Ovation 1651 ステレオプリアンプ修理 | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

朝夕はずいぶん涼しくなりました。

が、昨日も昼間はまだまだ35℃超え!

 

皆さま、熱中症にはくれぐれもお気を付けいただき、ご自愛くださいませ。

 

昨日は金曜日に地上波で放映されたベイマックスを録画しておいて、昼間にゆっくり観ました。

癒されました~

 

 

 

さて、Ovation 1651 ステレオプリアンプの修理をさせていただきましたので、ログに残したいと思います。

 

先に結論を言うと、プリアンプではなく配線の不具合でした。

中古で入手時から、片側のチャンネルしか音が出ないとのこと。

プリアンプ+PUのみをお送りいただきました。

 

さらに可能であれば、ネジ穴がつぶれたVolつまみのイモネジを交換したところ、高さが合っていないので、調整して欲しいとのご要望。

先ずはPUをタッピングしながら出音を確認。

上の写真はシールドがつながっていませんが・・・

 

出力はMONOとSTEREOのジャックがあり、先ずはSTEREO出力にステレオケーブルを接続し、このパッケージのままでアンプにつなぎ、PUの各弦の出音を確認しました。

 

すると、問題無く音が出ました~!?

 

続いてMONO出力は・・・出音しません。

色々接続パターンを試すと、MONO出力と同時にSTEREO出力側にもケーブルをつないでやると、MONO出力から片側Chの音だけが出ました。

 

そこで、ジャック周りの配線をチェックして行きます。

先ずはSTEREOジャック。

なかなか複雑なSW部の構造で、接続を簡単に追う事が出来ません。。

 

プリアンプからの配線の網線シールドが切れかかっていて、触っていると切れてしまいました。

しかし、ここは直接関係なさそうです。

はんだ付けし直して補修します。

続いてMONOジャック。

こちらも構造は独特ですが、接続はSW付きモノラルジャックの、ジャックを挿入するとSW部がOnするバージョンです。

 

こちらは見る限り普通の接続で、SW部はプリアンプの電源のOn/Offとなっていると思われます。

 

STEREOジャックのSW端子の構造が複雑なため、端子と配線を書き出して解読。

テスターでどの端子がどの様に接続されているのかを確認して書き出しています。

太く引いた線がジャックの構造部で、細い線が配線です。

 

MONOジャックの端子構造と配線。

出力が不良となっているMONO出力時の状況を冷静に確認。

ん??? 

MONO出力時はプリアンプの電源が入らない事が判りました。


そこで、STEREOとMONOのジャック間の配線を書き出して確認。

結果、配線の不良を発見!

STEREOジャックからMONOジャックへのプリアンプ電源の配線が間違っていました。

 

現物で言うと、下のピッケルで指し示している部分です。

これを正しい部分にはんだ付けし直し。

これでMONO出力の機能が回復しました!

恐らく過去に修理した方も複雑なので判らなくなってしまったのでしょうね。。

 

参考まで、どちらのChが不良か分かるように、PU出力とプリアンプ入力に、番号を付けてチェックを行いました。

今回付けたCh番号では、Ch1で2、4、6弦、Ch2で1、3、5弦が鳴りました。

 

イモネジの高さも低くして、修理完了!

今回も無事に修理させていただく事が出来ました。

 

プリアンプ自体の不具合でなくて良かったです。

当時の電子部品が無くなってきていますので、場合によっては修理できなかったり、出来ても特性が少し変わってしまったりしする場合がありますので。

 

また今回の修理につきましては、同じOVATION 1651の複雑なジャックの配線に、困っている方もおられるかと思いますので、参考になれば幸いです。

ブログ掲載を快く了承いただきました依頼者様に感謝いたします。

 

 

 

ビンテージギターのメンテの後は、なぜかアコギのプリアンプの修理が続いています。

なぜでしょうか、似たような修理が連続するパターンが多い様に思います。

 

 

 

 

では、また。

u-tak