GW最後の、そして令和最初の観劇でした。

本日は2階S席からキラキラ

 

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第二次大戦前、アルジェリアがまだフランスの植民地であった頃。総督府の置かれたアルジェの地に、一人の若者――ジュリアン・クレールがいた。

孤児として育ち、仲間たちと共に手を染めながら暗くみじめな青春を送っていたジュリアンは、しかしその胸に大きな野望を抱いていた。

 

いつの日かアルジェの街を出てパリへ渡り、陽のあたる場所へ躍り出る――見果てぬ夢を鋭いまなざしに宿し、ジュリアンは泥にまみれた人生に決別するチャンスを窺っていた。

 

革命記念日の夜、ジュリアンは仲間のジャックからある賭けを持ちかけられる。アルジェリア総督ボランジュ氏の懐から財布を抜き取ることが出来るか否か――

腕に覚えのあるジュリアンは恋人のサビーヌが止めるのも聞かず、危険な賭けに応じることを決める。

 

ところが翌日、ジュリアンは盗みに失敗し、ボランジュ氏に捕らえられてしまう。警察に突き出される覚悟を決めるジュリアン。

しかしジュリアンの野望燃えさかる眼に見所を感じたボランジュ氏は、彼に正しい生き方を語って聞かせ、自分の許で働くよう説く。

ジュリアンは自分の人生を彼にゆだねる決心をするが・・・

(パンフレットより抜粋)

 

 

ジュリアン・クレール 礼真琴

(アルジェ出身の青年)

 

サビーヌ 音波みのり

(ダンサー)

 

ジャック 愛月ひかる

(ジュリアンの仲間)

 

マリア・シャルドンヌ 万里柚美

(公爵夫人。アナ・ベルの伯母)

 

ルイーズ・ボランジュ 白妙なつ

(総督夫人)

 

ミシリュー 大輝真琴

(内務大臣)

 

ミッシェル 紫藤りゅう

(ボランジュ氏の秘書官)

 

ボランジュ 朝水りょう

(アルジェリア総督)

 

アナ・ベル 小桜ほのか

(シャルドンヌ夫人の姪)

 

エリザベート 桜庭舞

(総督の娘)

 

アンドレ 極美慎

(アナ・ベルの付人)

 

 

再演ものという事で、あらかじめ2011年月組Verを見てからの観劇でした。チケ難の為1回限りの観劇になる可能性が大きかったので、普段はあまりしない「予習」です。

・・・再演する時に上手と下手が入れ替わった演出になるのは宝塚あるあるなのでしょうか?

 

大劇場とは違うので細かな変更点が多かったのですが、元々今回の星組公演は、再演よりも初演側(74年)の演出に近づけたものだったそうですね。

1974年、1983年、1984年、2011年、そして2019年・・・と、今回が5回目の“アルジェの男”公演。

 

登場の真っ赤な衣装と指を鳴らしてカウントしながらのダンス等がどこかWSSを彷彿とさせますね。

それから自分が星組贔屓だという事を理解した上であえて言わせていただきたいのが・・・どうして星組がやると食事シーン以外でも笑いが起こるんだ(笑)

ご当地ネタも絡ませるのでちょっとクスッとするシーンもしっかり声が出て笑っちゃいましたウシシ暗い展開もあるからこそこういう笑いは救われます汗

 

 

全体を通してある意味ずっと「どの方向からも関心を寄せられている人気者(?)」ジュリアンですが、己の身一つと野心だけでのし上がってきた男が、最終的にはその強すぎた自身の欲望に呑み込まれてしまう・・・というのが、自業自得だけれど何処か切ないですね。

本人なりに筋を通そうとするところや弱者からお金を巻き上げようとするジャックを窘める部分もあったりして、決して悪いだけの男じゃないので余計にもっとどうにかならなかったのかなぁ?と笑い泣き

 

歌は少しレトロな感じですが、礼さんの美声をこれでもか!という位堪能できました(*´ω`*)

 

 

ジュリアン・クレール役の礼真琴さん

登場から歌が熱い!!ジュリアンの野心がメラメラと燃え盛っていました。

サビーヌの事を愛しているようで、サビーヌが言う「愛」が何なのかがいまいち伝わっていない感じがもどかしい青年ジュリアン。この演技がとても良かったです。

教養も何もない不良青年が5年であそこまで洗礼された(風に見える)男になろうと思ったら本当に血の滲むような努力が必要だったと思いますが、あのギラギラした目の礼さん・・・のし上がってきたジュリアンにめちゃくちゃ説得力があります拍手

