その日から9日間が経った。
不思議な時間が過ぎている。
自分の49年7か月の人生で、ずっと「あった」ものが、
なくなって9日間。
同僚の後輩曰く「自分の両親は健在だけど、それがもうすぐ起こるのか、と思った」。
基本的に元気で健在は羨ましいが、「それ」がまだな状態とも言える。
正直、どっちがいいのか、とさえ考えてしまう。
今、オレが悲しい気持ちを乗り越えればいいだけで、父はもう病気に苦しんだり死に怯えたりはしなくて済んでいる。
それは、ホッともする。家族も、「いつ来るか、いつ来るか」という怯えがある。
昨夏に聞いてから、まだ元気に過ごしていた秋から年末あたりに、もう一度戻れば良かったかな・・・とも思う。ただ、その時は3月にそれが起こるとは知らないわけで、「いつまでもこれが続く」ような期待感もあった。
もしタイムマシーンで秋に戻れたらまた会いに戻るが、そこで何を話すのかな。手を取って泣きながら思い出話をするのかな。
もし「あと10年」命が伸びたら、本人はやったぁ、と喜ぶだろうし、こっちも「当分安心だ」とホっとするけど、10年経ったらまた同じ事か。。。
もう、人の命の70年から100年という時間が、短すぎる。
父は81歳だったが、ほぼ平均寿命でもある。
俺も、今10代の若者も、同じことだ。
いつか同じことになる。
ただ、スマホのメールをちょっと遡れば、父の書いた文面が見れる。
これを書いた一つの人格、意思が、もうない。
そう思うと、とても寂しいと思うのだ。