矛盾と曖昧 | クラスタ民主主義システム研究室

クラスタ民主主義システム研究室

☆学習とディベート☆ ☆ネットワークデモクラシーを夢みて☆ 
☆教育ディベートを推進しよう☆ ☆「complex system」で思考してみよう☆「ネットワークデモクラシー(Demoex)研究室」からタイトル改題しました。 

ある方からプレジデントの記事を教えていただきました。


>大前研一氏が雑誌に書いた記事が公開されたのでご紹介します。
>日本で政権交代がうまくいかない本当の理由
>
http://president.jp/articles/-/9984?wapr=51efa059

私も読んできました。記載されている大前氏の指摘は正しいと思います。

私が簗瀬進氏のFNETDに入っていた頃、大前氏は平成維新の会を立ち上げていました。両方とも正しい方向を目指していたと思います。しかし、平成維新の会も参加した市民たちの内紛で崩壊、FNETDもネット上の荒らしで質が低下し続け終焉しました。

と考えると、結局は国民の資質なんだと思います。

二元論を使い大まかに論じるため、支配層(富裕層)と被支配層(貧困層)に分けて考えると、支配層は現状の日本で幸福ですし、貧困層の生活保護受給者や路上生活者も飢餓に陥るほど不幸ではありません。ニートたちもそれなりに幸せ…。被支配層の人々でも一旦抜け出してしまい支配層の村社会に入ると、もう改革しようとはしないわけで、自民党によって麻薬のように借金した金をばら撒いてもらっていれば恍惚でいられるから、真の改革に向かわないのでしょう。

官僚も、公務員も、市民も、貧困層も、同様な日本人の資質を持っているだけのこどかと。

しかし、日本人は清末期のようにアヘン漬けになっています。借金財政という麻薬で未来を見据える判断力が無くなっていて、日本システムを改革できません。おそらく、みんなが麻薬で朦朧としているうちに、このまま日本は沈没していくでしょう。

自民党から小沢さんが行おうとした旧金丸手法の政権に政権交代していたとしても何も変わらなかったと思いますし、結局は、政治家たちも日本国民たちも、現状を変えるビジョンが無いんだと思います。日本の政治家と日本国民の準拠集団である日本人の大半は様々な論点を細部まで議論する能力が不足しているので、現状のまま惰性で生きていくことしかできず、未来を変えるために思い切って舵を切ることができない…。

今の日本には羅針盤がないんです。



クラスタ民主主義システム研究室-羅針盤



大前研一さんレベルの賢人を政治家に祭り上げることができず、金権政治家か、タレント政治家にしか投票しない…。これが正しい羅針盤が無い原因でしょう。

日本が沈没しないためには、日本人全員が学習していく…、賢くなり賢人となった人を指導者に選ぶ…、正しい教育方法を広めていく…ことが必要でしょうし、現代はグローバル社会ですから、日本だけの利益を考えるのではなく、世界規模で利害調整していかなければならないと思います。


私たち民衆は、どうやって代議員達すなわち賢人達を支え、リーダーとして担ぎ上げたら良いのか?


反体制の人なら、中核派でも、タレントでも、誰でも良い…という姿勢では、何も変えることはできません。




賢人をリーダーにするためには…、私たちが社会に貢献するためには何が必要でしょうか…


実は、その疑問を世界中の人々が考えています。そして、小説や映画にしているわけです。


村上龍も、村上春樹も、ライフオブパイも、風立ちぬも、終戦のエンペラーも、自らが貢献すべきことを考え、夢を持ち、設計し、作品として生み出しているんだと思います。




社会は、個人の資質と社会システムの良し悪しで決まります。


良い社会システムがあっても、個人の資質がダメなら上手く機能しません。




風立ちぬでは「矛盾」がテーマです。様々なことに関する矛盾への問いかけに溢れた映画ですが、宮崎駿監督のその想いに気づく人は少ないでしょう。


良い飛行機を作ろうとして戦争に加担してしまう…、アインシュタインと同じですよね。


パイロットに性能が良い飛行機を作ってあげたいと頑張っても、戦争に送り出し特攻攻撃させてしまった…


早く日本に帰国しなければならないが、世界を見分させる…


結核患者に悪いと知っていても、傍で煙草を吸う…、それが病人も嬉しい…


寿命が短くなっても、明るく美しく輝きたい…


傍に居たいけど、最後は見られたくない…


傍に居たいけど、彼女が悲しむから仕事に打ち込む…


世の中は、矛盾だらけなのです。


その矛盾を全て知ったうえで、いずれを選択するのか?




そして、終戦のエンペラーは、日本人の「あいまいさ」がテーマです。


曖昧さというと曖昧ですが、直観的な思考すなわちヒューリスティックスで意思決定する。


理詰めで正しい解を求める方法であるアルゴリズムとは違うアプローチです。


矛盾に満ち、相反する選択肢の中から、ファジーさを重んじて、最善の策を捻出するヒューリスティックス。


いま、私たち日本人は玉虫色と曖昧さの違いを思い出す必要があるでしょう。


ニゴシエーション、すなわち交渉術を学ばなければなりません。


情報収集、分析、意思決定。


すべてを学んでいきたいですね。


ウサギ