【事例】悩みを介して人とつながる人間関係を止めたい、アイさんの場合

こんにちは、
心理セラピスト　江上ユキです。

私の生い立ち～
子どもの不登校完全解決までのストーリーはこちら。

今日は、

いつも友人や知人との会話が
必ずお悩み相談の聞き役になってしまう。

というお悩みを解決した
アイさん（仮名）の事例のご紹介です

私、江上ユキの
カウンセリングにお越しくださる方の中には、

知人、友人から悩み相談を多く受ける
とおっしゃる方が少なくありません。

根っからのカウンセラー気質
とでも言いましょうか。＾＾

とっても素敵なことですし、

当のご本人が、
それで悩んでなければOKなのですが、

自分を犠牲にしたり、後回しにしてしまい、

いつも他人のグチのはけ口や
お世話係になってしまういう方も
いらっしゃいます。

アイさん(仮名)も、
そんなお悩みを抱えて
カウンセリングにお申し込みくださいました。

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【事例】
悩みを介して人とつながる人間関係を止めたい①
アイさん（仮名）の場合
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江上：
今日は、どうされましたか？

アイさん：
友人や知人と会っていても、
なぜかいつも悩みを聞く役目になってしまいます。

江上：
なるほど。
具体的にどんな感じか教えてもらえますか？

アイさん：
そもそも悩みを相談されることがすごく多いんです。

で、一生懸命考えたり、調べたりして
良い方法をアドバイスするんですが、

結局、相手はあまり聞いていないし、

次に会った時も
また同じことで悩んでいるので
すごく虚しくなります。

何より話が楽しくないし、
最近では時間が
すごくもったいない気がしています。

江上：
なるほど。
で、アイさんは、どうなりたいのですか？

アイさん：
たまに、人の悩みを聞くことが
あってもいいと思いますが、
いつもそういう話ばかりになるのは嫌です。

そういうことがあまりにも多いので
もしかしたら、
自分が相手の悩みを引き出しているのではないか？

とさえ思います。

楽しい話ができるようになりたいです。

江上：
はい、なるほど。わかりました。

では、最近あった
その場面に身を置いてみてください。

アイさん：
はい。
昨日、友人が家に来たので、
私は「久しぶりー！最近、どう？」と聞きました。

そしたら友人は、さっそく悩みを話し出しました。
正直、相談されてちょっと嬉しい気持ちがあります。（微笑）

職場の人間関係のことで、すごく辛そうにしてたので、
私は客観的に観て上手くいく方法を考え、
彼女にアドバイスしました。

でも彼女は、結局、他人のせいにしているし、
自分を直そうとしないんです。

こうすればいいのに！と思うんですが。

だから、次に会った時も、
また同じようなことを言っています。

悩みを相談してくるのに、
人の話は聞いてないんですよね。

しまいには、「そんなだからだよ！」と思ってしまい、
イラッとしてくるし、変わらない相手にため息も出ます。

何より楽しくないし嫌な気分になります。

江上：
はい、なるほど。
では、その感覚をちょっとじっくり感じてみてください。
悩みを相談されて、ちょっと嬉しい気持ち。

何がちょっと嬉しいのですか？

アイさん：
私にだけ特別に、
ホンネの悩みを打ち明けてくれているという
特別感が嬉しいです。（微笑）

江上：
嬉しいんですね。

だけど、アイさんの話は聞かない。

アイさん：
はい、だんだんイライラしてきます。（眉間にしわを寄せる）

江上：
そのイライラは、
子どもの頃、誰との間で感じていた感覚ですか？

アイさん
（少しの沈黙の後）
あっ、お母さんです！
お母さんがお父さんのグチを言うのを
聞いていた時の感覚と一緒です。

江上：
じゃあ、その頃の小さいアイちゃんに半分身を置いてみて。

アイさん：
お母さんが、私のところに来るの。（微笑む）

江上：
アイちゃん、今、微笑んでるけど、どんな気持ち？

アイさん：
お母さんが私の所に来てくれて嬉しい。

だから私は、お母さんのグチを聴いてなぐさめて
一生懸命どうしたら上手くいくか考えるの。

だってお母さん、
お父さんにいつも口で言い負かされて
それで悲しそうでかわいそう。(号泣)

