ここ暫くの間休載していたが、取り分け理由はなく相変わらず本への関わりを絶やさない毎日を過ごしていた。
さて、ゴールデンウィークの長い連休がありながら、出歩くことは少ないのであるが、今回思い立って少し遠くの「坊っちゃん」の舞台となった街にあるお気に入りの古本屋さんへ、およそ二年ぶりに訪れた。
とはいえ車で1時間超程なので、遠出といえばそうでもないのだが、古本を求め休日わざに出る機会が無いので、私にとっては十分遠出といえる。
長い峠路を抜けて、暫くの間真っ直ぐ進むと、お城を中心とした華やか(田舎にしては)で、風情ある街並みが拡がる。
そしてお堀端の交差点を越え信号の無い交差点を南方向へ少し、ウォーキングに最適そうな通りの一画にある目的の古本屋さんへ。
さてもう車を降りるとキーを抜くのを忘れて、早速店外のセール品の宝の山を物色し、店内で更に文庫コーナーを隈なく捜索する。
兎に角、四囲のすべての本が魅惑のもので、幾ら見直しても欲しいものが多く決め切られない。
静かで本に囲まれた店内所狭しと繰り広げられる、自分だけの無言の捜索、無言の興奮、無言の通路の譲り合い、そしてお客さんが求める本の趣味への無言の関心は、いずれをとっても古本屋さんならではの何とも言えない味わいである。
いつの間にか両手に山と積まれた文庫本を抱え、それでも飽き足らず再読物色にかかる私の表情は傍目からはどうであったろうか。
それほど老若男女のお客さんの出入りが、間断なく続いていたということである。
そして夢中で選書した本の数々がこちら。