戦車内外の連絡手段(戦車工学) | 軍曹!時間だ!…

戦車内外の連絡手段(戦車工学)

1・2・3 乗員の戦闘能力と戦車の確実性

乗員の戦闘力を保証する戦闘車両の技術上の性能は次の様なものである。

1) 戦場においての外部観測法

2) 外部との連絡法(部隊及び分隊編成の場合の指揮)

3) 内部の連絡法

4) 操縦、運転や射撃の利便及び乗員の作業上の正規衛生条件を備える事

5) 重要部分の取扱い容易な事

 

外部連絡手段: 全ての小部隊及び全部隊の火力と機動力とを確実に結び付けるためには、戦車間の外部連絡を確保する事が必要である。

現代の小部隊の連絡方法及び指揮の方法は大体次の様なものである。

 

a) 小旗通信

b) 送受信用または受信用ラジオ装置

c) 火光信号(火箭、ランプ)、赤外線の送射(信号灯)

 

 小旗信号のためには特殊の口が取付けられるが、この口はその突出部が観測を妨げぬ様に配置される。

戦車内にラジオを据え付けるには砲塔内が最も適している。

 火光信号法は近頃ますます多く戦車に普及される様になったが、これらの多くは未だなお適当な形になっていない。

 

内部連絡手段: 乗員の動作を整然と行わしむるためには戦車の内部での乗員間の連絡設備が必要である。軽戦車では直接連絡出来るから、戦車通話器等の特殊の設備はあまり用いられない。多数の乗員を有する重戦車では戦車通話器の使用は必要欠くべからざるものである。これに対する根本的要求は次の通りである。

a) 任意の条件の下で作用が確実である事

b) 使用に便利な事

c) 全員に命令の伝達をなし得ると同時に、各戦闘員別個にも伝達し得る事

今日のところ、内部の連絡手段はなお不完全で、将来の技術的完成を必要とするものである。

 

【用語解説】

 

小旗通信

いわゆる「手旗信号」である

 

送受信用または受信用ラジオ装置

いわゆる「無線機」

 

火光信号(火箭、ランプ)、赤外線の送射(信号灯)

視覚通信の発光信号である。

火箭(かせん)は火をつけた矢(火矢)のこと。