ねでねぇごはいねがー
『それはどういうことですか❓️』
桃子は眼鏡を外し、机の上に置かれた原稿を、まるで聖書か何かの禁書に触れるかのような手つきで見つめた。
『小野先生、危険なのは作品のことではありません。
この物語が寝た子を起こすことです。
それは寝かしつけた人たちにとっては都合の悪いことですから……
続きは場所を変えてお話しましょう。』
桃子は小野ユキを東雲が休んでいる奥の部屋へ案内した。
『この編集部にも寝かしつけた人たちがいるということよね❓️
ユキちゃん』
『そうなのよ、桃ちゃんならわかってくれると思ったわ。びっくりしないでよ………』
二人はプライベートモードに切り替えた。
小野ユキは桃子に75年後の世界から戻ってきたこと、100歳になっても今と変わらぬ若さでいること、泉のことなどを大雑把に打ち明けた。
『それはびっくりな面白いお話しですね。』
『アラ、東雲君起きてたの、具合はどう❓️』
『すっかり良くなりました。』
『ごめんなさいね、あんなことになるとは思わなくて…鼻血ブー❗️』
『なんですかそれ❓️』
『あっ、そうか……20年後にわかるわ。』
『小野先生、75年後、僕は生きていますか❓️』
『お葬式の知らせはまだ届いてないわ。』
『そうですか、嬉しいなあ……
ところで寝かしつけた人がこの編集部にもいるって誰のことですか❓️』
『長のつく人、管理する立場にある人は全員…そうよね❓️ユキちゃん』
『そのとおり、同時に寝た子でもあるわ。』
『そうそう、それでこの作品どうしたいの❓️』
『3作目のこの作品は全然売れなかったの、話が行ったり来たりして何が言いたいのかよくわからない、という声が多かったらしくて……
でも売れていたら桃ちゃんが言うように寝かしつけた人たちに私が消されたかも知れない……
桃ちゃんと東雲君まだ全部読んでないでしょう……
最後まで読むと明らかになることがあるはずだから、二人とも最後まで読んでみて、その間私はすることがあるからちょっくら出てくるわ。』
桃子と東雲は残りの原稿を読み始めた。
つづく
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