18世紀に活躍したフランスの思想家シャンフォールは、次のような格言を残しているそうです。
「自己がすべてである、他は取るに足りない」と考える、これが独裁政治・貴族政治と、それを支持する者の考え方だ、民衆とその支持者の政治は「自己は他者である、他者は自己である」と考える政治である、その先は各自が決定せよ・・・
この格言を読んで、私は次のように考えています。
自分の持論が正しく全てなのか・・・、他の者の論理は愚論であって取るに足らないのか・・・
権力者は、必ず独善的です。
独善者の眼中に他者の存在があるかどうか疑わしい・・・
自己は他者、他者は自己の精神で、他人の意見や論理に耳を傾けるのは、非常に苦しいものです。
しかし、他者の意見を愚論だと切り捨てることは、民主主義では許されません。
大同団結する世界、和を重んじる世界を築くには・・・
「自己は他者である、他者は自己である」と考えることができる人が増えるしかありません。
シャンフォールは、次のようにも言っています。
賢者とは何か。
法に対して自然を、
慣習に対して理性を、
世論に対して自己の良心を、
謬見に対して自己の判断を対立させる・・・
人間である。
世間一般的に正しいと思われている世論に対して、自分の良心で問う・・・
世間一般的に正しいと思われていても謬見と疑い、自己の判断を対立させる・・・
そうした根気強い反復があってこそ、民主主義(デモクラシー)が育まれます。
日本に蔓延る「他者を悪人、他者を卑怯者、他者を愚か者」と切り捨てる村八分の慣習・・・
日本から村社会を無くすため、フランスの文学者、思想家に学んでみたいものです。