれざる客…それは、今は亡きポンペイウスの娘・ポンペイア。
彼女は無謀にもカエサルに斬りかかり、父の仇を討とうとするが、ユリウス家の末裔であるカエサルの大甥・オクタヴィウスがそれを阻止する。
オクタヴィウスは、ポンペイアを赦す事こそ真の和解の印だとカエサルに訴え、彼女を助けようとするのだが・・・
(公式より)
ガイウス・オクタヴィウス 柚香光
(ローマの名門貴族ユリウス家の末裔)
ポンペイア 華優希
(カエサルの政敵であったポンペイウスの娘)
マルクス・アントニウス 瀬戸かずや
(一兵卒から成り上がり、カエサルの腹心となった軍人。オクタヴィウスの宿敵)
クレオパトラ7世 凪七瑠海
(カエサルの愛人。エジプトの女王)
ガイウス・ユリウス・カエサル 夏美よう
(執政官。内乱を制しローマ初の終身独裁官になる。オクタヴィウスの大伯父)
キケロ 高翔みずき
(ローマの政治家。古老の元老院議員)
シャーミアン 冴月瑠那
(クレオパトラの侍女)
アグリッパ 水美舞斗
(オクタヴィウスの盟友。補佐役で軍事を担当)
ブルートゥス 永久輝せあ
(ポンペイウス派の指導者。ユリウス家に並ぶ名門貴族の末裔)
オクタヴィア 音くり寿
(オクタヴィウスの姉。アントニウスの婚約者)
マエケナス 聖乃あすか
(オクタヴィウスの補佐役。外交担当)
まずはローマの聞き慣れない&似たような響きの役名を覚えるのに苦労しました
観劇が終わってから史実を調べる時も名前が覚えられないと何回も名前を確認しながら読み進めることになるので、時間が掛かります(笑)
主人公のオクタヴィウスは、後にローマ史上初の皇帝であり「アウグストゥス(尊厳者)」という意味の称号を持つ人物となるが、カエサルの後継者として選ばれた当時はまだ全く無名の18歳。史実によるとその頃は虚弱体質で軍才もなかったそうな。
そんな彼が突き進んでいく栄光への道のりが描かれているのかなぁ??と最初は軽く思いながら舞台を観たのですが・・・なんか主人公は葛藤しているだけであんまり活躍しない気が
ある程度史実を元に舞台が描かれていたので後から調べたら納得出来るところもあったのですが、中途半端にフィクションが入っているので舞台では結局アントニウスが悪いのか悪くないのかあまり分かりませんでした。
そしてこれからどうなるのか?オクタヴィウスはどう舵を切っていくのか?というところで終わるので不完全燃焼なまま幕が下りるように感じます。
というか、私のちっぽけな頭では理解が難しい作品でした
ガイウス・オクタヴィウス役の柚香光さん
史実によると身長170㎝で稀に見る美男子だったというオクタヴィウス。背格好までハマリ役とは(笑)
1幕が始まってすぐに舞台上手の花道から登場するので拍手をするタイミングが難しかったですが、さっそくローマの衣装が似合ってイケメンな柚香オクタヴィウスでした。
作品の中では宿敵であるアントニウスとの戦いがメインなのだと思いますが、オクタヴィウスは自分からはほとんど行動しない姿がいかにも血筋だけで後継者に選ばれた苦労知らずに見えて、それまでせっせと功績を積んで来たであろうアントニウスが怒り狂うのも分かってしまうのが何とも
まぁそこからアントニウスにカエサルの遺産の受け取りを妨害されたり、後継者となっても権威も兵力も持たないところからスタートしたので苦労の日々が始まったのでしょうが、あまり感情移入しにくいキャラクターでした。
ポンペイア役の華優希さん
登場はともかく途中の展開に驚きました。いつの間に・・・。
色々な人間の思惑から妬みや憎悪が枝分かれして広がって行く中で、それでも人間としての尊厳を持って生きて行こうとするオクタヴィウス。
その姿は強い憎しみだけを抱いて生きていたポンペイアにとっては偽善者そのものだったのでしょうが、やがては心救われて最後はああなったのですね。
憎しみだけを持って生きていくのは相当な気力体力が必要だと思うので本当はそういう存在をどこかで待っていたのでしょうか。煩悩から解放されたポンペイアの表情はとっても穏やかで可愛らしい女性でした。
マルクス・アントニウス役の瀬戸かずやさん
