今日はカミさんが子供たちのところに行ったので、一人で過ごす日曜日。
カミさんがブロッコリーのスープをたくさん作り置きしておいてくれたのだが、「ブロッコリーが若すぎて青臭いから、食べれなかったら捨てておいて」と言われた…。でも、捨てるにはもったいなかったので、クックドゥ香味ペーストを入れてみたら、美味しい中華スープになった。
あとは、食べたかった大根の煮つけをコトコトと煮て、胡瓜を切って浅漬けにし、明日からの一品に。
それと、昼間には映画「祈りの幕が下りる時」を観て来た。
松嶋菜々子の演技が素晴らしかった。
そして、映画の最後の言葉は、嘘は真実の影。
不味いものを、美味しくする…
真実を変えて、嘘という影を描く…、それが人の習性。
これも一つの『型』
南京事件で言えば、中国は犠牲者を過多に見積もり、影を描き出す。
すると、日本は犠牲者を過少に見積もり、逆の影をつくりだす。
つまり、影から真実の姿が見えてくる…
それは、この場合、過多と過少の間に。
この世は、そんな構造でできている…。。。。。
ということで、最後の「エンジニアのための記号論入門ノート」を。
もの(製品・部品)と情報を結び付ける識別コード
http://www.wind.sannet.ne.jp/masa-t/isej/jise10/buhinno.html
以下、転載
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識別コード
『型』と型にハマる『個体』、これは、タイプとトークン。
タイプ(型)識別とトークン(個体)識別という2つの識別名称の体系(コード)を決定する必要あり
個体(トークン)の識別コードは簡単のほうが良い
型(タイプ)識別コードの設定には範列、統語の知識が有用である
個体識別コードが実質つまりものと直接結び付くのに対して、型識別コードは意味と結びつきます。
型識別コードは型識別コード素とその組合せ(統語体)で構成することにします。
ナンバープレートの「多摩」は、全国の運輸局という集合つまり範列の一つの要素です。また「500」は排気量という範列の要素です。これから、型識別コード素の選定の方法として、まず視点を定め、その視点に沿って範列を設定していく方法が考えられます。
アリストテレスの存在の多義性が参考になる
アリストテレスのものの存在の10の状態
型識別コードの統語規則として、特に決まったものはありませんが、オブジェクト指向やオントロジー工学で使われている、図10.11に示す概念の階層化方法が検討の手掛かりになります
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記号論と情報システムをつなぐ組織記号論
http://www.wind.sannet.ne.jp/masa-t/isej/jise11/sosiki.html
以下、転載
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企業・行政・教育機関などの組織を、記号論の視点から理解しようとする組織記号論(organizational semiotics)であり、使いやすいユーザインターフェースやその組織に適した情報システムを構築するための要求定義の方法(要求工学)がターゲットとなっています。
彼の論文『コンピュータ記号論(Computer semiotics)』から、それぞれの項目の要点を引用してみました。
- システムとしての記号(signs as systems):自由に変えられない構造を持つ社会現象としての記号システムに焦点をあてる。システム分析・設計・実装は、組織全体で用いられるコンピュータ上に構築される記号システムを指向する。
- 知識としての記号(signs as knowledge):個人が記号を学習・使用・理解できるようになるのは、心理的機構や精神生理学的性質の複合作用による。コンピュータ上の記号の場合には、その役割は、個人の心身で生じることを研究する認知科学や認知的人間工学が担う。
- 行動としての記号(signs as behavior):個人と環境、特に他の人とのコミュニケーションを構成する部分に着目する。社会言語学や実用論(プラグマティックス)がこの課題に関与する。コンピュータ支援協調という新しい分野に関係している。
- 芸術としての記号(signs as art):設計プロセス特に新しい種類のシステムを設計するプロセスを創造するプロセスがここに属する。新しいマルチ・メディアは旧来の見方を捨て、記号を芸術作品として語る能力を必要としている。(引用おわり)
ユーザは自社の業務内容から、開発者は自分が精通している技術からアプローチします。両者が満足する解を見出すのは至難のわざです。(ここは日本と中国の関係と相似)
