五二式中戦車



○概要
皇国陸軍の主力となる中型戦車。車体に主砲が載っているのが特徴的な戦車である。



○開発
 長い間、陸軍の戦車は37mm、47mmないし57mm砲を装備しており、たいへん力不足であった。列国の戦車と渡り合うためには、75mm砲が必要とされていた時代である。そこで開発が決定された75mm砲搭載戦車が本車両である。
要求書には、「75mm砲を備え、砲塔をもつこと。」…と記された。最初はまともに砲塔を作っていたが、うまくいかなかったので車体に75mm砲を載せ、砲塔に37mm砲を載せることにした。既存の五一式中戦車を代替し、75mm砲を砲塔に搭載する戦車が登場するまでの「つなぎ」として位置づけられたのである。

〇性能・構造
イ)武装
 a.第1主砲(「五二式75mm戦車砲」)
  車体の75mm砲は「第1主砲」と呼ばれる。榴弾や徹甲弾を扱う。車内からは上下にしか動かせず、左右に撃つときは車体ごと向きを変える必要がある。容積の関係上、一人で操作するしかないので発射速度は極めて遅い。

 b.第2主砲(「五〇式37mm戦車砲乙」)
  砲塔の37mm砲は「第2主砲」と呼ばれる。"主砲"と呼ばれるが、実際は副砲である。五〇式軽戦車の主砲を改造したものであり、まぁまぁな砲。

 c.機関銃
 砲塔には機関銃が載せられる。対地・対空戦闘で用いられる。ほかの戦車と同型である。
 
ロ)走行装置
足回りの設計は、小型の転輪を多く並べるという皇国陸軍の一般的な方式が用いられている。系譜としては五〇式砲戦車の系統である。サスペンションにも従来の戦車と同じく床下シーソー式が採用された。後輪駆動式で、上部支持輪は2つである。
 
ハ)防御
防御力は普通である。車体の左右に側面装甲板(シュルツェン)を付けている事もあるが、どちらかといえば砂防のためのスカートに近いものである。
 
ニ)通信
砲塔には鉢巻型のアンテナが装備されている。37mm砲手が無線手を兼任する。
 


○その他・逸話
・愛称は二階建て戦車
・背が高く重心も高いので列車輸送の際に急カーブの遠心力でふっとんだ(これは実話
 

歩兵を支援しつつ市街地を進む。

 


○配備・実戦
 陸軍の主力戦車として戦車隊に配備されたが、皇国の戦車としては珍しく実戦を経験せず退役することとなった。


○派生型
 車体・足回りは優秀であるので、派生型がいくつか作られている。
・突撃砲(試作のみ)


・〇一(壬)式防空戦車


車体をそのまま用いて開発された防空戦車(対空戦車)。37mm機関砲を装備している。

 


・〇一(乙)式中戦車


 後継となる新型中戦車。潔く砲塔はあきらめて四七式90mm歩兵砲を主砲として車体に装備した。砲塔がないので戦車としては本車両より劣るとされる。

 

■あとがき
 気に入っていた五一式中戦車の後釜の中戦車です。中戦車って、その陸軍のアイコンというか、アイドルで言うとセンターみたいなものじゃないですか(チハとかM4シャーマンとか)。なので気合入れてつくりました。まぁもう崩してしまいましたが。
 後ろ姿がすきですが、逆に前からみるとちょっと微妙なんですよね。撮影にも苦労した記憶があります。
 参考にしたのは米国のM3中戦車です。…とはいってもなるべくM3には似ないように努めました。主砲を左に置くとかして。
ほかにも、主砲が車体にある戦車…B1(仏)やM11/39(伊)など…も設定面で参考にしました。どれも好きです。
 

2023/4/26 微修正(データ量圧縮・誤字修正)