数十分もすると疲れも取れ、落ち着いて周りを見渡した。
家の中を見ると、やはり、お菓子の家と言うだけあって、家が全てお菓子でできている。
僕が座っているカーペットも薄いビスコでできているではないか。(疲労のあまり、ビスコであることを知らずにドスンと座ったことでお気に入りのジーンズがビスコのクリームだらけになったことは忘れよう。)
「ハッハッ。この家は良くできとるかね。」
隣の部屋から声が聞こえた。
声の主であるいかにも博士感の漂う男が僕らの所に来た。
そして男はこう言った。
「キミたちはこのお菓子の家の34組目の訪問者じゃ。おや、34ということは素数じゃな。キミたちはアメちゃんをやろう。」
この言葉から、彼について3つの情報を読み取った。
①この男がお菓子の家の管理者的ポジションであること。
②飴のことを「アメちゃん」ということから系統は大阪のオバちゃん寄りだろう。
③著しく数学ができないこと。
続く