口蹄疫では、薄過ぎる酢消毒より早期発見が重要 | クラスタ民主主義システム研究室

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ウィルスは目に見えません。ですから、基本は感染した人(家畜)を出来るだけ早く発見して隔離することが最重要となります。したがって、日本全国で闇雲に消毒するより、発病した家畜がいないか警戒することが重要です。


宮崎県で感染拡大した要因を考えてみると、次のような事項が考えられます。


(1)最初の発生農場への立入りの際、防疫作業が十分ではなかった。


現在のように、繋ぎの防護服を着たり、使い捨ての帽子を被ったり、靴を履き替えたりしなかったため、ウィルスが外部に広がりました。


(2)初期の牛農家での感染拡大の後、畜産試験場の豚に感染が拡がった。


初期の牛農家での感染拡大に対応した宮崎県職員の防疫体制が不十分だったため、使用した車両や職員を介して畜産試験場の豚に感染拡大し、さらに周辺の畜産農家に感染が拡がった。豚では口蹄疫ウィルスが1000~3000倍増殖しますから、感染拡大に拍車をかけます。


(3)周辺の畜産農場へ感染が拡大していたにもかかわらず、発見が遅れて、さらに広範囲に感染が拡大してしまい、狭い範囲での防疫ラインを設定できなくなった。


(4)埋設地が確保できず感染した家畜が生きていたため、ウィルスが増え続けた。、また、感染した家畜が増えすぎて、殺処分が遅れた。


以下の記事を参照してください。


【口蹄疫】農場が発症見過ごしか 農水省調査団 数十軒、1週間程度


以下、転載。

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 宮崎県の口蹄(こうてい)疫問題で、数十軒の農場が家畜の発症を数日から1週間程度見過ごしていたとみられることが25日、農林水産省が公表した疫学調査チーム検討会の議事要旨で分かった。調査チームは、異常の発見と埋却地確保の遅れが感染拡大の原因とみて、さらに感染経路などを調べる。


 農水省が公表した24日の検討会の議事要旨によると、家畜の血液を採取したところ、家畜の異常を報告した農場のうち数十軒で、発症後数日から1週間程度経過していると推測される抗体レベルがみられた。調査チームは「毎日欠かさず家畜の健康観察を行うことが必要」と強調している。


 農水省幹部は「感染後しばらく症状のない場合もあり、すべてが見過ごしだと断定しきれない。犯人捜しにつながるため数十軒の詳細は明かせない」としている。

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宮崎県での経験を基にして、他の地域では、口蹄疫に感染していないか?、早期発見に努めるよう畜産農家への啓蒙が必要です。そして、宮崎県以外の地域でも、疑い例が報告された場合には、直ちに防疫体制を敷くことができるように、準備すべきでしょう。


流行していない地域では、闇雲な300~1000倍希釈の酢消毒より、口蹄疫感染の早期発見と即応防疫体制の整備が急務です。