想い出のドラマ 2019-品位のある彼女

〔韓国・中国ドラマ部門〕

◆品位のある彼女

嵐の夜、財閥の大邸宅で女性が殺される。
殺されたのは介護人から妻にのし上がった人物だ。
警察が目をつけたのは、この家の家族全員。

はたして誰が彼女を殺したのか？

時はさかのぼり。ある日、アン家の次男の嫁アジンは、
義父の介護人としてボクジャを雇う・・・。

まずは、このクソダサいドラマタイトルにドン引き。
加えて財閥の嫁38才、雇われ介護人45才という設定に、
こんなオバさん達の物語、ドラマとして成立するんかね？と、
頭の上に疑問符がチラホラ点灯・・・。

ドラマ冒頭で介護人の方はあっさり死んじゃうし、
「ああ、犯人探しドラマですか、へいへい」と、
大した期待感も沸き上がらず、淡々と見続けていると、
しだいに犯人なんて、ど～でもよくなって来るから不思議です。

ま、確かに、気になるっちゃ、気にはなるんですが、
そんなことより、生まれながらに不幸な環境に置かれた介護人が、
何とかして上流階級の女に変身しようと大金を得ようと努力する。

しかし金が手に入っても、誰も彼女を敬わない。

それどころか、更に、軽蔑の対象になってしまい、
大切なのは金ではなく人としての生き方、品位にあると気づき、
生き方を悔い改めようと心に決めたところで殺される。
何とも救いようのない悲喜劇になってます。

さて、一方の財閥の嫁。

スッチー出身、容姿端麗でモデル経験有り、
毎朝、ジムで汗を流し、ヨガを習い、
客室乗務員の学校で礼儀作法の講師も務めるセレブ。

周囲からは憧れの対象として見られていることを自覚していて、
自身の審美眼、価値観を信じている彼女。
その自分が選んだ、義父の介護人は義母になり、
これまた自分が見出した女流画家が夫と不倫関係に！

彼女の品格がズタボロにされたところから、一念発起、
身を守る鎧としていた品格を捨て去り、夫と離婚、
自身のスキルのみで生きていこうと再起を決意します。

最終回、介護人殺しの犯人が判明しますが、
だから、ど～した！という感じ。(笑)

それよりも、このドラマの根底に流れるメッセージ、
「品格とは何か？」という問いかけの方が気になります。
上流階級への皮肉をこめた社会風刺ドラマ。

あらためて、このドラマのタイトルは、これしかない！と、

再確認させられた名作です。

2019年6月28日---8月2日★★★★☆