洗練OUTPUT -20ページ目

洗練OUTPUT

還元練習

螺旋滑り台がある。そのアウトラインに縦横奥行き10cm程の階段を私は見つけた。その出現とともに弛緩していた坂は突如急勾配になる。あわてて段へと身体を運び、ただひたすらに駆けあがる。闘牛士に操られる牛のように、私は見えた光に右手を伸ばしては掴んだ左の掌にある残像を見つめてしまう。意識が戻ると居酒屋で闘牛士と酌み交わしていた。
帰り道のフルヴォリュームは意識を保つためだ。夢の中で寝てしまえば幻との境目をたいらにしてしまえる。耳をすませば、聴こえるのはひとめぼれ。香りがアイデンティティを研ぎ澄ます。センスで炊けたミルクの牛は何色だったのか、私はオレンジとブルーのアーガイルだと触覚で中性美を感じる。
両国へと吹き飛ばされ久我山へと舞い戻る覚悟をもう決めた。履歴書を書くまでは酔っぱらえない、ウイスキーを吐くまでのみ続ける。勝手に広がってしまうのだから、引きこもろう。なんて素敵な響きなんだ、14時46分にそんなことを呟きはしない代わりに雨と泪を咲かせる。まだまだだと私と私が語り合い、四本の足でデニムを履く。