後継者になれると思ったら結局血筋が大事なのか!!と怒るアントニウスは、史実だとオクタヴィウスと交わした約束(オクタヴィウスに軍船を120隻提供する代わりに、オクタヴィウスはアントニウスに2万人の軍団兵を送るという契りだったのに実際は1/10の2千人の兵だけ寄こされた)を破られたりと、それなりな対応をされているんですね
史実ではオクタヴィウスの姉と離縁してクレオパトラと一緒になろうとして自滅の道へ進んで行くようですが、あきら(瀬戸さん)の憑りつかれたような演技は見ていて苦しかったです。
クレオパトラ7世役の凪七瑠海さん
専科から出演していると知らなかったので登場した時はビックリでしたが、あの妖しい衣装がとってもお似合いでした
特にソファーに寝そべって登場した時のソロがインパクト大です。あの変な被り物も似合っていて本当に女王様でした89期と90期という男役道を究めてきたかちゃ(凪七さん)とあきらのシーンはなかなかに濃厚ですね(笑)
クレオパトラのシーンはとにかく妖艶な美女達がワラワラ
けどクレオパトラの侍女役でるな(冴月瑠那さん)がいるのは勿体ないなぁ・・・って思っちゃいました。あきらと同じく今作で退団するのだからせっかくならカッコ良い男役姿を見たかったです
ブルートゥス役の永久輝せあさん
お芝居では目立つ役どころでしたが、上手い事口車に乗せられて最後は処刑されてしまうブルートゥス。
ひとこ(永久輝さん)の周りから追い詰められていく演技が上手くてなんとなく結末が分かっていてもハラハラしました。
アグリッパ役の水美舞斗さん
軍事担当のアグリッパ。史実ではカエサルが亡くなった際に軍才の無い無名の18歳だったオクタヴィウスの為に引き合わされた人物なのだそう。
ローマ人の中では珍しく海戦が得意という変わった経歴があったアグリッパは舞台上でも仲間に「筋肉頭のアグリッパ」と言われますが、マイティー(水美さん)が本当に将軍として有能そうだから説得力があり過ぎる配役でした(笑)
最後までオクタヴィウスの良き親友として傍に居続けたアグリッパ役が同期というのは、星組の礼さんと瀬央さんのようで(ロミジュリで親友役)その気心知れた雰囲気が役でも伝わって良かったです。
マエケナス役の聖乃あすかさん
外交担当のマエケナス・・・見眼麗しい姿でした。
オクタヴィウスの為に自らの出世コースを犠牲にして私設顧問として活躍したのだとか。
この辺りは史実を見るとなるほど!!と面白い発見ばかりでした。
以下史実を見て興味深かったもの
・胃腸を患ったオクタヴィウスは、紀元14年8月19日、ポンペイ近郊のノーラの町で75歳で亡くなったが、最期の日友人に
「私がこの人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか」と尋ね、
「この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」と喜劇の口上を付け加えたといわれている。
・遺灰はローマ市内のアウグストゥス廟に葬られ、神格化された後にカレンダーに Augustus (= August) 、つまり8月と記された。
(暗殺されたユリウス・カエサル、Julius (= July) には7月が神格化され記されている)
・これによりカレンダーに記されている1月から8月までの名前は全て、神として古代に崇められた人物の名となっている。
・また、老境に達した頃、孫たちがかつて自分が粛清したキケロの本を読んでいるのを見つけた際、叱られるのを心配した孫たちに対し「彼は教養があった。教養があって、真に国を想う人だった。」と言った。
若い頃は残酷な面も持ち合わせていたそうですが、オクタヴィウスは人との出会いによって晩年は穏やかな性格となっていたそうですね。
勉強で知るとどうしても頭に入らず難しい歴史でもこうして舞台で観ると頭に入りやすく、更にその先にも興味が湧くのだから面白いです。
2幕 パッショネイト・ファンタジー 『Cool Beast!!』
作・演出/藤井 大介
野性的な色気を持った柚香光は、まさにCool Beast!!
