想い出のドラマ 2019-黄金の私の人生 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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〔韓国・中国ドラマ部門〕

黄金の私の人生
1965年生まれの女流脚本家、ソ・ヒョンギョン、
彼女の代表的ヒット作といえば・・・、
 
2009年「華麗なる遺産」全28話 ハン・ヒョジュ、イ・スンギ、
2010年「検事プリンセス」全16話 キム・ソヨン、パク・シフ、
2011年「私の期限は49日」全20話 イ・ヨウォン、チョ・ヒョンジェ、
2012年「いとしのソヨン」全50話 イ・ボヨン、イ・サンユン、
2013年「TwoWeeks」全16話 イ・ジュンギ、パク・ハソン、キム・ソヨン、
2015年「2度目の二十歳」全16話 チェ・ジウ、イ・サンユン、
2017年「黄金の私の人生」全52話 パク・シフ、シン・ヘソン、
 
ジャンルは違えど秀作ばかり。「TwoWeeks」なんぞは、
今年、三浦春馬くん主演で日本版がリメイクされたもんで、
御存知の方も多いのではないかと。

 
さてさて、
 
ど~も、自分には韓ドラを視聴する際、
ダサいタイトルのドラマは無視してしまう傾向がありまして、
当初、本作も、その犠牲になった代表作。(笑)
 
事前に、ソ・ヒョンギョン脚本と知っていれば、
最初から観てたんですが、たまたま、平日休みの、ある日、
朝食の際にテレビをつけたら偶然に流れていたのが、
このドラマの第13話でした。つまり~、
 
ヒロインのジアンが、自分の正体を自覚して号泣する場面。
ここから観始めたことになります。
 
スタジオ内に配置されたであろう、陳腐なセット。
狭い屋内に登場人物を横並びさせる安易なカメラ配置、
低予算で制作される?ホームドラマタイプの典型的手法、
しかし、カメラのレンズ性能は良さそうなので、
どうやら、最近、制作されたような感じ?(実際は2017年)
 
演者の表情を明確に表現する~と言えば聞こえは良いですが、
やたら顔のドアップを多用するドラマには、
過去の経験上、駄作が多かった~というのも事実。
 
しかし、号泣してるジアン(シン・ヘソン)は、
これまで見たことの無い女優さんだったこともあり、
興味本位で録画予約してみることに。
 
さて、話が進むにつれ、
何やら「モヤモヤしたもの」が思い浮かんできました。
 
 
家族関係を崩壊させる悪意の無い「嘘」を軸に、
夫婦愛、兄弟愛、姉妹愛、身分差のある男女の恋愛を描く。
更に特徴的なのは、財閥三世のドギョン(パク・シフ)の、
自分の思いを相手に押し付ける身勝手な愛し方・・・。
 
これって「いとしのソヨン」のパクリじゃね?
 
あんまりにも気になったので、ネットで検索してみたら、
なんと、脚本家がソヨンと同じ人だったというオチで、
前半を見逃してしまった自分を呪いましたね。(゚Д゚;)
 
「いとしのソヨン」全50話
「黄金の私の人生」全52話
 
50話をこえる、この2作品。様々な共通点がありながら、
それでいて、他の作品とは明らかに色合いが違うので、
おそらく、、、「私はコレが描きたいんだ!」という、
脚本家さんの情熱が最優先されている?作品ではないかと。
 
 
・物語の軸~「嘘」
「ソヨン」=ヒロインのソヨンがウジェに結婚を迫られ、
問題ばかり起こす父親の存在を隠すために、
後ろめたさを感じつつも「父は死んだ」と告げてしまいます。
 
「黄金の」=ヒロインの母、ミジョンが嘘をつきます。
それは、娘のジアンのことを思っての嘘ではあるのですが、
訴えられたら犯罪者、留置所行きクラスの嘘です。
 
・男性主人公の「身勝手な愛」
「ソヨン」=父は社長、やる気は無いけど後継ぎ候補のウジェ。
弟の家庭教師のソヨンに同情、次第に愛に変化。
ソヨンとの結婚を条件に、渋々、副社長に。しかし、その後、離婚。
※この離婚には、ちょっとガッカリしましたが、
ドラマは離婚後の方が抜群に面白い!不思議な脚本でした。
 
