父親とはあまり気が合わなかったが、亡くなった後に思い出したことがある。小学校低学年の頃から、月刊漫画雑誌 「 少年 」 を毎月買ってくれたことだ。「 少年 」 には 鉄腕アトム ・ サスケ ・ ストップ兄ちゃん ・ 電人アロー そして 鉄人28号 等が掲載されていた。もしかして父自身が読みたかったのかもしれない? 私は SFものを好んで読んだ。ロボットものは、人間くさいアトムより機械っぽい鉄人が好みだった。   動画あり

 

 

     

写真 1  当時物 ( ビンテージモデル 1963年頃 ) の焦げ茶色と紺色

 

 

 小学校の 3 ~ 4 年の頃に組み立てたのは、上の写真の 2色の他に金色のリモコンモデルもあったが、どういう訳か、そのリモコンが正太郎のフィギュアの形態だったかどうか全く記憶がない。リモコンモデルは胸窓が無かったことや手甲があったことはよく記憶しているのだが ・・・ 。

 ヤフオク等において当時物はかなり高価であり、欠品パーツが復刻版パーツで補完してある場合もありうるので、当時物と復刻版の相違点を詳細に追究してみた。

 

 

【 当時物と復刻版の相違点 】

 

 ➊ ギヤボックス と モーター

 当時物のギヤボックスはオール金属製、モーターシャフトに取り付けるピニオンギヤも真鍮製 ( イモネジ止めのものもある ) 、モーターは 15モーターである。復刻版のギヤボックスはプラギヤを使用していて、モーターは RE-140 、ピニオンギヤも通常はプラとなる。 

 

  

     

写真 2  背蓋窓から見たギヤボックス ( 当時物 = 焦げ茶 )

 

 

        

写真 3  背蓋窓から見たギヤボックス ( 復刻版 = 茶 )

 

 

 ➋ スイッチ

 当時物は 写真 2 の腰部の今井のロゴマーク入りダイヤルを回して ON-OFF する。内部にスイッチ金具の一部が見えている。復刻版は当時物のダイヤルにあたるものは蓋になっていて、これを外すと写真 4 のようにスライドスイッチになっている。

 

 

     

写真 4  復刻版のスライドスイッチ

 

 

 ❸ 歩き方が異なる

 まず、動画をご覧ください。紺系 ・ 茶系とも色の濃い方が当時物です。

    

 

     

 

 

 当時物はごく素直に足を運んでいるようだが、復刻版は後ろにふんずりかえって ( 偉そうに ) 歩いている。どうしてこうなるのか ? それは写真 5 , 6 のように、足裏が当時物は平だが、復刻版はつま先とかかとより中央部が下に突き出ているためと考えられる。当然、当時物の方が早く歩ける。   

 

 

     

写真 5  当時物の足の側面写真

 

 

          

写真 6  復刻版の足の側面写真

 

 

 ➍ 当時物は復刻版よりも腹が出ていて短足

 ウエストを測ったわけではないが、PREMIUM MODEL ( ブルーメタリック モデル ) の派手なホログラム腹帯ステッカーが気に入らなかったため、これを型紙にして赤色の電気絶縁テープでシールを作り、腹に貼ってみたところ、写真 7 のように復刻版のブルーメタリックはほぼピタリ → 当たり前、だが当時物の焦げ茶の方は全周貼りきることができずに、5 ミリ程足らない ( 写真 2 ) 。従って当時物は復刻版より腹が出ていることになる。

      

      

     

写真 7

 

 

 なんとなく当時物の方が短足な気がして、スケールをあててみると股下が約 4 ミリ短かった( 写真 8 , 9 ) 股下は定規の起点のズレの 5 ミリ をプラスして、当時物が 78 ミリ で復刻版が 80 ミリ 、写真 5 , 6 のように足裏の中央部が突き出しているため、その差は 2 ミリ プラスで 約 4 ミリ となる。

 

 

     

写真 8  当時物の股下

 

 

     

写真 9  復刻版の股下

 

 ➎ ギヤボックスのクランクシャフトと腕の接続パーツの違い

 当時物は金属の丸線を輪状に加工したもの ( 最も古いものは確か、金属プレートをプレス加工したようなもの )、復刻版はプラパーツとなっている。 写真 10 , 11

     

 

     

写真 10

 

 

     

写真 11

 

 

 ➏ 電池蓋 金具止めボッチの違い

 復刻版では、止め金具が引っ掛かって開けずらいのを防止するため、ボッチを 2 段構造にしている。

 

 

     

   写真 12  当時物の電池蓋のボッチ   

   

 

     

写真 13  復刻版の電池蓋のボッチ

 

 

 ➐ 電池蓋止め金具の穴の形状が、復刻版の方が丸っこい  写真 12 , 13 参照。

 

 

 バカみたいに相違点を追究してみたが、マニアックな当時物愛好家のような方は、全てのパーツが 60 年前のものであることを望むのでしょうか ? 。トサカ ・ ロケット ・ ロケットが付く背中の蓋 ・ 電池蓋 ・ 電池蓋金具および金具止めプラパーツ等は失われ易いパーツなので ( ボディと腕以外全部か ) 、気にされる方は留意されたい。また最も古いものでは➎で記したものの他に、後部 ボディの脚部に、電池受け金具からスイッチ金具へいたる配線途中に、私には役目不明の妙な金具パーツがあったりする。残念ながら初版などは私の頭と財力の及ぶところではない。

 以上、今回は完成品での当時物と復刻版の比較をしましたが、次回は組立前 → パーツ段階での比較をバンダイ版をまじえて行なってみたいと思います。成形型が異なることがよく分かります。