エンジンのロマン
台風一過
奥様が、スターバックスのアップルパイ食べに行こうと仰ったので近くのモールへ出動
そこの本屋で自動車工学の書籍を物色していたら・・・
エンジンのロマン
~技術への限りない憧憬と挑戦~
著:工学博士 鈴木孝
発行:三木書房
定価2400円(本体)
パラパラとめくると自動車、飛行機、そして戦車用エンジンの事も書いてある。
著者の方は日野自動車でエンジン開発をしていたということだ。
本書の基となったのは1980年に日野自動車から「エンジンの心」として発刊されたものだという。
冒頭の 編集部より から引用
本書は、1980年に『エンジンの心』として日野自動車より出版されたものをベースとして、1988年にプレジデント社から刊行されて以来、動力に関する「技術屋」の挑戦を著者独自の視点で紹介しながら未来を展望する、類のない書籍として情報を更新しながら、多くの支持を得て版を重ねてkました。エンジニアに限らずこの分野に興味のある方にも読み継がれ、1996年には北京理工大学出版、1997年にはアメリカSAE(Society of Automotive Engieers)から依頼を受けて『The Romance of Engines』として英語版に翻訳出版され、さらに世界に読者を広げています。(後略)
ということで、技術書によくありがちな難しい数式は出てこず読み物として面白いと感じた。
また、本書は2002年改訂版から10年を経た2012年にデータ等の変化したこと等を踏まえ全面改定した新版であるということだ。
日野のエンジンといえば旧軍の100式統制型エンジンが戦車用エンジンとして有名である。
残念なことに統制型エンジンについては良く分からない?!と書かれていて残念至極であるが、T-34戦車のディーゼルエンジンは褒めている。
ただ、気になったのは『エンジンの心』序文より(5ページ)だ。
本文引用
1969年の冬、初めて私は欧州に渡った。(略)当時、直接噴射式と言うディーゼルエンジンは、日本ではまだ胎動期であり、彼我の技術の懸隔をまざまざと見せつけられたからである。
著者の方は日野のエンジンマンだからかも知れないが、三菱では戦時中から直接噴射式であり、1961年に制式化された61式戦車のエンジンも直接噴射式のディーゼルエンジンである。
三菱 12HM21WT
12気筒空冷4サイクル90°V型直接噴射式ターボチャージャ付きディーゼルエンジン
一般的な自動車用ディーゼルエンジンとしては「胎動期」と言う意味なのだろうが、戦車用エンジンから入ってしまっている当方としてはちょっとした違和感を覚えた。
とはいえ、エンジン開発の裏話のようなことを分かりやすく面白く書いてある良書と言える。