柚香光が「Beast=野獣」に、華優希が「艶花」に扮し、美しく心優しいBeastが見た夢を、ストーリー仕立てで綴る魅惑の世界。 個性豊かな花組生達がお届けする、パッショネイトで刺激的なラテン・ショーをお楽しみください。
(公式より)
1幕の仄暗い雰囲気とは打って変わって明るさが前面に出た幕でした(笑)観劇回数が極端に少ないので以下記憶違いがあるかも知れません
ショーのプロローグは派手で、まずは専科の2人が奇抜な白い頭で登場!美穂圭子さんがご出演なのも知らなかったので一瞬どこで出ていたのか考えたのですが、プログラムを見たら美穂さんは2幕のショーだけご出演でした。逆は何度か見たことがありますが、ショーだけ出演のパターンもあるんですね。
せり上がりは花組生。
カレーちゃん(柚香光さん)→赤
あきら(瀬戸かずやさん)→青
華ちゃん(華優希さん)→薄い紫
の衣装でこちらも変わった被り物をこういうのが似合ってしまうのがジェンヌのスゴイところですが、その中でもあきらがすっごく似合っていてイケメンでした
マイティー(水美舞斗さん)の衣装は緑色だったような。
もう2ヶ月以上前の公演なので記憶が曖昧ですが、歌詞にcat's!cat's!とありましたね。
カレーちゃんはショーの場面によっては猫だったり豹だったり。
最初の方の場面で下手側で歌う美穂さんと、上手奥で台座に乗った華ちゃんとカレーちゃんが居て、裸足で踊るカレーちゃんが凄く印象に残っています。
猫?豹?だから最初は爪を立てて少女(華ちゃん)の事を触ってしまうけど、その少女の事が好きだから爪を隠してそっと抱きしめて踊る・・・的な可愛らしい内容でした
それから何処かの場面で真っ赤な孫悟空みたいな衣装で踊るカレーちゃんがいたようないなかったような(笑)マイティーに倒されて、華ちゃんが花びらのようなものを散らしていたのはこのシーンだったか・・・?あの時マイティーが悔しそうなお顔になるのがよく分かりませんでした。
あきらは退団っぽい曲を歌って銀橋を渡って終わりかと思いきや、舞台下手奥から女豹のような扮装のカレーちゃんが登場してデュエットダンス。最後は下手側にポイっとあきらを捌けさせていたような
『男なんてらららら♪』みたいな曲で銀橋を渡るひとこ(永久輝せあさん)とあすか(聖乃あすかさん)はグレーの豹柄衣装若手のキラキラオーラが漂っていましたひとこは花組にいても目立ちますね~
舞台のお立ち台で歌うカレーちゃんは小さい骨付き肉をマイク代わりにもって歌ってる(笑)しかもお肉にかじった跡がある(笑)この時の雰囲気がまんま道明寺みたいでイケメンでしたが、ショーはというと・・・緑の衣装を着たマイティーとカレーちゃんが筋肉対決してるけど、そりゃあカレーちゃんが負けるよね(笑)
どうするのかなぁ?と思ったら、お立ち台の下が冷蔵庫になっていて、自分が持っているものよりも更に大きな肉を差し出すカレーちゃん。
それを嬉しそうに貰うマイティー・・・なんだこれ。
ウオーーーン!!とマイティーが叫ぶのは彼は豹じゃなくてオオカミだったってことでしょうか。ただの肉の奪い合いだったのか?仲良く捌けてったけど・・・面白いけどよく分からないシーンです(笑)
そうそう、燕尾の時にセンターから下りて来るあきらはとってもカッコ良くてそこが印象的でした。床に前のシーンで落ちていた花びらが残っていて、それで滑りそうになっていたのはヒヤッとしたのでそこは花びらの演出を何とかしてもらいたいですね
華ちゃんはほとんどのショーでそうでしたが、何かに乗っていたり男役達に運ばれて来たり・・・自分で移動しているのが少ない
今回のショーでも何かに乗っている時が多く、その上で腰を少し動かしたり、大階段で立ち止まってスカートをバサバサ!とするだけの事が多かったですね。