江上：
そっか。

お母さん、お父さんに言い負かされるんだね。
かわいそうなお母さんを感じたら悲しいね。

アイさん：
うん、すごく悲しい。

お母さんが言いたいことを言えずに
ガマンしてるのを見るのがすごく悲しい。（泣）

（少し落ち着いた後）

でもお母さんも余計な一言を言うんだよね。
だからお父さんは、
だんだん大声になってまくしたてるの。

それ、言わなきゃいいのに。

江上：
それを見てるとどんな気持ち？

アイさん：
怖い。
お父さんとお母さんのけんかを
誰も止められないのが怖い。

江上：
そうだね、怖いね。
怖くていいよ。

その怖い気持ちと一緒にいるよ。

（しばらくして）

アイさん：
胸にあった怖い感覚がなくなりました。

そしたら今度は、
だんだん腹が立ってきました。

江上：
腹が立ってきたんだね。
何に腹が立ってるの？

お母さんも
余計な一言さえ言わなきゃいいのに！
と思うと腹が立つ。

自分がその状況を招いてる気がする！

江上：
そうだね。

余計な一言を言って自分で招いてるって思うと
腹が立つね。

その気持ちを吐き出してみて。

アイさん：
（腹が立つ気持ちを吐き出す）
だんだん、スッキリしてきました。

江上：
ちなみにちょっと聞いてみるんだけど、
お母さんは、アイちゃんと一緒に楽しい話をしたり、
アイちゃんの話を聞いてくれることはあるの？

アイさん：
（首を横に振る）
聞いてくれない。

お母さんは自分が辛い時だけ、
私のところに来て一方的に話す。

でも、私の話は全然、聴いてくれない。

本当は、楽しい話もしたいし、
私の話も聴いて欲しいのに。（泣）

江上：
それは、悲しいね。

こんなにアイちゃんは、
お母さんのことを一生懸命考えてるのに、
お母さんは、アイちゃんの話は聞いてくれないし、
気持ちもわかってくれようとしないんだね。

大人の視点から見てみて
本当は、一番、困ってて、かわいそうなのは誰？

アイさん：
わたしです！（ふう～っと大きなため息）

江上：
お母さん、案外、アイちゃんを自分の味方につけて
上手くコントロールしてますよね。

アイさん：
はい、そう思います。
ちょっとひどいですね！（怒りの感情出し）

江上：
ですよね。

そして、これって誰の問題ですか？

アイさん：
お父さんとお母さんの問題です。

江上：
そうですよね。

子どものアイちゃんが
お母さんにこっちを向いてもらいたかったり、

お母さんに笑って欲しかったり、

悲しかったり、
怖かったり、腹が立つのは
すごく自然な気持ちだと思うんだけど。

そしてこれは
すごく残念なお知らせだけど、

大人の問題は、
残念ながらアイちゃんには解決できない。

聞いてみてどうですか？

アイさん：
はい、その通りだと思います。

江上：
こう言ってみてください。

私は、悪くないし、関係ない。

アイさん：
私は、悪くないし、関係ない。

その通りだと思います。（微笑）

江上：
それから、大切なことがもう一つあります。

お母さんは、自分の困った時だけ
アイちゃんを見てくれていたかもしれないけど、
アイちゃんは、
悩みを聞くことでしか愛されない存在ですか？

アイさん：
いいえ、違います。
お母さんは、誰の話もあまり聞かない。

江上：
じゃあ、それは誰の問題？

アイさん：

お母さんの問題です。

江上：
じゃあ、大人のアイさんが、
目の前の小さな
アイちゃんをしっかり抱きしめて

こう伝えてあげてください。

アイちゃん、あなたは、
たとえ、人の悩みを聞いたとしても
聞かなかったとしても、
大切に愛される存在です。

わたし自身が
あなたを大切な存在として扱うよ。

気持ちや考えやどんな話も大切に聴くよ。

たくさん色んな話をしようね。(微笑）

いつも
悩みを通して人とつながるという
人間関係の築き方の本当の原因は、

幼少期のお母さんとの
関係性から身に付けた

悩みを聞くことによって
愛される方法、

お母さんと
つながることのできる方法でした。

これ以降、アイさんは、

他人の悩みに
必要以上に介入することがなくなり、

適度な距離感をもって
人と付き合えるようになりました。