コチドリは夏になると日本にやって来て繫殖します。日本のチドリ類では最小で、目の周りの黄色いアイリングがよく目立ちます。ひらけた荒地をウロチョロしているのを見つけました。近寄ってみたところ、どうも私の注意を引いて誘導しようとしているように見えます。

 

 

 

 

 親は巣に外敵が近づくと翼を広げて身を屈め、片足を上げたりして傷ついたふりをし、外敵の注意を自身の方に向け、巣 ( 卵や雛 ) から遠ざける行動をします。 これを擬傷行為と言います。いったんその場を離れ、再度そっと近づいてみると、やはり巣があり抱卵中でした。卵の色や模様は見事に周囲と同化しています。

 

 

 

 

 コチドリは見通しの良いひらけた所に、石ころなどを集めて積み重ねた巣を造ります。上の巣は周囲に草もあり、まだ天敵に見つかりにくい巣です。普通はもう丸見えのような巣がほとんどです。しかし、敵に見つかり易いということは、逆に敵をいち早く見つけて先手を打つこともできます ( 前述の擬傷行為など ) 。

 

 二週間後に訪れてみると、親はすぐ見つかりましたが卵や雛は見当たりません。・ ・ ・ と思ったら、雛は私の足先の僅か 4 ~ 5 ㎝ の所に身をかがめて、じっと動かずにいました。危ないところでした。

 

 

 

 

 写真を撮らせてもらい、すぐ立ち去ろうとしたのですが、リードを外したちょっと怖そうな犬がやって来ました。襲われたら小さな雛はひとたまりもないことでしょう。犬が襲ってきたら、雛を抱き上げて足で防戦するつもりでしたが、犬はこちらには無関心な様子で通り過ぎて行きました。雛にしてみれば恐ろしかったのは、むしろ私の方だったのでしょう。「 ごめんね ! 」

 

 私がその場を離れると親子は互いに近づき、雛は母親のお腹の下にもぐり込みました。「お母さん、怖かったよう ! 」

 

 

 

 

 下の写真は海岸の砂浜にいた同科同属のシロチドリです。小走りで駆け寄ってゴカイのようなものを食べていました。モフモフの頭を撫でてみたい気がしてきます。

 


 

 

 

    撮影場所    埼玉県さいたま市緑区大崎

            千葉県千葉市東浜

    使用機材    CANON  EOS 40D

              EF600F4L IS USM

                  絞り優先 AE f 5.6 , 6.3