STB-3 74式戦車試作車3号車(第2次試作1号機)
74式戦車の試作車STB-3だ。
STB-3は第2次試作車として作られた4両中の1両である。4両の試作車があるのは戦車小隊編制が4両のためであり、90式戦車及び10式戦車も第2次試作車は4両ずつある。
撮影日は不明だ。
油圧が抜けきっているの誘導輪が引っ込んだ状態で低姿勢になっているので履帯がゆるゆる状態だ。
武器学校に部隊弾薬過程(不発弾処理)で入校していた時と記憶しているから1995年頃であろう。
銀塩写真をスキャンしたものだ。
武器学校のある土浦駐屯地は霞ヶ浦に隣接しているので朝靄で霞んでいる。
霞ヶ浦の名称に偽りなし。
展示車両の左右に桜の木が植えてあるので斜め前方からの写真が撮れていない。
迷彩色の戦車は90式戦車の試作車であるが、試作何号車かは確認していない。
2005年3月9日撮影
前面板の紙には
74式戦車(試作)
(広報展示用)
不用決定予定車両
と書かれている
順当にいくと2004年度(2005年3月)に不要決定が承認されたものと思われる。
車体後方の銘板は判定不能なので車体刻印で確認・・・・・
・・よくわからない・・・・
例によって拡大色調補正
「STB-0003」と確認
60mm発煙弾発射筒や操縦用赤外線投光器は取り外されている。
OVM(車載資材)類もすべて外されている。
車体先端が丸く成形されているのが試作車の特徴だ
もう一つの特徴は61式戦車と同様の金網マフラーカバーだ。量産型では対IR(赤外線)仕様ということで鋼板製に変更される。
車体後方下部にはトレーラ牽引用のピントルフックが付く
弾薬や燃料などを積んだトレーラを引っ張るためのものであり帝国日本陸軍からの伝統で出来る限り自力移動を目指すものだ。
量産型では常備ではなく必要により装着する方式に変更
発電用のAPU(補助エンジン)を搭載している。
砲塔上面手前の4つのボルト孔は重機関銃架取付け部
写真ではキューポラ右前に取り付けられている。
エンジンデッキ部
後方に見える履帯は不要決定待ちのゴム履帯
防盾と砲塔の隙間を塞ぐキャンバスはボルトで止める仕様だが、量産型では水密性を高めるためにボンドG17で接着してある。
砲手用照準潜望鏡、車長用照準潜望鏡及び装填手用の潜望鏡は無い。
流麗な砲塔形状だ。
後方に見えるのが霞ヶ浦の水面
この後、四式中戦車のように霞ヶ浦に沈められた・・・
訳はないのだが
何とか保存できなかったものであろうか・・・