歌わないし踊らない。最後まで2019年のシャルムのフルフルちゃんのままだった印象です。もっと躍動感があるところも見たかったなぁ。
エトワールはひとこ。
とっても楽しそうで歌声も力強かったです。あきらは最後にして2番手羽根を
雪組の時に退団する翔ちゃん(彩凪翔さん)が3番手羽根が無かったのを見てなんとなく残念だったので、この羽根は嬉しかったです。
最期に大羽根で降りて来るカレーちゃんが『あきらかに、あきらかに♪』という歌詞で下手側にいるあきらをみて、あきらもニコニコと笑っている姿がほのぼのでした。
パレードで全員が持っていた長い紐は猫?豹?の尻尾に見立てていたのでしょうかね。変わった振りもあって可愛かったです。
↑1年ぶりのオケボックス復活公演でした~(*´ω`*)
↑あまりに嬉しかったので開演前に2階最上段の入口から撮りました。こうして開演前に練習している楽器の音がたまりません
やはりこの雰囲気あってこその生観劇ですよね~
この日は開演前に気になっていた公演メニューを食べてきました。早く食べないとまたいつ中止になるか分からないという教訓からMy初日に食べようと決めていたのです。
↑その名も「柚香る華麗(カレー)ぱん」
ゆずかおるって・・・めっちゃトップスターの名前「ゆずか れい」を意識してる(笑)
お値段は500円と少々お高いのですが、目の前で作ってくれたのでホカホカで美味しかったです
私は辛いのが苦手なのでそこが気になったのですが、パンの最初と最後にスクランブルエッグが挟んであるので後味はまろやかでした。
カレーのスパイシーさはあるけど後味は辛くなくって、最後に柚子の爽やかさも感じられます。名前の響きを重視したメニューの割にクオリティーは高しですね
↑公演デザートは残念ながら売り切れでした。
↑4月頭はまだ桜が綺麗でお花見日和でした。
↑今回の購入品。
恒例の「ユウチェック」も入っていますが、ユウはどうやら雪組のだいきほCDが気になる様子(笑)
公演のお菓子と、SARAHのスコーンをお土産にしました。公演メニューのぬれどら焼きは、春限定の桜味。あんまり宝塚感が無い?と思いきや・・・
↑蓋が開きやすかったみたいで、宝塚のシールが貼ってありその部分に宝塚感が凝縮(笑)押さえてもシールが剥がれてたけど
桜の葉っぱが挟んであってふかふかのどら焼きは、渋めのお茶によく合って美味しいお茶タイムでした
・・・この後は本当ならGW中の貸切公演も前楽も観劇予定でしたが、皆さんご存じの通り緊急事態宣言が発令されて、花組公演は
4月26日~5月10日の千秋楽まで公演中止となってしまいました。
結果開幕2日目に見たこの1回きりの観劇です
この公演はトップ娘役や2番手の退団公演でもありましたが、唯一の救済措置なのか千秋楽だけは無観客での配信がありました。
サヨナラショーも退団の挨拶も無観客なんて今まで一度もなかったでしょうから、なんとか1日だけでも観客を入れられないのか・・・と思いましたがちょうど緊急事態宣言の真っ只中にあった為観客を入れるのは難しかったようです。
でも無観客の千秋楽公演が行われた同じ週の週末に、今度は月組公演が開幕しましたが、そちらは1年ぶりに舞台上の人数制限が解除されて下級生全員が全日程参加、更に新人公演まで復活となる公演だったんですよね。
タイミングの問題とはいえせめて花組生も観客に見送られて宝塚公演を終えて欲しかったなって思います。コロナめ
ちょうど同時期に宝塚バウホールで公演中だった“夢千鳥”も途中で公演が終わってしまいましたし、梅芸で公演予定だった宙組の“ホテル スヴィッツラハウス”も全部中止に。あの時の気持ちは思い出すだけで胸がギュッと苦しくなります。
またいつ公演が中断されるのか。
そう思うと私達観劇民も今まで以上に一つ一つの公演をしっかり観たいなと感じた4月でした。