前回までに機械製図における第三角法&投影図の配置を説明してきました。

 ここでは、改めて、主投影図にフォーカスを当てて、主投影図における品物の向きについて見ていきましょう。

  主として機能・使用状態を示す向きに配置〔組立図)

 例えば、下の組立図は、「たわみ軸継手」ですが、組立図では、その目的に示したように、顧客である購入者が製品を備え付けて使用する向きや工場での組立の向きを考慮して配置します。

 例えば変速装置に用いる場合などを想定してた時、モーターとギアボックスを土台に取り付け、振動などによる回転のたわみをここで吸収して回転を伝達するためにそれぞれの間に設置することになります。

 加えて、回転体は軸を横向きに配置すること(※全般としての考え)が一般的であるためこのような横向き配置になります。

 

 

  主として部品製作時の部品加工の向き(部品図)

 一方で、部品図の場合は、工場で実際に部品製造の際に図面を参考にしながら加工するので、以下のルールを考慮した方が実用的になります。

 

 ・加工時の工作機械への取り付け状態

 ・最も多くの工程で配置する向き

 

 一例として、多段付き軸の場合は、下の図の右の図がになります。

  

 これは、次に示すように、旋盤で加工する際には、工具の送りが右から左になるので、段付き加工が多い側を右になるように配置することが一般的だからです。(※段付きの形状や精度によっては、加工手順が変わるため、その点も考慮する必要はあります。)

 

   

 

  全般としての考え方

 また、全般として、以下のような考えで品物の向きを配置します。

 

 ・最も安定する配置(長物や軸は横に配置する)
 ・右側面図に展開しやすい向き(右側面図に形状を投影しやすい向き)