ターンアラウンド
ディベートの技術を紹介するのは本日が最後である。最後にふさわしい代表的な戦術「ターンアラウンド」について説明する。これは相手の主張を逆手にとって、自分たちの理論の根拠としてしまう戦術である。
今年の4月に大手新聞社同士が「国旗掲揚」と「国歌斉唱」をめぐって論争を繰り広げた。
発端は、朝日新聞が3月31日の社説で、卒業式で国旗掲揚・国歌斉唱を強制するのはおかしいと意見を述べたことに始まる。
産経新聞がこれに反応し、4月1日の社説で朝日新聞は国旗掲揚・国歌斉唱を強制する高校野球を主宰しているではないかとやり返す。
これなどは、相手の理論の突出部分(「国旗掲揚・国歌斉唱を強制」のところ)を利用して反駁する「ターンアラウンド」の一種といえるだろう。
朝日もこのまま黙ってはいない。翌日の4月2日の社説で高校野球は国旗掲揚や国歌斉唱を強制していない。卒業式は高校野球と違って、従わなかった者が処分されるので問題と言ってるのだと反論する。
産経は4月3日の社説で食い下がる。「朝日は国歌掲揚そのものに反対していないと言っているが、平成11年の国旗国歌法制定時に法制化に反対したではないかとまたやり返す。
これも相手の理論をそのまま利用しているので「ターンアラウンド」といえる。
ターンアラウンド
これは合気道や柔道、空手などの日本の武道にも通じる考えです。
合気道は円運動によって相手の力を受け流し、相手の力を利用して技をかけます。合気道は相手といたずらに力で争いません。
合気道 龍(養神館合気道龍):合気道とは
「柔よく剛を制す」とは、古代中国の老子の思想を基調に書かれたと言われる『三略』の中の有名な一節です。意味は「柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができる」ということです。
柔道の技では、相手の力を巧みに利用し、小さい人でも大きい人を豪快に投げ飛ばすことができます。その姿を表現するときによく使われる言葉となっています。
柔道用語辞典:柔よく剛を制す|柔道チャンネル|全柔連オフィシャルパートナー 東建コーポレーション
これを、反日からの攻撃への反撃に使いましょう。
たとえば、こんな感じです。安保法案が「戦争法案」だというレッテル貼り攻撃に対するカウンターです。
【戦争憲法】日本に戦争をもたらす無防備な「戦争憲法」をやめて一から作り直そう!
みんなはちゃんと戸締まりしてる?
泥棒に入られないようちゃんと戸締まりしよう!
— rxtype (@typeXR) 2015, 7月 5
【戦争反対】戦争になったのは当時最強だったイギリスとの同盟、日英同盟を破棄したから。日米同盟を蔑ろにする奴は戦争主義者だ!
#戦争反対
— rxtype (@typeXR) 2015, 7月 5
これによって、敵の「戦争法案」という言葉のインパクトだけがたよりの戦術を無効化し、逆に攻撃できてしまう、一石二鳥の戦術です。我々のような弱者に最適の戦術だろうと思います。
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