「黄金の」=ヒロインの両親に対してドギョンの祖父や両親は、
土下座させたり殴ったりと、かなり酷い仕打ちの連続。
それを知りながら、ジアンに迫り続けるドギョン。
※ヒロインに対しイライラしてる姿はウジェとソックリです。
 
・血縁関係
両作品とも、ウジェの弟妹の中に、ジアンの弟妹の中に、
血縁がビミョ~な家族、血の繋がらない家族がいて、
家族を巻き込む騒動が起きます。
 
・嘘がバレる瞬間
両作品とも、ヒロインが自ら秘密を打ち明けることを決心して、
行動に移す直前、相手の両親に呼び出され、激怒されます。
 
 
・クラシックギター
「ソヨン」=登場人物達が立ち寄る喫茶店、飲食店のBGMや、
移動中の乗用車のラジオからクラシックギターの曲が頻繁に流れます。
 
「黄金の」=ジアンの父:テスは、ドラマ後半、ギター教室に通い始め、
【38話】昔、住んでいた地方にある別宅で練習を開始します。
※曲はフランシスコ・タレガの『ラグリマ』。
 
【40話】テスは、学生時代、プロになりたい!という夢がありましたが、
友人達に「お前なんか無理に決まってる」と、
笑われてしまった苦い思い出があります。(白黒映像の回想シーン)
 
 
【41話】教室で受講生仲間と共に練習している風景。
※簡単な和音の反復練習ですが、左手の運指、
弦を飛び越える際の指の速度が尋常ではなく、ギター経験者、
もしくは、よほど練習した?と感じられます。
 
【50話】例の別宅、庭の畑で妻のミジョンが農作業。
テスは家の縁側でギターの練習。(映像のみ:BGMは女性ボーカル)
【51話】病室で数人の患者さん達の前で演奏しています。(映像のみ)
※2フレットにカポタストを装着:運指から判断するに、
スペイン民謡の『愛のロマンス』のようです。
 
【51話】家族企画の野外コンサート。※PA使用:2フレットにカポを装着、
曲はスペイン民謡の『愛のロマンス』。
某ブロガーさんの記事によると2曲目も披露しているそうなんですが、
私が観た民放放送ではバッサリ!カットされてました。
 
 
・木工
「ソヨン」=ソヨンの父:サムジェは木工技術を持っており、
木工所の女主人と出会ったことを契機に、この工房で働き始め、
ソヨンのために木製の椅子を造ります。
 
 
「黄金の」=ヒロインのジアンは、高校時代、木工部に在籍。
同じ部に在籍していた幼なじみの父親の木工所で働き始めます。
ドギョンの婚約者に依頼され、木製の電気スタンドを制作。
またギターを構えた父親の木製の色付き手作り人形も登場します。
 
※ソヨンの父:サムジェ、ジアンの父:テスを演じている、
元祖イケメン俳優:チョン・ホジンさんの趣味は木工だそうです。
いや、趣味を通り越して、専門家レベルですね。
彼の名前と木工をキーワードにして検索すると、色々、確認できます。
 
前作の「ソヨン」は、娘のソヨンから見た父親像がメインでしたし、
父親自身が口下手という設定だったこともあり、
子供達(=我々視聴者も)は、断片的な情報を頼りに、
何となく父親の過去、彼の人生を想像するしかなかったんですが、
 
今回の「黄金の」では、今は落ちぶれているとはいえ、
昔は中東を庭にして大活躍していた商社マンだったという過去や、
病室でドギョンに語る場面や、芝生の上でジアンを諭す台詞を通じて、
子供達に対する親の切なる思いが、より明確に描写されてました。
 
 
考えてみれば、
 
いや、考えなくても当たり前なんですが、
恋人同士、両親、祖父祖母~はもちろん、
ドギョンの実家で家政婦扱いされていたミン部長にも、
 
皆、黄金色の人生がある、あった、あるはず?~と、
この普遍的テーマを題材にしたソ・ヒョンギョンの世界。
また、再会できる日を楽しみにしています。
2019年8月29日~11月15日★★★★★