今日は、公立中高一貫校 適性検査(千葉県共通)で出題された流水算を紹介します。
私立の中学受験では、流水算は頻出ですので、挑戦してみてください!
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お父さんとゆうきさんが,船のことについて会話をしています。あとの(1)~(3)の問いに答えなさい。
ゆうき:テレビを見ていたら,「船は24ノットで進んでいます。」と言っていたけれど,時速24kmの間違いではないの?
父:間違いではないよ。船の速さはノットという単位で表すんだよ。
ゆうき:そうなんだ,知らなかった。24ノットは時速何kmなの?
父:ノットを知るためには,海里という距離の単位を確認しておく必要があるね。1海里は1852mだよ。
ゆうき:1852mなんて,中途半端な数だね。どうやってこの数を決めたの?
父:地球上の緯度1分に相当する距離を1海里としているからだよ。
ちなみに,緯度1分は緯度1度の60分の1で,地球一周は,40000kmとして考えてね。
ゆうき:なるほど! a 地球の一周を40000kmとして計算すると,わり切れない数になるから,小数第1位を四捨五入して1852mとしているんだ!
父:1ノットは船が1時間に1海里進む速さのことで,船が1時間に3海里進むときは,3ノットだよ。
ゆうき:24ノットは,船が1時間に[ ア ]海里進むってことだよね。
父:そのとおり。
ゆうき:[ ア ]海里は,[ イ ]mだから,24ノットは,時速[ ウ ]kmで船が進んでいるってことなんだね。
父:そのとおり。
ゆうき:船が川を進む場合,川の流れによって,船の速さは影響しないの?
父:良いところに気がついたね。
ここからは,船が川上に向かって進むとき,川下に向かって進むときをそれぞれ考えてみよう。
図1のように,川上に向かってまっすぐ進むときは,川の流れの影響で船は遅くなる。
図2のように,川下に向かってまっすぐ進むときは,川の流れの影響で船は速くなるんだよ。
船の速さを求める考え方は,次のとおりだよ。
川上に向かって進むときの船の速さ=静水時の船の速さ※-川の流れの述さ
川下に向かって進むときの船の速さ=静水時の船の速さ+川の流れの速さ
※静水時の船の速さ:川の流れがないときの船の速さ。
父:では静水時に時速20kmで進む船が,川を20km上るのに2時間かかるとしたら,川の流れの速さは,時速何kmかわかるかな?
ゆうき:時速[ エ ]kmでしょう。
父:そのとおり。
(1) 次の①~③の問いに答えなさい。
① 下線部 a で,ゆうきさんは,1海里が1852mであることをどのように求めたのか。求め方の計算式を書きなさい。
② [ ア ]~[ エ ]にあてはまる数をそれぞれ書きなさい。
ただし,[ ウ ]は小数第1位を四捨五入して整数で書きなさい。
③ 流れの速さが一定の川を,船が10km上るのに30分,10km下るのに15分かかりました。
このとき,静水時の船の速さは時速何kmで,川の流れの速さは時速何kmか,それぞれ求めなさい。
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■解答・解説
①
『父:……「緯度1分に相当する距離を1海里」……「緯度1分は緯度1度の60分の1で,地球一周40000km」……』とあることから,「1海里は1852m」となることを求めます。
緯度は,図1の角度をさし,地球一周で360度になります。
緯度1分は,緯度1度の60分の1なので,地球一周で360×60=21600(分)になります。
また,緯度1分の距離が1海里なので,地球1周で21600海里となります。
よって,1海里は
40000÷21600=1.85185……(km)
小数第1位を四捨五入して,1852mと求めることができます。
以上より,計算式はこれらをまとめて
40000÷(360×60)×1000 ……(答え)
②
[ ア ]について考えます。
「父:1ノットは船が1時間に1海里進む速さのこと」とあるので,24ノットは1時間に[ ア:24 ]海里進む進む速さのことです。
[ イ ]について考えます。
「父:……1海里は1852m」とあるので,
[ ア:24 ]海里は,1852×24=44448(m)
よって,[ イ:44448 ]となります。
[ ウ ]について考えます。
ア,イより,24ノットは,1時間に24海里=44448m=44.448km進む速さのことなので,
24ノットは時速44.448kmとわかります。
よって,小数第1位を四捨五入して,時速[ ウ:44 ]km
[ エ ]と③は,特殊算といわれている流水算の問題です。
まずは,流水算について解説します。
■流水算とは
船が川を上ったり下ったりするときの,船や川の流れの速さ,時間や距離などを求める問題を流水算といいます。流水算も旅人算や通過算と同様に,速さの発展問題となります。
■流水算の解法
★流水算では,主に4つの速さが出てきます。
① 船が川を上がるときの上りの速さ。
② 船が川を下るときの下りの速さ。
③ 湖などの流れのないところでの船の速さ。これを静水時の速さといいます。
④ 川の流れの速さ。これを流速といいます。
流水算の解法には,図や線分図を用いて解く方法などがありますが,線分図は書くのが面倒なので,図を用いて解く方法をおすすめします。
■流水算の図による解法
図は「上りの速さ」「静水時の速さ」「下りの速さ」「川の流れの速さ」を
1つの図に表したものです。
※ココからは画像で
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◎例題を通して,図を利用する解法を解説します。
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それでは,[ エ ]について考えます。
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