アイデアの重要性(13)侮蔑のフラクタルと伝承 | クラスタ民主主義システム研究室

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☆教育ディベートを推進しよう☆ ☆「complex system」で思考してみよう☆「ネットワークデモクラシー(Demoex)研究室」からタイトル改題しました。 

精神のあり様って、子供の頃に出来上がると思うのです。

 

子供の頃、両親や幼稚園・小学校の先生から、どんな風に道徳を教えられたか?

 

例えば、仲間意識と正義については、こんな感じでしょう。。。

 

 

1.優等生がカンニングしました。

2.それを見つけた転校生が先生にチクる(報告する)。

3.先生は優等生をかばう。

4.優等生は仕返しに「昔、転校生が万引きした」と暴露する。

5.優等生の仲間が転校生を「ドロボウ、クソ野郎」と侮蔑をくり返す。

 

まあ…、これが日本的なイジメの縮図ですよね。

 

イジメっ子が学級を支配し、その意向どおりに、仲間が敵を叩く。

 

一方の非を問題視しないために、仲間を護り、寄って集って他方の非を責めるわけです…。

 

でも、カンニングしたこと自体も罪は罪なのが正義のあり方ですよね。

 

そして、そもそもカンニングをしていなければ、カンニングを否定したら終わりで、こんな構図は生じないわけです。

 

 

 

 

では、もう少し、上のレベルへとフラクタルを一段階上げてみましょう。

 

 

1.校長が友人の子供に入試問題の解き方を漏らしました。

2.その不正を知った元教師が退職後に指摘。

3.すると、学校が、その元教師の風俗通いを暴露。

4.学校の他の教師や学校を応援するPTAたちも、元教師を誹謗中傷し侮蔑。

 

入試の優遇は、どうなったのか?

 

なぜ元教師の悪行を暴露しなければならなかったのか?

 

校長が入試で便宜を図ったのを、なぜ問題視しようとしないのか?

 

まあ、このイジメの構図でも、都合が悪いことを暴いた元教師を叩くのが正義なわけです。

 

 

 

 

では、現実に起こっている問題を考えてみましょう。

 

 

まず、内閣が元官僚の弁慶の泣き所を、どうやって掌握していたのか?です。

 

今の内閣は、全ての官庁のキャリア官僚たちの素行調査をやっているのか?、それは誰がやっていて、何処からの情報なのか?…、日本も、ロシアみたいに、国家らしくなってきたんでしょうね。

 

裏切る輩は、向う脛を蹴飛ばせ。

 

そして、指摘された不正は「無い」のだから、調べる必要はない。

 

PKOの日報のように隠していればいい…、ただし、絶対に見つけられるな!

 

共有フォルダにはない!、確認できない!…と言っていれば、嘘ではない。

 

 

 

 

元官僚がやったことは「内部告発」です。

 

そして、いま、安倍内閣が率先して日本社会で執行すべき「内部告発潰し」を子供たちに教えているわけです。

 

内部告発があったら…

 

内部告発者は潰せ…

 

内部告発された事実は調査する必要はない。

 

内部告発者の悪行を暴き、マスコミや世間へリークし、仲間で一斉に誹謗・侮蔑すればいい。

 

侮辱し、蔑み、人格攻撃すれば潰せる!

 

総理大臣を始めとする日本の国会議員たちがやるとおりにすれば、間違いない。

 

中韓、民進党、朝日、我らに歯向かう者たち…、嫌な奴らは、みんな侮蔑し蔑めばいい。

 

そうやって嫌いな奴らは全部潰してしまえ!

 

その精神が、日本が誇る美しい心であり、日本の道徳だから。

 

子供たちも、同級生の嫌いな奴、歯向かう奴らは、みんなイジメて潰せば、それが正義だ。

 

… … … …

 

いまの加計問題は、日本社会のフラクタル構造が表面化しているに過ぎません。

 

まあ、それが人間の精神の一面なわけで、なかなか改めることができませんね。

 

模範となるべき内閣が、こんなお手本を示しているんですから、これからも侮蔑や虐めの社会構造は無くならないでしょうし、真面目に内部告発すれば馬鹿を見ますから、今後ますます内部告発が減少し、日本社会の組織の健全化は遠のくでしょう。

 

うさぎ