全日本バトントワーリング選手権大会の興奮も冷めやらぬ、と言った感じの、ここ数日です。
気が付くと、調さんの高校の成績表が・・・
ちょっとドキドキしながら見ました。(笑)
さて、Fender USAの1957年製ストラトをメンテナンスさせていただきましたので、ログに残します。
過去にも57年製や54年製を弾かせていただいたことは何度かありますが、実際に57年製のストラトをメンテさせていただく機会は多くはありませんので、有難い経験です。
ブログ掲載を快く了承いただきました依頼者様に感謝致します。
ボディーは2トーンサンバースト。
56年以降ですのでアルダーボディーです。
リアPUの出力が非力に感じるのでUPしたいとのご要望。
フロントPUの音は気に入っているとのことので、フロントPUの高さセッティングは大きく触らない方向でバランス調整を検討します。
過去に、74年製(多分)のストラトでリアPUの出力が小さいと言う相談を受け、対応したことがあります。
その際は、トレモロのスプリングを締めすぎてボディーの鳴りが抑制されていたのが主要因でした。
また、その時にオリジナルの回路等を出来るだけ触らずにPU出力を向上する手段として、パワープレートを開発しました。
今回も、状況によってはパワープレートを薦めてみようと思います。
さて、今回の57年製ストラトですが、先ずは状態をチェック。
アンプにつないで出音を確認してみましたが、何か大きな不具合があると言う感じではありません。。
リアPUは若干頼りない感じもしなくはないですが、異常と言う感じではありません。
強いて言えば・・・
過去に弾いた57年製や54年製は、リアPUでも結構低音弦が鳴っていました。
そこが、現行のストラトでは再現が難しいところになると思いますが、その特徴が弱い感じがしました。
普通にミッドは出ていてビンテージの枯れ感もある良い音ではありますが。。
ここで、先ず気になった点が。
ブリッジがボディーから少し浮いています。
1弦側も
アーミングをしてみると、途中でグギッとズレる感じです。
この様な場合、中低音の鳴りが良くないことがありますので、リアPUではより線が細い音となり、出力が他のポジションより低く感じやすくなりますので、後ほど調整を行ってみます。
次にピックガードを開けてPUのチェック。
フロントPU 約5.7kΩ at 15℃(テスターは0.04kΩ低く出ています。)
ミドルPU 約5.75kΩ at 15℃(テスターは0.04kΩ低く出ています。)
リアPU 約5.3kΩ at 15℃(テスターは0.04kΩ低く出ています。)
リアPUの抵抗値が約5.3kΩと他より約0.4kΩ低いため、恐らく出力は他より低いと思われます。
この年代はコイルのターン数もバラツキが大きく、抵抗値が低いと巻き数が少ないと推測されます。
巻き数が少ないと出力は低くなります。
またはコイル皮膜の経年劣化で内部ショートが発生して抵抗値が下がっている場合も考えられます。
その場合もショート区間の出力が減るため出力は低くなります。
今回はPP(ポールピース)の錆びも少なく、PPとコイル出力の間の絶縁が確保されているため、恐らくコイル皮膜の劣化ではなく、コルの巻き数が少ないのだと思われます。
次にPPの磁力をチェック。
PUの裏面でも測定を行いましたが、出力への影響が大きいTOP側を紹介します。
リアPUの6弦側は、65~85mTと若干低い数値ですが、これも異常と言うほどではありません。
なお、PP上の測定する位置やプローブの当て方で数値が結構振れますので、幅を持って記録しています。
各PPの磁力測定結果。単位はmTです。
リアPUの1弦、3弦PPが約70~90mTで他のPUより低いため、出音が若干弱い可能性があります。
このリアPUの4弦と6弦の磁力の低さと、リアPUの抵抗値の低さが相まってリアPUの中低音弦の出力が若干弱く、リアPUの出力が少し弱く感じるのだと推測します。
要因が推測出来たところで、今回はここまで。
ちなみに調さん、成績は悪くなかったです。
むしろ、優秀かも。 ← 親バカ
では、また。
u-tak