『偏差値なんか当てにならない』と聞きますが“特定の模試”の結果から判定される偏差値は志望校の入試問題とは相関しないということが理由でした。塾の授業でも東海中学志望なのに金城の過去問を解かされても意味がないという話も聞きました。実際に成績(偏差値)を上げるには苦手な単元を潰して解けなかった問題を解けるようにする必要がありました。苦手な単元の対策をするのにいきなり応用問題は太刀打ちできないので基本問題から解けるようにしないといけません。

 

募集人数が100人で130人が合格できる大学・学部の入試でA判定の子が100人いると80人が合格です。C判定以上の子が250人いると125人が合格です。この中にA判定で合格した子80人も含みます。E判定以上の子で志願者の半分位という話も聞きます。E判定以上で20%合格できるので650人いるのですがD判定・E判定で5人しか合格できません。C判定で250人でしたのでD判定・E判定で400人いるので合格できるのは1%です。当たり前ですがD判定以下の子は一人も合格出来ない大学・学部もあります。

 

子供は浪人時に駿台でお世話になったのですが『この大学の医学部は過去10年間で偏差値55以下の子は一人も合格していない。偏差値56で一人だけ合格しているけど次は偏差値59で二人合格している』というデータを教えてもらってどう分析するか。A判定が67.5だとC判定が61.5でE判定が55.5になります。60近い偏差値の子が“そこから”10以上偏差値を上げないとA判定に届きません。

 

河合塾のデータでは国公立医学科で最低の偏差値が62.5で私立医学科は60です。下の方ほど地域枠や色々な規制があることが多く私立では高額な学費が必要なところが多いです。キチンと現実を見て自分の家庭のデータ(子の学力や親の資金力)から判断する必要があります。実際に駿台の進路指導の父母会では『いくらまでお金が用意できますか』という話題がメインでした。『親に提示された金額の範囲内で昭和大学に合格した子がいましたが生活費を考慮されていなくて進学させてもらえなくて荒れた子もいました』という本当とは思えない笑い話も聞きました。

 

大手予備校の医学部への進路指導は私立は何処まで選択肢に入りますかという一点でした。そこに進学するとどういう選択肢があるのかという情報は予備校には一切関係ありません。『今の成績だと受験校を下げる気にならないだろうし、私立を受けないんだったらお前にアドバイスできることは何もないな。』ということで進路指導が終わったそうです。

 

大手予備校は授業の垂れ流しをする集団指導です。成績の悪い子を引き上げるシステムはありません。そこに詐欺師はつけ込んできます。