エリザベートと踊る時は、「無」というかその瞳に誰も映ってなくて、でも所作は美しくて周りから見ると完璧。みたいな状況がゾッとするけど舞台上ではそれも魅力的でしたあせる

エリザベートへのまったく感情のない『愛してる』と、アナベルへ向ける悪~いお顔。特にアナベルの目が不自由だからって、よくあそこまで声と表情が一致しないまま喋れますね叫びジュリアン恐るべし。

ラストは『あんなドブネズミに邪魔されてたまるか!!』から、『お前を犠牲にだけはしたくなかった・・・!!』までの表情の変化も良かったです。

サビーヌの健気な想いにようやく突き動かされて、あれほど願った成功への執着心が無くなって。

ふーっ・・・と目のギラギラが消えて幼い表情になっていく演技がすごいなって思いました。

 

 

サビーヌ役の音波みのりさん

ジュリアンの為に献身的に尽くす音波サビーヌはとっても健気でした笑い泣き音波さんのお芝居って人間味があって温かいですよね。ダンスシーンも見応えがありましたラブ

『愛だけは胸のどこかにしまっておいてね』みたいなセリフは再演にはなかったので、初演のものだったのでしょうか。この言葉が後の展開に繋がる気がするし、ここでよく分かってない?面倒臭い?な表情になるジュリアンも、まるで諭すように優しく言うサビーヌの表情も印象的でした。

『だから許してね』という言葉ももう健気で健気で・・・。“アルジェ”に登場する女性陣はみんな切ない。

そういえば楽屋で3人で話している時にサビーヌが着ていた服は“ガイズ&ドールズ”で礼さんが着ていたものと同じでした??ちょっと感動でしたキラキラアンゼリカ?みたいな衣装もありましたね。

 

 

ジャック役の愛月ひかるさん

良いところが一つもなくて、どこまでも最低なジャック。途中で何度ジュリアンにデスノートを渡してやりたかったか(笑)

再演では銀橋を渡って歌っていた『お前だけ這い上がれると思うなよ』みたいな曲はカットなんですね。

あの歌が無いことでジャックの出番も減るし、更に何を考えている人物か分からなくなって不気味さがアップ??背後からじーっとジュリアンを見つめながら出てくる時ゾッとします叫び

愛月さんは“ルネサンス”のグイドで、かなりセリフが聞き取りにくい方だというイメージが付いていたのですが、今回は特に感じませんでした。

迫力があって憎々しいジャックでとても良かったです。

 

 

その他印象に残ったのはアナ・ベル役の小桜ほのかさんとアンドレ役の極美慎さん。

目が見えないことに引け目を感じ表社会には出ずに陰でひっそりと生きるアナ・ベルと、そんなアナベルを優しく見守る使用人のアンドレ。

小桜アナベルの視線が合わない演技も、アナベルが動作に入る時にさっと肘を出してエスコートする極美アンドレも、どちらもとっても自然でした。

それから幸せそうにピアノを弾いているアナベルと、これまたとっても幸せそうにアナベルの奏でる音色に聞き入っているアンドレのどちらも純粋で可愛くて・・・照れ

“エルベ”のように本当には弾いていなかったけど二人ともすごく柔らかな表情でとても印象的なこのシーンですが、ジュリアンの登場によってこの穏やかな日常が壊れていくんですよね。

 

二人の演技がとても良かっただけに、最後のアナベルとのシーンでアンドレが客席に背中を向けてしまっているのが残念ですあせる月組公演でもこの時の明日海さんに泣かされたので、是非極美アンドレの表情も見たかったなぁ・・・。

 

返事をする表情が見えなかったのとアナベルの事を歌うソロ曲がカットされていた分、最初の柔らかな好青年ぶりとゆーっくり口角を上げてフラフラ去って行くラストが一番印象的でした。

 

 

ミッシェル役の紫藤りゅうさんも、いかにも穏やかで育ちの良い好青年という感じがハマっていました。

ギラギラしたジュリアンとギラギラとは無縁そうなミッシェルが仲良くやれるのはなぜかこちらが嬉しかったのですが(笑)全く正反対の二人の対比は面白かったです。

 

エエ声の遥斗さんも堪能!耳に残る美声でした。

 

 

でも何よりも印象的と言えばボランジュ夫妻キョロキョロ!?

