半年以上越しで遂に入手したのが、以前の「我が名はアラム」の通読時から、その亜空間味溢れるユーモアセンスがたまらないウィリアム・サローヤンの「パパ・ユーア クレイジー」の文庫初版本である。



 比較的安価で入手出来たので、カバーが著しく傷んでいるのは了解の下ということで、中身はそれにもかかわらず綺麗なものである。
察するに、その傷みの後からカバー周りだけ不意の水濡れなんかに見舞われたのではないかと思われる。

 しかし、通常から逸脱した私のようなコレクターの端くれからすると、この「初版」という響きは見た目の損ないより何とも心地よいのである。

 しかし裏表紙バーコードの再版含め、何故そんなに価格水準が高めにあるのか、私は未だによく掴めていない。
そして、あの時足を延ばした古本屋さんの屋外棚セールに並んでいたものを入手しておかなかったか、今更ながら未練がましくも思うのである。