四号揚陸船は皇国海防軍の揚陸船
◆開発
皇国やその周辺地域は多島海である。そして有事には、こうした島々へ地上部隊を効率的かつ迅速に投入する必要がある。そこで必要となるのが沿岸に直接接岸し、装備を揚陸可能な揚陸船艇である。
この当時、海防軍は艦隊への遠征能力付与を目的に兵備を強化しており(航空巡洋艦はその象徴)、その一環として本艦は計画された。
↑桟橋で待機状態の本艦
◆構造
船首が道板となっており、これを陸地に倒して揚陸を行う。
格納庫は8x22(凸)の空間があり、搭載可能な兵器については以下の通り定められている。
・戦車、装甲車…1両(軽装甲車にあっては特別の場合2両)
・騎兵…6騎
・歩兵…12名(特別の場合20名)
◆配備
↑陸戦軍の軽装甲車を揚陸する様子
「潜水艦隊」に配備されている。
これは、数合わせの為である(艦隊組成には最低2隻必要であるため)。
ただ、物資を満載して浮上した潜水艦に補給するといった役割があり、一応は役立っている。
◆運用
第二次南海危機*には、陸戦隊の揚陸にあたって活躍した。それまで大型船から一旦ボート等へ積替えのうえ各種装備を陸揚げしていたが、本艦はそうした手間を解消した。
また、事件の後半には、逸散した海賊を追跡する潜水艦に燃料を補給する臨時の給油艦として使用された。給油機能の付与にあたっては、格納部に、車輪を外した鉄道タンク貨車を載せ、固定するという方法が取られた。
↑潜水艦に給油する四号揚陸船
【第二次南海危機】
南洋探索作戦の中期に発生した事件。
この当時、南海〈熱帯群島〉は皇国と大公国の微妙な干渉関係下にあり、いずれの国にも属していなかった。この不安定な情勢を突いて台頭したのが海賊であり、しばしば攻撃を行っていた。そして、ある嵐の晩に、首領に率いられた海賊団が幾つかの島を占領し、独自の政府樹立を宣言した──。
結局、皇国が派遣軍を送り込み、一ヶ月かけて鎮圧したが、地域情勢に禍根が残った。
なお、派遣軍の概要は以下の通り。
・艦艇:航空巡洋艦・潜水艦・揚陸船
・飛行機:水上機部隊(海防軍)、輸送機・爆撃機(陸戦軍)
・地上部隊:装甲車(海防軍)、空挺部隊(陸戦軍)
↑軽装甲車を前方に、後方に幌を貼り物資を搭載した様子。
◆参考海防軍〔平時編制〕(2022.10時点)
・航空艦隊 (所在地:隠港<新港>)
・航空巡洋艦「七海」(旗艦)
・水雷護衛艦「海薙」
・潜水艦隊 (所在地:新中央港)
・潜水艦「日和」(旗艦)
・四号揚陸船
・第7飛行団(「七海」搭載機)
・第71飛行戦隊(戦闘機2機)
・第72飛行戦隊(攻撃機2機)
・陸戦隊(所在地:白湊)
・歩兵隊
・装甲車
・独立第11飛行戦隊(綴島東)
・水上機など
■あとがき
前々から作りたいと思っていた上陸用の船を作りました。
ポイントは、デフォルメ世界観において、「船」としてのプロポーションを重視しているところです。煙突を太くしているのはその最たるものです。あとは比較的しっかりした艦橋とマスト周り
↑側面下側から。コンパクトサイズです。
で、今作も一応フルハルです。といっても分離はせず、これで一体。スロープパーツをそのまま使うことで、揚陸艦艇に多い直線的なラインを上手く表現できたと思います。
実際は揚陸艇サイズで、戦車1両が限度となってきます。
船体は8幅+横組みでプレート構成。今回は都合で新灰色としました。
内部8幅だと戦車がきつきつなのですが、どちらかというと7幅の軽装甲車の搭載がメインなので大丈夫。
数的主力はこのへんの小型車両なのです。
↑船尾アップ
錨やスクリューも作ってあります。舵は?
↑艦橋は最低限の装備です。舵と双眼鏡。
↑艦橋の下はこんな感じ。丸いのは煙突につながるダクトで、左舷よせにすることで、右側に乗員用通路を作っています。
ちなみに、最近になって上甲板左側に機関銃(7.7mm)を搭載しました。
おひろめは2022横浜ミリオフでした。↑写真で載せているのはMK氏の装輪装甲車。まぁ8だときつきつなので、内側を左右各1プレートして余裕もたせるのはアリかもです。
↑7幅装甲車をむりやり乗せた図。
なんというか、遊びやすい、良いサイズの船になったと思います。
揚陸装備があると、他作品やシナリオへの盛り込みの幅が広がりそうです。
・要目
全長:38凸
全幅:9凸
乗員:3人くらい
機関:蒸気タービン・1軸推進
武装:なし→7.7mm機銃x1
積載量:(上記「◆構造」項の通り)
ではまた~
※国家や兵器の設定等はすべて架空のものです。