Gibson '61 PAF 修理 その1 | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

1月も最終日。いよいよ2月ですね!

 

末っ子次男はバトンの大会に向け、日々レッスン。

演技を詰めて行っています。

その合間に、収録も!

 

そしてu-takも大学の研究会に参加することに。

英語もしなきゃだし。。

分身の術でも使えないかなぁ~

 

 

さて、今回も貴重なGibson 1961年製PAF ナローピッチ Goldカバーを修理させていただきましたので、ログに残します。


音は出るがトレブリーで断線かも、とのことで運び込まれました。

写真のGoldのPUカバーは外されていて、軽く被せてあるだけです。

いやはや、メチャクチャ貫禄があります。

 

この時代のPAFはなかなかお目にかかれず、あっても大変高価です。

いつもの様に、できるだけオリジナルのコイルを使い、出来るだけオリジナルのコンディションに近く修理していきます。

 

先ずは導通チェック。

導通が無く完全に内部での断線です。

 

いよいよ外周のテープから外していきます。

写真の正面右寄りの部分から剥がします。

 

すぐに各ボビンからのリード線接続部が出てきました。

先ずはこのリード線の接続部分を最低限剥がして、どちらのボビンが断線しているのか確認します。

結果、アジャスタブルPP(ポールピース)側は問題無く、ソリッドスラッグPP側のボビンが断線と判明。

ソリッドスラッグPP側のボビンを取り外します。

外周のテープを剥がす前に初期状態を確認チェック。

テープの巻き始め位置。

外周のテープを剥がしていきます。

コイルに直接貼られていますので、勢いよく剥がすとコイルが断線しますので慎重に。

剥がれにくいところは少し温めると粘着剤が緩んで取れやすくなります。

それでもダメな場合は、シール剥がし剤か、エタノールで粘着剤を溶かします。

無事に外周のテープが剥がれました。

 

コイルの巻き終わりは紙テープを少し粘着面が出る様に長手に半折りにしてリード線とのはんだ付け部分を挟み込んで保護し、その粘着面が出た部分でコイル本体に貼り付けて固定してあります。

 

ここで断線していることも多いのですが、今回はここではありませんでしたので、巻かれているコイル本体での断線です。

 

リード線を固定しているテープも慎重に剥がして、コイルの巻きの外観をチェック。

「PAFは巻きに偏りがある」と言うのは有名な話ですが、ここまでいびつ?と言う偏り具合。

 

これは後に分かりますが、コイルの下に結構長い距離にわたってリード線が入っているためで、当然、リード線の位置によってかなり偏りがある様に見えてしまう、ということです。

 

一旦、巻き終わり部のリード線は外し、コイル解き機にてコイルを解いていきます。

後ろに修理苦戦中のGR-300の回路図があるのはご愛嬌~ (笑)

 

巻き始め側のリード線は邪魔にならない様にボビン底面に這わせてマスキングテープ留めしています。

いつもの様に、ボビンの上下間を何ターンで巻いてあるか、記録しながら、また巻きの偏りがある場合はそれもメモしながらコイルを解いて行きます。

 

4735ターン解いた写真。

コイルの下にリード線があるのが形から分かります。

ボビン左の下側の際にはリード線が出てきて見えています。

 

コイル解き完了。

できるだけコイルにダメージが少ない様、丁寧にほどきますので、のべ約8時間、工期で1週間弱かかりました。

記録用紙。

今回は引き出せなくなった部分と弱くなっていて簡単に切れてしまった部分が4か所、真の断線原因部位が1か所、合計で5か所の断線となりました。

 

弱った部分は補修しておいて悪いことはナシです。

引出せなくなった部分はリード線があるために巻きに偏りがあり、コイルが滑って前のコイルの下に潜り込み、挟まった状態になっていました。

 

全体では5075ターンで、真の断線部位は4965ターン解いたところでしたので、残り110ターンのところでした。

真の断線部も、コイルがリード線の上で滑って偏りが出来ている部分でした。

 

写真を撮っておけば良かったですね。

作業に集中してました。。

 

今回はここまで。

 

 

 

明日には末っ子次男の活動で、何かお知らせできるかもしれません。

お楽しみに~。

 

 

 

 

では、また。

u-tak