◆開発

 車両の不足に悩む皇国鉄道が地方路線むきに開発した安価な気動車である。
 当時、通勤通学の手段として鉄道の地位が固まるにつれ、都市部の鉄道需要が徐々に上がっていた。これにともない近郊路線は増発を重ねたが、電化延伸が遅れていたため、多くの気動車が都市部に集中されるようになった。

↑都市用の電車 さまざまな問題により、電化は思うように進んでいなかった。


 その影響を受けたのが地方路線である。21年9月の段階でも、車両不足により、1日に2~3往復しか列車が来ない路線がいくつもあった。
 かといって生産能力や製造費用の関係で、簡単に気動車を製造することはできない。そこで、皇国鉄道は、自動車等の設計を流用した簡易的で安価な鉄道車両を計画した。この計画により誕生したのが、本形式「汽1500型」である。

 

↑駅で出発を待つ車両。


◆構造
鉄道車両としては最低限なものである。
設計を簡素化するため、一部の構造には乗合自動車(バス)や自動貨車(トラック)のものが流用された。

 

↑平坦な区間では付随客車を連結することも多い。写真の客車は丙ろ130型

 

↑駅に入線する列車。



◆運用
現時点で、主に東部の閑散路線に投入され、本数の増大に貢献している。

基本的に各駅停車にのみ使用される。

 

↑地方交通には欠かせない存在となっている軽気動車


・北国線
ほぼ全線区(星岬駅〜夜岬駅)に投入されている。一部区間では、本型式の投入により、列車の本数が1日あたり2往復から3往復に増えた

・東国線
全線に本型式が投入されている。

・海浜線(東線)
各駅停車の約半数は、客車列車から本型式に置き換えられた。

↑海浜線をゆく本車両。

 



※皇国鉄道には本数が極めて少ない路線が多い。そのため、個々の列車の接続はあまり良いとは言えない。山間の小駅で5時間も次の列車を待つということもはしばしばである。
このとき、列車が1往復増便されるだけで、接続が改善され、待ち時間が解消されることがままある。この点、1往復の増便は、単に本数が増えたことのみならず、全体の移動効率が上がるという利点も持つ。

 

↑電車(電07型)と連結


ーあとがきーーーーーーーーーーーーーーーー
◇製作過程

↑2021海老ブリにて。小屋はなし氏の作

 

 ミニマムでシンプルな動力車が欲しい!ということで作りました。その前に試作していたガソリンカーの設計を踏襲しています。
 今作は、全体の設計をCAD(Studio)で完了してから組みました。テクニック系はパーツを仕分けておらず、PC上で作業したほうが効率的だからです。普段は、Studioを使うことは稀で、あっても部分的なので、今回は珍しいケースです。小型だからできたのかもですね。

 

↑同。ぷにずしさん乗せて。


◇外観

 幅はいつもの7ポッチ。車体全長は18ポッチ。2軸車。
 1B蒸気機関車が19ポッチですから、動力車としてはこれが自作品の中で最小となります。
 なお、幅は6ポッチでもよさそうですが7としました。こっちの方が幅広で、ぼってとした雰囲気が出てるかなと。

 動力部に対し、外装はシンプルです。今作において参考にしたのは、国鉄が戦後運用したレールバス数形式です。バスのように広々とした窓と車体中央に寄ったドアが特徴でしょう。
 順組で強度を持たせるのはいつもの手法です。


◇内部(動力)

 Mモーターから8歯ギアを4つ使って動力を下におろしています。各々の軸は脱落しないよう支持しています。基本的な動力伝達は蒸気機関車のそれと同じです。
 今作においても、動力装置はユニット化しています。
 床下にあるアクスル(十字軸)を側面の穴に挿すと……「梁」が出てきます(7Lアクスル)。この梁を引き抜くと簡単に動力ユニットが下に引き出せます。

 こうすることで、トラブルが車体全体に広がらないほか、メンテナンスや事後的な動力部のアップデートが容易になるというメリットがあ(ると思ってお)ります。

 

 ユニット動力はキハ40形にも転用しています(下記記事参照)。

 

 

 

 チャンネル切替・電源入切のアクセスも容易にしてあります。

↑チャンネル切替口

 

↑電源入切口



◇その他
 動力部の関係で連結器&排障器は片方のみです。まあ、あんまり併結や牽引をする車両ではないので、出番は少そうです。ただ、もう1両つくって2両編成とするのは楽しそうです。その場合、2両目は内装のある無動力車としたいですね。


 

気づけば気動車も今回の2軸車、片ボギー車(計3軸)、2軸ボギー車(計4軸)が揃いました。

次はより小さい単端式気動車や、編成運用を前提とした流線型の急行形気動車とかも作りたいです。
あとナローも。

ちなみに、過去作品で小さい動力車(PF/自作動力)は、
・片ボギー気動車=全長22ポッチ
・Cタンク機関車=全長21ポッチ
・1Bタンク機関車=全長19ポッチ
でしたが、さらなる短みを目指して今回は18ポッチとしましています。

 

 

おわり