Mosrite 1960年代製Dobro D100E ブリッジPU修理 その3 | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

一昨日から、調さんの関西時代の友達が泊まりに来ています。

 

Billy Elliotのオーディションレッスンでバレエを教えていただいていた教室で一緒だった、一般のバレエ男子です!

オーディションレッスンが始まったっ頃からすると4年以上経ちましたので、大きくなっています。

 

見かけた時、二人で家の前でピルエットしてました~(笑)

 

調さんがBilly Elliotに参加しなければ無かったご縁です。

これも、「このミュージカルは、人生を変える!」 の一つですね~

 

 

 

さて、60年代のMosrite製ドブロのPUの修理の続き、最終回です。

前回はコイルをできるところまで解き、約1000ターン程度回収したところまででしたね。

https://ameblo.jp/u-tak/entry-12863945965.html

 

さて、ここからボビンを整備してコイルを巻き戻して行きます。

 

TOPプレートの割れた部分を補強。

ベースプレートの剥がれを再接着します。

そして、TOPプレートから銅板までを再接着して元の構造に戻します。

接着剤は、前回紹介したセメダインの耐衝撃瞬間接着剤C3000ゴールド。

PP(ポールピース)にワッシャを挟んで全体を固定。

上の写真の右側が広くなっていますが、ここにリード線の取り出し部が集中するためそうなっている(なってしまう)のだと思われます。

接着剤が固まるとPPを抜いてボビンの準備は完了。

「その1」の時に書きましたが、実際の製造工程では一番下の磁石付きの銅板は接着されておらず、最終的な組み込み時に接着されると思われます。

 

白リード線に回収したコイルをはんだ付け。

白リード線を元通りにボビンに取付け。

リード線先端の銅線を環にしたところに、ボビンに巻き付けたリード線の先端を通して、カウボーイの投げ環に様にして固定。

そのリード線の固定位置も元あった位置に。

 

リード線はコイル巻き機にSETする際に邪魔にならないよう、裏面にマスキングテープで固定。

手動コイル巻き機にSET。

先ずは回収したオリジナルのコイルを巻き込み、その後、新しいAWG44を巻き足して行きます。

 

オリジナルのコイルは1000ターン程度と見積もっていましたが、923ターンでした。

923ターンの時点で抵抗値は1.10kΩ。

 

ここから新しいAWG44を巻き足していきます。

なお、回収したコイルも外寸はφ0.058でした。

 

新しいコイルを巻く時は、直下にコイルを置いて巻きます。

1100ターン巻き込み。

3000ターン。

3500ターン。

もうボビンがいっぱいになってコイルがはみ出してきています。

ここからは、コイルのはみ出しの形状を見ながら巻き込む感じになります。

 

4000ターン

4500ターン。

コイルのはみ出しが大きくなり、崩れやすくなってきました。

オリジナルのコイルのターン数は不明のため、この状況から5000ターンを最終的な目標ターン数に設定。

 

オリジナルコイルの部分が923ターンで1.10kΩですので、5000ターンで7kΩ以上になると概算しました。

 

因みに、ボビンに何か所か貼り付けているマスキングテープは、コイルを巻く時にボビンから外れないようにガイドする様に付けています。

 

5000ターン!

コイルのはみ出しが・・・ 限界です。

 

巻き線機から下し、コイルが崩れない様に仮止めし、コイル端に黒リード線をはんだ付け。

黒リード線の環状の固定部が来る部分に、オリジナルのテープを貼り戻して保護。

このテープの位置もオリジナルの元通りの位置。

 

黒リード線を取付け。

導通チェック。7kΩ以上ある事を確認。

コイル外周を成形しながらマスキングテープで固定して行きます。

オリジナルは1本のテープを横にぐるりと1.5周しているのですが、ベースプレート外側と磁石が付いた銅板がほぼ接しており、この隙間に上手く貼ることが出来ません。

 

ですので、その隙間には短冊状のマスキングをピッケルで挿し込んで固定して行きます。

差し込んで・・・

整形しながら巻き付け。

コイルを傷つけないように細心の注意を払います。

 

コイルの整形完了。

PUの上のテープが元々巻かれていたオリジナルのマスキングテープ。

 

外周にマスキングテープを貼り付けて全体を保護、固定します。

巻き線機に両面テープで固定していたため、取り外す時に裏面のテープが剥がれてしまいました。

これを両面テープで再接着。

PPを取付けます。

金属製のPUカバーに挿入します。

上手く押し込む感じで挿入できました。

裏面の発泡ゴム状の板を装着。

これはPPに刺さって固定されているだけです。

 

修理完了!

抵抗値は約7.1kΩ。

写真の抵抗値はPUが作業後すぐで、手で暖まっているため高めに出ています。

 

搭載できるギターが無いため、ストラトの弦に近付け音出しチェック。

音の良し悪しは分かりませんが、問題無く出音することを確認し、修理は完了です。

 

今回、コイルも上手く解けたとは言えず、TOPプレートを割ってしまうハプニングもありましたが、何とか修理させていただくことが出来ました。

 

都度ご理解いただき、ブログへの掲載を了承してくださいました依頼者様に感謝いたします。

 

 

 

改めまして、RE/F-TECHではメーカーやショップ様で修理ができないものを主に修理トライさせていただいております。


基本的に修理を前提にされていないものに対して修理トライさせていただきますので、何が起こるか分かりません。
そのため、進捗があれば都度、共有・相談しながら進めさせていただいております。


また、複数多業務の中で行っておりますので、積極的には依頼を受けておりません。

ご了承ください。

 

修理のログはできるだけアップして公開しております。

その内容が少しでも、どなたかのお役に立てば幸いです。

 

 

 

 

 

では、また。

u-tak