10式戦車テクニカルファイル(補足1)有線端子
「10式戦車テクニカルファイル」の記事中に書くわけだったのだが、思わぬ展開により別枠になった。
「ちょっと気になった2つの事項」
ということで「補足その1」として
「車体編 95 尾灯」(114ページ掲載)
※キャプション引用
「車体左側の尾灯の右側に装備されているのは、トレーラなどを牽引した場合に接続する電気配線のソケット(電線カップリング)である」
74式戦車は付属品として2t弾薬トレーラが牽引できるようにピントルフックを取り付けられるようになっている。
90式戦車試作時における2t弾薬トレーラ牽引試験
90式戦車以降は取り付け台座が無いのでピントルフックが取り付けられない。
つまりトレーラ牽引が出来ないのでトレーラ用電源も必要が無いのだ。
つまり正しいキャプションとしては
「車体左側の尾灯の右側に装備されているのは、他車や野外電話機などを有線接続するための有線端子である」
となろう。
なお、74式戦車の派生型である78式戦車回収車の電源ソケットはトラックなど他の車両と同じ形状のものである。61式戦車も同形状だ。
74式戦車の形状が異なるのは潜水渡渉を行うための水密構造による。
74式戦車まで装備されていて90式戦車以降に無い装備がある。
普通科などと連絡を取るために装備されていた「車外電話機」だ。
90式戦車以降は野外電話機自体は廃止したが、ユニットについていた有線端子は残し、有線(通信線:電話線)を接続できる仕様にしたのだ。
89式装甲戦闘車の有線端子
ところがだ・・・
有線端子の写真を探していたらある事に気づいた。
2017年4月5日の記事駒門駐屯地創立57周年記念行事(平成29年4月2日)10式戦車には
「お分かりだろうか?一見何の際もないように思えるが砲塔右後部に注目だ」
※ちなみに「予備履帯」ではなくて正確には「予備履板(よびりばん)」
と書き込んでいるが、「車体左後部にも注目」だった。
無い(゜Д゜;≡;゜д゜)
更に2016年4月に撮影した1戦車戦車大隊のドーザ戦車にも無いのだ!
ドーザ戦車は2014年度納入車のC4だ。
C4からなくなったのだろうか?
ネットで第8戦車大隊納入分(C4~C5)を調べてみたが分からなかった。
しかし第71戦車連隊に納入された最新型C6には無かった。
つまり、廃止されたのか?
C4からの広域多目的無線機搭載により何か変化があったのだろうか?