エド・ゲイン(オーディオブックではエド・ギーンと発音されており、正式にはそちらの方が正しい発音の模様)の伝記、Deviant聞き終わったが、最初の部分を過ぎたらあとはそれほど聞き取りにくいわけではなかった。だいたい冒頭部分というのは作家も力を入れて書いたりするのでわかりにくかったりするのはよくあること。
ただ、聞き終わった感想としてはWikipediaで十分だったかな、という印象。グロテスクな部分の描写は聞いているだけで嫌になってくる。異常な母親に育てられ、家庭以外外部との接触が少なかった男が、やがて母の死をきっかけとしてその異常性を募られせていく。しかし、たしかに異常な母親であることは間違いなく、それがこの男の異常性を生み出した大きな要因であることは間違いないとは思われるが、それにしてもそれがゲインを殺人やカニバリズム、その他の異常な行動へと動かした理由のすべてにはならない。ゲインはその犯罪を除けば非常に平凡な人畜無害な人物である。終生母親に縛られ、母親の影を追い求めたとも言え、ある意味、悲哀さえ感じさせる内容だった。
侵した犯罪の強烈なインパクトとそれとはまったく異なる小人物という点で、比べるのは適切ではないとはおもうが、「悪の凡庸さ」のアイヒマンを思い出してしまった。というのは、Eichmann in Jerusalem(ハンナ・アーレントの「イェサレムのアイヒマン」)のオーディオブックを買ってまだ聞いていないからである。たぶん、難しいだろうな。アーレント。