いまいちととっつきにくいボランジュと、フワフワしているのか実はフワフワは作戦で中身はめちゃくちゃな策士なのか混乱させられる夫人(笑)

 

『スリさぁ~ん!?照れ

 

 

と呼びかけるたびに礼ジュリアンがふん!って表情するけどお構いなし。今日は大阪公演という事で

 

 

『ジュリアンさんに、大阪名物の食い倒れ太郎さんのお菓子を持って来て差し上げて~照れ

 

 

なんてセリフも追加されていました(笑)こっちゃんが客席に見えるように絶妙なタイミングで太郎のお菓子を見せたのも面白かった(* ´艸`)他の日はお好み焼きも登場したのだとか・・・。

 

これで全国ツアーの日替わり予想する楽しみが増えましたね!

広島はもみじ饅頭で、神奈川は崎陽軒のシウマイ、秋田はきりたんぽ、青森はせんべい汁?、宮城は牛タンで、北海道はカニor味噌ラーメンと予想しておきますてへぺろ

 

 

 

2幕 『エストレージャス~星たち~』

 

久しぶりのエストレ♪

 

音楽を聞いていたらいつの間にか大劇場にトリップしていたようで・・・真ん中で登場する礼さんにびっくりでしたが、ポスターの銀の衣装が似合っていてカッコ良かったです。その後デュエットで踊る時の真っ白な衣装もグッド!

 

大劇場で2番手3番手が着ていた金のベストは、愛月さんと紫藤さんが着用。

礼さんが担当していた《スターライト》は、極美さんと天飛さんの2人に。サビでは小桜さん水乃さんも入って4人で歌っていましたが、男役2人の声が小さくなって聞こえ辛かったので頑張って!と心の中で声援を送りましたあせる

でも本当に初々しくて微笑ましい雰囲気でした照れ

 

七海さんの歌は《あの日出会えた奇跡》に変わっていて愛月さんが登場♪『あの頃のままで分かり合えたら・・・』みたいな歌詞の爽やかな曲ですね。

シーン自体は一緒なので他の組子は《ポップスター》と同じ衣装でしたが、愛月さんは別の衣装で・・・それが宙組カラーの紫だったのでちょっとニヤッとしちゃいました拍手この時だったか記憶が曖昧ですが、愛月さんソロで真っ赤な照明がパーッと散って歌い出す演出が素敵でした。大劇場と違って細かな照明が良かったです。

 

若手の出演者が多かったので、色々な男役と娘役が組むのが見ていてとても楽しいですね(*´ω`*)

↓以下変更の違いを全部書くと長いので曲順に簡潔に・・・

 

 

《スターライト》礼→極美、天飛

とにかく初々しくて可愛い!ちょっと歌い方は礼さん意識してた気が?

《ポップスター》七海、有沙→《あの日であえた奇跡》愛月、夢妃

元々七海さん卒業用の選曲だったからか、新曲に。宙組カラーの衣装もですが、愛月さんの放つキラキラが星組と違って感じられたのが新鮮でした。

《スタム》紅、綺咲→礼、瑠璃花夏

まさかの客席からセリフ付きで登場キョロキョロ紅さんと同じ振り付けでした。

《きっとキミの夢になる》→紫藤、桜庭

こちらもスターライト同様に初々しい2人でした。緑と黒の変わった衣装が印象に残っています。リフト素敵でした。

《Hot Stuff》紅→愛月

ちゃんと「Hot Stuff!」に聞こえますね(笑)いつも天華さんが滑り込む振り付けが好きだったので、今日は漣さんが代わりにやってくれて満足でした照れ

《Turn the Beat around》綺咲→音波、夢妃

2人で左右に分かれて指差しポーズをするので、万遍なく視線が来て嬉しかったです(笑)

《Sunny》礼→紫藤

セクシーよりも可愛い感じのSannyでした(*´ω`*)大劇場でも奥で高速リフトの極美さんが気になっていましたが、梅芸でもやっぱり高速リフト!アナベルの時もスマートにリフトしていましたもんね。

《リベルタンゴ》紅、綺咲→礼

一人で踊っているのに迫力がありました。裏地の赤がとっても映える衣装ですね。ヒラヒラさせながら踊る様がまるで闘牛士のようでカッコ良かった・・・!ちなみに黒金赤って全部礼さんが好きな色じゃなかったですっけ?

