◆概要
〇一(乙)式中戦車は皇国陸軍の主力中戦車である。戦車としては初めて固定戦闘室を採用し、9cmという大口径砲と、4丁もある機関銃が特徴である。
◆開発
2018(皇国暦1352)年に開発された五二式中戦車は、機動性・防御力ともに申し分なかった。しかし、武装面でみれば75mm砲と37mm砲を欲張った結果、戦闘力が中途半端になってしまった。そこで、五二式の車体はそのままに、武装を重砲に乗せ換えた新型の「歩兵支援戦車」が計画された。
↑本車両と同一の車体を持つ五二式中戦車と〇一(壬)式防空戦車
主砲には四七式9cm歩兵砲が選ばれた。四七式は重量があったため旋回砲塔に載せることができず、戦闘室は固定式になった。これでは戦車ではなく突撃砲ではないか……との意見もあったがなんだかんだで異論は丸め込まれた。また、砲塔が無い代わりに、市街戦や対騎兵戦を見越して各方向に機関銃を備えることとなった。
こうして開発された戦車は〇一(乙)式中戦車として採用された。元年10月(乙亥の月)に制式化されたので「〇一(乙)式」である。1幅履帯・6幅車体を持つ「一六一規格」の中戦車としては、五〇式・五一式・五二式についで四代目となる。
◆構造
イ)武装
上から見ると八角形の戦闘室に、操縦手・砲手・装填手・車長が乗る4人乗りの戦車である。4つの機関銃については、操縦手は前方、砲手は右、装填手は上、車長は右を操作する。
主砲は車体左よりに配置されており、左右への角度調整はできないのが欠点である。
↑内部4人の配置
ロ)車体
走行装置や発動機は五二式中戦車と同じつくりである。皇国の戦車としては一般的な床下シーソー式を採用しており、不整地走破性にすぐれる。前面には傾斜がかかっている。
◆運用
量産され、精鋭部隊である装甲第二騎団に配備されていたが、部隊再編に伴い独立戦車団に転配された。
その後、後継の〇三(庚)式中戦車の投入により置き換えが進んでいる。
陸軍の部隊配置。図に示された2個旅団と1個戦車団に鉄道部隊・飛行部隊を加えたものが皇国陸軍の全勢力である。
陸軍では軍縮の流れの中で、騎兵と装甲車を中心とした低廉で高機動な「騎動旅団」を戦力の中心とした。そのため、余剰となった戦車は独立戦車団に寄せ集められ、予備戦力として温存されている。
◆その他
・車体前面に前照灯が付けられた。皇国陸軍の戦車に前照灯がつくのは珍しい。
・固有の通信装置は無いが、小隊長車には設置されている。
・五二式中戦車、〇一(壬)式防空戦車とは車体が同じであるが、上部支持輪の位置が微妙に違う。
◆形式
・一型…初期生産型
・二型…改良型。強度の向上などが図られた。
↑一型
□あとがき□
2019年秋に製作した戦車です。設計段階から量産を前提とした車両で、簡略化・低廉化が図られています。僕が鉄道にのめりこむ前の最後の戦車作品なので、ながらく「皇国軍」の主力戦車としての地位を保っています。
IDFのナグマホンIFVを”大戦期っぽくアレンジする"という手法で製作しました。角ばった見た目と短くて頼りない砲身が気に入っています。
車体は前作の使いまわしです。全体的にバランスが良いので気に入っています。このシリーズでまたなにか作りたいなぁ。
おわり
2023/4/26 後継車種追記、データ量削減