過去を振り返るありんこの道のり | ちぐとハグのブログ

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ブログのタイトルを考えているとき、うちのウサギのはぐと目が合いました‥

7月14日

「いつも舞鶴から買いに来てるんですよ。前にあった『ありんこサンド』、懐かしいです」
スタッフが道の駅で納品中、お客様から声をかけていただいたそうです。
舞鶴から来ていただくには、車で2時間近くかかるのではないだろうかと想像しつつ、ありがたいことだと感動しました。

さらにさらに、

「ありんこサンド」

という懐かしい単語に心底驚きました。

田中店を始めた約17年前、たしかに「ありんこサンド」というパンを作っていました。
当時は写真も撮っていなかったし、SNSの世界も知らなかったし、何も残っていません。
そんな中、舞鶴のお客様がありんこサンドを記憶しださっていたことが奇跡すぎて、2度目の深い感動がやってきたのでした。

記憶の彼方を目指して、あれこれと思い出していきました。

小さな丸いパンを3つくっつけて焼き上げ、それをありんこの形に見立てていた。
そのひとつひとつが違う種類のサンドイッチだった。
と思う。

記憶をさかのぼる旅は、パンのことだけではなくて、それにまつわるいろんな苦い記憶も呼び起こしていきました。

予約をいっぱいいただいて、嬉しかった半面、ひとりではできないことがたくさんあって、手間暇かかるありんこサンドをやめたこと、当時複数いてくださったスタッフの皆さんとの関係性も上手に築けず、傷つけたり傷ついたりしながら、苦しい日々を過ごしていたこと、手伝いに来てくれていた母に感謝していたつもりだったけど、姉から「パンのお手伝い行った日は、すごく疲れて帰ってくるから、もう頼まんといて」と言われて悲しかったことも。

たくさんの失敗と冒険を重ねて、今にいたるのだということを、「ありんこサンド」は思い出させてくれました。
全ての失敗と冒険は、今につながる大切な体験だったこと。
未熟な自分を成長させるために、通らねばならない道のりだったこと。

改めて、自分ひとりで頑張って来たんじゃない、
うぬぼれるな。
ひとつひとつのできごとに、感謝の気持ちがじんわりと湧いてきています。

令和6年の「ありんこサンド」、焼いてみました。
ハムオニオンサンド、ニンジンの塩クミン炒めのサンド、一番下はベーコンとたまねぎのピザ風にしました。

また、がんばっていこうと改めて思います。
ありがとうございます。