いろいろな体験版に勤しんでいたものの、他にしなくてはいけないことができたため「すみれの蕾」をラジオドラマのごとく再び流して聴いています。その中で、攻略中には気づかなかったことを、ちょいと書き留めておこうかな、と思いました。
キャラ別の感想で細かいことは書いたのですが、その中で大きく分けて2パターンの人物像がある、と以前私は書いていました。一言で言えば、「自分に自信のあるタイプ(トウワ・清一郎・カナデ?)」「不安を抱えているタイプ(ハル・ユキ)」です。
ユキの「不安」についての大部分は前回も書いた内容(ネタばれ内容)だなと今でも思うのですが、今回改めて気づいたのは「ハル」について。この「ユキ」「ハル」グループの共通点が、「黒さのモト」なんだなぁと思うと、感慨深いものを感じてしまいました。
↓以下、ネタばれ(?)含むかも・・・
このゲームにおけるBADらしいBAD ENDを担う両壁、ユキとハル。
この二人に共通しているのが
両親の不在
ユキは「記憶喪失」というわかりやすいシチュエーションがあるので、比較的最初から判っていたものの、ハルの「不安」「執着」そして「寂しさ」のモトも実は根底はこの「両親の不在」にあたるのではないかと今回思いました。
ゲーム中ハルの生い立ちについて、そして両親についてはほとんど語られることはありません。ただ広い屋敷において常に「兄妹」と使用人(「セバス」含む)しかいないという事実。ものすごい大金持ちであるらしいものの「跡継ぎ」的な話はなく、放任されているらしいこと。(私が見落としているんじゃないですよね?)子どもの頃から妹「アキナ」の髪を結ったりと兄妹が寄り添ってきたその結果のアキナの「重度のブラコンぶり」。
ハルが主人公サツキに惹かれるに至った際の心情を端的に放った言葉が
キミといると安心する
ということ。彼女の家庭的な雰囲気に、
母親的なものを求める気持ちもあったのでは?
という気がしてきました。
ユキもハルも「家族」という土台が不安定な立ち位置でいて、ふたりともサツキに「家族としての安定」を求めてしまった。それゆえに、彼女がふらついてしまうと、
後がない
と、執着してしまうのではないかと・・・他の3人は彼女が得られなかったとしても「死ぬわけではない」と思います。ですが、ユキ・ハルに関しては
彼女の喪失=アイデンティティの喪失
ともいえること。たぶん精神的に死にます・・・
「恋愛」に対する悲壮感が桁違いなのは道理です。
ちなみに他の3人について検証すると・・・
カナデは両親とともに海外転勤していた身。サツキの両親と話が通じている限り、親子関係はまあまあ良好と思われます。
清一郎は梨園のお坊ちゃま。なんだかんだ言っても「守られて」育っています。彼のあふれる「与える愛」はもう存分に受けてきた彼ならでは、ではないかとも・・・
トウワも、物語中に父親が登場。特別仲良しということではないものの、尊敬する「目標」である親であり、いざというときに子どもを気遣う部分も見え隠れします。清一郎ほどではないものの、やはり「愛されて育てられた」のではないでしょうか?
幼い頃からの「家族との関係」は人間関係の基本であり、「自分」を確立するための柱です。そこが弱いとどうしても別の「何か」でそれを補強したくなる。
依存する
これは、このゲームに限らず巷にもあふれた事例です。
二人のGood Endは言ってしまえば「自分をまるごと受け止めてくれたEND」なのですよね。不安によって、自分自身ですら見失いそうになるユキとハル。自暴自棄になっても、BADでも、「彼女は手離せない」ふたり。(Endによって手放すものも多少はありますが・・・)だからこそ、受け入れてもらえたときの彼らの無防備な「笑顔」には・・・やられちゃうんですよね(#⌒∇⌒#)ゞ
家族の在りようが、自己肯定感のモト
であることを思えばこそ「ハル」に関して言えば、「主人公にまるごと受け止めてもらえて」初めて自分の存在に自信が持てるようになるのでしょう。「好きになってごめん」「僕の側にいない方がいい」と自分を否定しつつも、行動が先走ってしまうのはそんな「自己肯定感のなさ」と「肯定する存在」を欲する心のせめぎあいの結果。こんな状況でもあれだけかわいい「ハル」なのです。
家族に愛されて育ったハルはどんなに愛くるしいことか・・・(///∇//)
ちょっと想像してしまいました・・・。(遠い目)
ちなみに妹「アキナ」に関しては「ハル」ほどではないようですね。
極度のブラコンになるくらい「お兄ちゃん」に愛されていたのがよくわかります。
こんな風に、改めて見返して、ほんとうにこのゲームの
ぶれない人物像に感服しましたヽ(゜▽、゜)ノ。
人物がしっかり描かれているから、描かれていない過去も推察できるし、矛盾を感じないのが凄いと思います。
何度も見返して、また新たな発見をするのも楽しみです。