Ronald Stamperらは、情報システムを採用する組織とくにその行動(behavior)に着目し、組織が取ることができる行動(アフォーダンスaffordance)をモデル化した意味モデル(semantic model)を作成し、アフォーダンスを規定するノルム(norm規範)を見出そうとします。第9章のコードが記号の働きを規定したように、ノルムは組織に属する人々の行動を規定している明示的また非明示的な規則です。
意味モデル(組織の構成員と組織全体の行動モデル)とノルムという概念により、システムユーザとシステム開発者の架け橋つまり共通理解を構築しようというのがStamperグループの目指す目標です。
組織記号論では、人間の情報処理機能に着目し、意味論・実用論・社会的世界という観点から情報システムのモデル化を進めていきます。
組織の行動として、以下の3種類を取り上げます。
- 実体行動:このカテゴリーの行動は、組織の最終目標の達成に貢献し、物理的または社会的な変化をもたらす。
- コミュニケーション行動:実体業務を支援するためのコミュニケーション行動であり、公式的情報の交換とともに非公式情報の交換を含む。
- 統括行動:組織内の強制力は規則と規制、組織間の強制力は企業間の協約や契約から発生する。両者とも法律によりまた社会的に支えられている。
Ronald Stamperらは、組織を行動(または挙動)という観点でモデル化します。これを意味モデル(semantic model)といいます。その基本要素は、図11.6に示すエージェント(楕円)とアフォーダンス(長方形)です。
- エージェント:行為の主体を表す。組織モデルでは、具体的な行為を行う人もある機能をもつ組織単位(図11.5の部や課)もエージェントとして表現する。図11.5は市長という人と部課という組織単位が混在しているが、これらは、エージェントで一元的に表現できる。
- アフォーダンス:エージェントの具体的な行為の型をアフォーダンスとする。アフォーダンスはアメリカの心理学者ジェームス・ギブソンが提唱した概念で(佐々木正人『アフォーダンス-新しい認知の理論』)、人間を含めた動物を取り巻く環境が、動物に提供する行為で、主体によって変わってくる。例えば、机は人間にとっては物を書いたり読だりするために利用するものだが、猫にとっては寝そべるベッドかもしれない。
- 組織記号論では、社会的環境に着目し、社会的環境のもとでエージェントがとり得る行為を(社会的)アフォーダンス(affordance)、具体的な行動を行為(action)という。
意味モデルでは、そのエージェントやアフォーダンスが存在する前提条件に注目し、その前提条件を図の左に配置します。このため、図の一番左には国家や社会などの大きな単位が配置されます。図中で半楕円は、役割(role)を表します。図ではプロジェクトがアフォーダンスになっていますが、ある環境のもとでは(例えば、新製品や新技術を複数部門が協調して開発する)、組織がプロジェクトを立ち上げるという行為をとることができることを意味しています
(3)ノルム分析の手順
組織の意味モデルにもとづき、エージェントの行為を規定するノルムを見出すノルム分析の通常の手順を以下に示します。
ステップ1:権限・責任分析(responsibility analysis)
ステップ2:原ノルム(Proto-norm analysis)
ステップ3:トリガー分析(trigger analysis)
ステップ4:ノルム詳細明細書(detailed norm specification)
- それぞれの行為(アフォーダンス)に権限と責任があるのは誰かを明確にする。その行為に対して、開始と終了を指示する責任者をはっきりさせる。
- その行為を‘してよい’、‘しなければならない'、‘禁止する'環境を規定する。原ノルム分析はある種の行動を実行するかどうかの決定をするのに必要な情報を確認するのを助ける。
- 企業において、新製品の開発に踏み切るためには、需要予測、他社状況や製品の競争力などを判断するために、多くの情報を集め、分析する必要がある。
- 行為がいつ、とられるべきか絶対時間または相対時間で規定する。その行為が行われている間のスケジュール管理もここに含まれる。
- 企業におけるプロジェクト管理では、このスケジュール管理が非常に重視され、いろいろなツールが開発されている。
- 図11.7のプロジェクト管理では、企業で、製品開発のプロジェクトを発足させるかどうか決定するのは、通常、役員でありまたそのプロジェクトの成否を判断し、その終了を決定するのも役員である(プロジェクト開始を決定した役員とは別の役員かもしれない)。
- ノルムの内容を記述し、役員また担当者が決定の参考にできるようにする。
![うさぎ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/176.png)