〇五(戌)式水陸両用戦闘車は皇国陸戦軍が保有する水陸両用の装甲戦闘車両である

 


 



◆前史
皇国は島国であり、遠方へ兵力を投入するには、揚陸か空輸が手段となる。このうち、揚陸作戦において重要なのが水陸両用戦車である。そのため、これまで海軍(現・海防軍)主導のもとで様々な水陸両用戦車が開発されてきた。
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↑それまで海防軍で運用されていた水陸両用戦車
それらの戦車を置き換え、最新の戦術に適合する形で開発されたのが本車である。
なお、一時期の軍縮期を経て上陸部隊が海防軍から陸戦軍に移管されたため、本車は陸戦軍の開発となり、迷彩も通常の戦車と同じ3色のものとなっている。


◆開発
新式両用車の開発にあたり、水陸両用戦車の在り方が再検討された。
それまで海軍下で開発されていた車両は、戦車に準ずる形で密閉砲塔を有していたし、これが当然であると考えられていた。


揚陸船で上陸する主力中戦車

しかし、よくよく考えてみる中で、水陸両用戦車に求められる役割は、主力戦車が揚陸船でやってくる前に橋頭堡を確保することではないか、という意見が出された。そのような思想に基づくと、水陸両用戦車の求められる姿は、高速度で水上を航行し、そのまま上陸して敵を襲撃・制圧するところにある。水に浮かぶのに、わざわざ重たい砲塔を載せる必要に疑義が生じ始めた。
こうして、新式両用車は、機関銃を主武装とし、軽快さに長ける車両として設計が行われた。


◆概形


戦闘車といいつつも、履帯の付いた戦闘艇という形状である。車体は舟形であり、舵、スクリュー、煙突、左右の航行灯……と、ほとんど小型艇と同一の装備を有している。




↑舵とスクリュー

 

◆武装
13mm機関銃を中央部左右に各1丁備えている。射角は左右合わせて前方180°を射界に収める。そのため後ろには撃てない。仰俯角は-10〜80°くらいと広めで、対空射撃も可能。それぞれ防楯が付いている。


↑陸上での作戦行動において十分な武装とは言えない


◆機動
・地上走行
5個の転輪を有し、サスペンションが組み込まれている。このため、浅瀬や砂浜でも走行が可能である。ただし、岩礁などには不向きであり、どこでも上陸できるわけではない。


↑サスペンションが稼働する様子


・水上航行
車体後部にスクリューと舵があり、普通の舟艇と同じように航行が可能である。


↑水上航行する本車両


◆機関
車体中央後部に発動機が搭載されていて、その後ろの車体尾部が燃料タンクになっている。


↑発動機と燃料タンク ◇

 

◆防護
車体は一応装甲である。多くの水陸両用戦車と同様、浮力を生むために装甲は薄い。戦闘区画はほぼ剥き出しで、操縦席と防楯くらいしか防護するすべがない。


↑試製多脚戦闘機材の直協を受け前進する車両

◆その他


↑車内に弾薬などを格納する空間がある。

◆運用
第1師団隷下に新編された第3海空機動大隊に配備されている。同部隊は上陸作戦のほか、海外緊急展開にも対応した即応部隊であり、近年新編されたものである。


↑水陸両用車と共に作戦行動を行う本車両



↑鉄道で輸送される本車両[1両目蒸気機関車:ながに君作、最後尾2両:なしさん作]



■あとがき
久々に装甲戦闘車両(AFV)を作りたい、水陸両用戦車を作りたい、ということで作りました。今年初のAFV。



架空兵器ですが、最も参考にしたのは特四式内火艇です。しかし、同車(同内火艇)が比較的輸送力重視であるのに対し、今作は戦闘力や快速性にステ振りしています。なので結構オリジナリティ有りです。



全体的には船のフォーマットを意識して作っています。
まず、舟形のシルエットが、いかにも水上航行できそうな感じを醸し出します。他の艦艇や飛行艇と同様、積分で流線形を表現しています。スロープパーツをどう組み合わせるか、というのに悩みました。

スクリューや舵も装備。装軌(履帯式)の水陸両用車の中には、履帯で水掻きをするためスクリューの無い車両も少なくないですが、船らしさということで今回はこれを採用。

特四式には無い煙突も船らしさを出すためです。特二式にはありますけど(脱着式の)。

武装は防楯ついてる機関銃です。色んな方向に指向できるように台座を工夫しました。1x3小判プレートは比較的新パーツですね。まぁこの使い方なら1x3薄型リフトアームでもよさそうですが。



ちなみに当初は砲塔を載せて普通の戦車のようにする案もありました。

車内ですが、内部に空間があるため倉庫になっています。
車体後位にはエンジン。最後部には燃料庫があります。ちゃんと燃料庫も考えて作ったのは初だと思います。



奇抜な車両ですが、うまく作れて満足です。

おわり