この試合は1970年に行われた試合。WBC世界Jr.ライト級タイトルマッチ チャンピオン レネバリエントス(比国)VS挑戦者 沼田義明。

レネバリエントスは長身のサウスポー、フラッシュエロルデはリーチの短いサウスポー、どちらがやりにいくかったか沼田義明会長、本人に聞いてみると断然にレネバリエントスだった。公開練習の時はバリエントスも手の裏を見せない、挑戦者の公開練習の時にバリエントスの奥さんが偵察に来て挑戦者のシャドーを見て「沼田はボクサーではない、ダンサーよ(笑)」と笑っていたという。カシアスクレイが好きだったから真似をしたとの事。試合は東京体育館で観衆は4000人、試合が始まると予想以上にバリエントスのリーチが長くて中に入れない為、右ストレートからインファイトに持ち込んで殴り合いに持ち込んで転ぶシーンもあった。沼田会長はバリエントスとは二度と試合したくないと言っているが試合映像を見たことがあるが試合中はニヤリと笑ったりしていた。ヤジも全て聞こえていたらしい。13回にスタミナが切れて残り14、15は誤魔化しきかなくて人間の全てが出てしまったとの事、なんとか僅差の判定で勝って世界チャンピオンに返り咲いたが一番キツかった試合だったそうです。結局巡り合わせでバリエントスとはもう一度闘ったが試合内容は同じ。レネバリエントスはフィリピンでは珍しく裕福な家庭で育った人だったみたいで僅差の判定に負けでも文句一つ言わずフィリピンに帰って行ったそうだ。
貧困から這い上がるボクサーではなく満たされたボクサーだったのかもしれない。見た目も貴公子のような見栄えで街を歩いていたら戦士には見えない。
あれから50年以上がたちフィリピンの友達からレネバリエントスさんの最近の写真が送られてきた。「沼田さんによろしく」と言ってサインをプレゼントしてくれるそうだ。こちらは沼田義明会長のサインをプレゼントする。この写真を沼田義明会長に見せると「え?これレネバリエントス?もう会ってもわからないよ(笑)」と笑ってました。