《チャンピオーネ》紅→礼(これはしっかり書きたいので後に)

《星サギの夜》紅、綺咲→愛月、小桜

愛月さんの陰にそっと隠れる小桜さんが可愛かったですラブでもかいちゃんがいないあせると突然の虚無感も。

《サソリの火》サソリの親分 瀬央→漣

「小悪党感が大事」なのだと瀬央さんがおっしゃっていましたが、漣さんはもう少し強そうでした(* ´艸`)礼さんはエノキみたいな衣装が長くなってますね(笑)センターで輪の中踊る新しい演出が幻想的でした。

《ありえない奇跡》瀬央→紫藤、極美

こちらでも2人で。極美さんは4番手くらいのポジションだったのでしょうか。お芝居でもショーでも目立つ役でしたね。

(ダンス) 綺咲→夢妃

ここはショートヘアの綺咲さんがもう素敵過ぎたので・・・ちょっと物足りなかったです。

 

 

《チャンピオーネ》は、ロケットの衣装を着た数名と礼さん以外は客席に下りてしまったのでこちらから見えなくて寂しかったですが、それは舞台にポツンといた礼さんも同じだったようで何度か左右キョロキョロして1階席に拗ねたような視線を落としたり、2、3階席をオペラで見るような仕草が可愛かったです(*´ω`*)

 

活舌の良い《チャンピオーネ》と人数が減ってもノリノリの星組子&愛月さん。愛月さんと礼さんの並びも相性が良い感じです♪

 

でもめっちゃ突っ込みたかったのが一つ・・・

 

 

『睡眠OK!朝メシ持って さあ今ぶっ飛ぶぜ♪』

 

が、「朝メシ」でやったジェスチャーの大きさが尋常じゃなかったんですが(笑)持ち上げたあれはお重箱??こっちゃん何人分持って行くねんあせるとこっそり突っ込み(* ´艸`)

 

 

《情熱大陸》は冒頭は礼さん一人で、階段下りしてから合流する演出でした。『ふっ!』が紅さんみたいでカッコ良い!

人数が半分くらいに減ったはずなのにぴったり揃っていて迫力が増した群舞にびっくり!!愛月さんだけキラキラがついていて他は普通の燕尾でした。愛月さん踊れるので目立ちますね!

 

主に愛月さんの登場シーンに紫藤さんと極美さんがいることが多かったですが、場面ごとに衣装の差があったりなかったりするのが面白くてそこをガン見することが多かったですてへぺろ

 

 

↑で箇条書きにすると振り分けられていますが、実際は礼さんが歌って踊って踊って踊って・・・という感じで、ちょっと心配になるくらいでしたあせる1曲挟んではいましたが、さすがに今回の《Back!》は礼さんでも息が上がっていた気がします滝汗

でも人数もメンバーもガラッと変わっての《Back!》なのに綺麗にダンスが揃っていて、相変わらず高度な仕上がりでした拍手

 

 

《逢いたくていま》は、エルベ以上に1幕の2人が出てきて、二人で踊る姿に感動でした。ここの振りも紅さん達と同じなんですね。同じでも空気感が全く違って、それぞれのペアにしか出せない素敵なデュエットダンスですキラキラ

 

最後に下からそーっと抱き着く音波さんがずっと陰でジュリアンを支えていたサビーヌみたいに慎ましくて、可愛かった~笑い泣き

 

 

階段下りは短縮版ですが、紫藤さんや極美さんの肩に羽根が乗っていて、愛月さんは羽根を背負っていました。

七海さんと同じ3番手の羽根にも見えましたがちょっと小さいような・・・?2人とも身長が同じ(173㎝)でも愛月さんは更にガッチリして肩幅があるから羽根が小さく見えるのか、本当に羽根が小さかったのかは謎です(笑)

 

 

カテコは全部で3回。

何回目かで大阪の出身者(茨木市、吹田市、東大阪市)を組長の万里さんが紹介。礼さんはこのツアー中にお誕生日を迎えた2人を紹介(5/5紫藤さん、5/6小桜さん)

 

『GWの最終日という日に、明日は仕事なのに、わざわざ劇場まで足を運んで下さった皆様・・・正しい選択です(笑)』

 

『盛り上がりがさすが大阪キラキラ

 

とか、ありがとー、すっきゃねーん、と関西弁でお礼を言っては横の万里さん(大阪民)にイントネーションの確認をする可愛い礼さん。最後のカテコでは

 

 

『皆さんはいったい礼真琴に何を求めているのか?キョロキョロあせる

 

 

と困惑気味の礼さんでした。それでもそこからツアーの意気込みを語れるコミュ力の高さ・・・

 

 

結局この1回で観劇は終わりそうですが、熱くて楽しい大阪公演でした。

 

 

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↑今回の購入品(*´ω`*)物販にはBlu-rayやCDも並んでいて、「思わず買いそうになるわ~あせるあせるあせると誘惑たっぷりの中をミュ友さんと耐えてきました(笑)

 

 

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最近は宝塚ネタで盛り上がることの多いミュ友様。いつも真面目に聞いてくださってありがとうございますラブ