TOM ANDERSON SD1 ピックアップ修理 その④ | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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RE/F-TECHとは、ビンテージ、アンティークをこよなく愛するミュージシャンu-takが、
旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

再び寒くなりましたね~

皆さま、ご自愛くださいませ。

 

ようやく、家族2名分の確定申告が完了!

あと1名分です。

 

と言うことでブログを。

 

 

さて、TOM ANDERSONのスタック構造のノイズキャンセルシングルハムバッカー、SD1修理の続きです。

 

前回は、コイルを巻き戻したところまででしたね。

 

 

 

スタック構造のボビンの上下が分離できなかったため、コイル端の処理を横面から行うしかなく、ここで苦戦しました。

上側ボビンのベースプレートの前端面に切込みが入っているだけですので、コイルをハトメにはんだ付けしようと引っ張ると抜け出てきてしまいます。

 

結局、この切込み部とその下を通るコイルを先にロウ材で押さえ込んで固定してからハトメへのはんだ付けを行うことで解決しました。

そして、次はポッティング。

ロウ材を湯煎して準備しましたが、ここでも問題が・・・

 

全体をロウ付けすると、修理していない下側コイル側にもロウ材が回ってしまいます。

 

下側コイルの外周のテープを外して全体をポッティングすることも考えましたが、それによって下側コイルのコンディションが変わる可能性もあります。

 

 

で、考えたのが上がコイルだけをロウ材に浸けてポッティングすると言う方法。

磁石で吊り下げて、浸漬する高さを調整します。

その磁石はPower Plateで使用するモノを活用!

 

丁度良い高でポッティングできるようになりました。

ロウ材の温度は内部までしっかり均等に含侵するため高めの67~70℃狙い。

半浸けでは放熱が大きく温度が上がり切らないため断熱性の高いエアキャップ(プチプチ)で蓋をします。

67℃~70℃で20分ポッティング処理。

泡が出なくなったので引き上げ。

比較的高温でポッティングしているため、ロウ材の切れが良い。

 

TOP面等の不要な部分のロウ材を温かいうちに拭き取り。

室温に戻ればポッティングは完了。

上側コイルのコイル端の処理部が出てくると嫌だな、と思っていましたが問題無くロウ材で固定されています。

外周のテープはオリジナルのモノが使えそうでしたので、元通りに巻き戻し。

見た目は修理されたことが分からない仕上がりとなりました。

リード線を元通りに取付けます。

先ずは内側になる上側コイルの赤と緑のリード線。

 

次に外側、下側コイルの黒と白のリード線をはんだ付け。

PU本体の修理はこれで完了です!!!

銘板ラベルを接着剤で貼り戻し。

導通チェック。

下側コイル5.62kΩat 21℃。(テスターは0.06kΩ低く出ています)

上側コイル5.92kΩ at 21℃。(テスターは0.06kΩ低く出ています)

コイルを解いた時と、巻き戻す時に使用した記録紙。

最終的にはPPの磁力、LCRデータなども記録に残しています。

 

最終のサウンドチェック。

いつものストラトテスト機のリアにて。 

ハムノイズキャンセル接続では、リアポジションでもミッドローが出る落ち着いたサウンド。

周波数特性に変なピークが無く、低音側にレンジが広い感じです。

 

タップシングルでもキンキンせず、リアポジションでもバランス良くまとまった感じの出音です。

タップシングルモードではやや出力が弱い感もありますが、下側コイルになるため(弦から遠いため)と、コイル巻き数もシングル単体としては少なくなっているためだと思われます。 

 

以上でTOM ANDERSONのSD1修理ログは終了です。

修理記録の公開を快くご了承下さった依頼者様に感謝致します。

 

また、このブログを見てくださった皆さま、何か少しでも参考になりましたら幸いです。

 

 

 

 

調さんはテストWeek到来で、勉強している様です。

何とか頑張って~

 

今日は何とか、期間限定で開く某Cafeへ伺いたいと思います♪

 

 

 

 

では、また。

u-tak