筒井康隆さんの『パプリカ』を読み終えた後、胸の奥がざわつくような、不思議な感覚に包まれた。好奇心旺盛で楽観的な気質を持つ自分にとって、この本はまるで未知の世界への扉を開いてくれる冒険のようだった。夢と現実の境界が曖昧になる物語に、自由を求める魂が強く惹きつけられた。  


『パプリカ』は、夢の中に入り込む技術を使って精神療法を行うという、ぶっ飛んだ設定が中心の小説だ。夢を共有する「DCミニ」というデバイスを通じて、人の深層心理にアクセスする話は、なんとも想像力を掻き立てる。新しいアイデアや未体験の世界に飛び込むのが大好きな自分としては、こんな技術がもし現実になったら試してみたいとワクワクした。だけど、同時に、直感的な部分が「これはちょっと危なそうだぞ」と警鐘を鳴らしてもいた。夢の中まで他人に踏み込まれるなんて、自由を愛する自分としては少し怖い気もする。  


物語の中で、主人公の千葉敦子が「パプリカ」という別人格を通じて自分自身と向き合う姿には、深く共感を覚えた。常に新しい自分を探し求めて旅をするような気持ちを持つ自分にとって、彼女のように夢と現実の狭間で葛藤しながらも成長していく姿を見ると、なんだか自分ももっと内面を掘り下げてみるべきじゃないかと思わされる。普段はあまり深く考えず、勢いで突っ走りがちなところがあるけど、この物語はちょっと立ち止まって自分の心と向き合うきっかけをくれた。  


また、夢と現実が混じり合う描写は、想像力豊かな部分に鳴り響いた。夢の中で何でもありの世界が広がる一方で、それが現実と交錯して混乱を引き起こす展開は、自由を求める自分にとって魅力的でありながら、どこか不安も感じさせる。普段は「まあ、なんとかなるさ」と物事を流しがちな性格だが、この作品は「現実と非現実の境界って何だろう?」と深く考えさせる力があって、読んでいる間ずっとドキドキが止まらなかった。  


最後に、筒井康隆さんの独特な筆致とユーモアには、遊び心と気さくな部分がめちゃくちゃ反応した。シリアスなテーマの中にも、ブラックユーモアや皮肉が散りばめられていて、読んでいて何度もニヤリとしてしまった。型にはまらない表現をする筒井康隆さんの姿勢に、純粋に憧れを抱く。  


『パプリカ』は、夢と現実、心の奥底について考えるきっかけをくれた一冊だ。冒険心をくすぐる刺激的な物語でありながら、ちょっとだけ自分を見つめ直す時間を与えてくれる、特別な読書体験だった。筒井康隆さんの頭の中を覗いたようなこの本、もっと多くの人に読んでほしいな。  


PS. I LOVE YOU  

(これは、筒井康隆さんへの敬意と、夢の世界への憧れを込めて。)

https://share.google/42TeI0SwcEkKYBCHI

文庫)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。
share.google