女装にくるお客さんって、ごく普通の男性が多い。
多趣味っていっても、いろいろなことに興味があるというレベルじゃなくて、
師範もとった。っていうくらい趣味も極めちゃってるレベル。
どんな趣味かはいろいろで、
車、時計、ジョギング、生け花に音楽に、まあ、いろいろです
彼らは、女装も趣味のひとつ。くらいにしか思ってない。
そんな方たちを、ホモでもゲイでもないけど、
たまの休みだけ数時間、女性のふりして過ごす人のことを
わたしはスイッチジェンダーと名付けた。
わたしのお店のお客さんのほとんどはこのタイプ。
「あれ、お客さん、したまつげが半分しか生えてないねー」
「そうなんだよ。女装するまで気がつかなかったけど」
メイクに慣れて、女装について興味が深くなってくると、
自分のこともよくみえてくるらしい。
そのせいか、いろいろなことが気になってきて、
いざエステ。とか、
いざフィットネスへ。
などと、肉体や美容に興味を持ち出す方はめっちゃ多い。
「あら、お客さん、おひげ薄いのね?」
「毎朝、面倒だから、エステで脱毛しちゃってるのよ~」
最初は驚いたけど、もうねえ、ここ数年は、
髭をエステで脱毛してる男性がぐーーーんと増えてて
すごく普通。
お客さんの半分くらいは行ってるご様子なんだよね。
お客さん同士が顔をあわせることがあると、
なぜかはじまるのがこのエステ自慢。
病院系からブラジリアンワックスまで。
いろいろなチャレンジをしてくれる彼ら。
いかに痛かったか。
いかにお高いか。
いかに利き目があったか。
などなど。いつも教えてくれます
「なんだか勢いづいちゃって、脇も下もつるつるにしちゃってます。」
なんて、聞いてないのに教えてくれる方も中にはいます。
彼にいたっては、頭もスキンヘッドにしちゃってて
ここまでくると、エステを通り越して、
人体改造って感じだけど、ご本人はご満悦。
「 ツルツルなのは、奥さんは知ってるんですか?」
「それが内緒でしてるんだよね~。
子供とお風呂に入るから子供がしゃべったらバレちゃうわ~」
奥様がちょっぴりかわいそうになったわたくしでした。