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過去の記事をこちらにまとめました。
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夫からみたセックスレス
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通行止めにしてあるため、普段車が走っているところに沢山の人が陣取っている。
この非日常が心を躍らせる。
「綿飴なんて、子供っぽいわね」
甘いものに目がない僕からすれば、これを買わずして他に買うものがあるのかと思う。
とりあえず、箸巻を頬張る妻を見て、この瞬間の幸せを噛みしめる事にした。
人々のどよめきとともに花火が打ち上がり始めた。
梅雨明け一発目の花火大会。
県内外からこの花火を見ようと人が集まる。
子どもの頃は夏祭りが嫌いだった。
好きでもない盆踊りを練習させられ、本番観客の前で踊る。
自分が楽しみたい祭りなのに、どうしてお客を楽しませなくてはいけないのか。
そんな事を不満に思ってたっけ。
今となってはいい思い出だ。
数千発の花火は30分ほどで終わりを迎えた。
僕たちは最後に上がる大きな花火を背中に歩く。
混雑に巻き込まれないために数分前に帰路につき始めたのだ。
歩きながら見る花火もいいな。
言葉にはせず、感慨に浸っていた。
妻の手を取り歩きながら、人気のない路地裏を歩く。
行きの道と違うが、妻は何も言わずついてきてくれる。
握っている手が汗ばんでいるのは、向こうも気付いているだろう。
不意に立ち止まって、口づけをする。
最初は驚いた素振りを見せていた妻も、身を任せてくれた。
こんなに興奮するものなのか。
人通りがないとはいえ、誰かに見られないかと思うとドキドキが止まらない。
このまま続きをしてみたい衝動に駆られた。
「ここでしてみないか?」
妻は恥ずかしそうだが、嫌では無いみたいだ。
最初で最後の経験を、ここでする事になった。
つづく