2019/07/11 【社会】氷河期世代は能力が低い?人生“再設計”の大いなる矛盾 | パムのてきとーブログ

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先月の28日に、日本経済新聞の朝刊に掲載された
 「『氷河期世代』に能力開発を」
という記事が、SNS上で軽く炎上した(webでは27日公開)。

<参考>
○「氷河期世代」に能力開発を 経済財政諮問会議 --日本経済新聞--
   https://00m.in/IKloD

○就職氷河期世代のスキル習得支援 半数を3年で就業へ=諮問会議 --ロイター--
   https://00m.in/E53Vn

○「氷河期世代」に能力開発を 経済財政諮問会議 --ガールズちゃんねる--
   https://00m.in/im9wT

そりゃ炎上するだろなwww


内容は27日の内閣府の経済財政諮問会議で、
 氷河期世代は正社員でないため「能力開発や所得の壁」があることから、
 安倍晋三首相が「氷河期世代」の支援に、国を挙げて取り組むことを指示した
ことを報じたものだった。
本年度の骨太方針に位置付け「能力開発」を国がサポートしていくらしい。

これに対して40代に突入した氷河期世代から、
 「今さら?
  遅すぎ!」
 「もうとっくにブラック企業で使い捨てにされて壊れてるつーの!」
 「親の介護も始まってんのにどうしろって言うんだ?!」
 「教育以前にスタート切り損ねたらチャンスすらないんだよ!」
 「国が支援策出すたびに厳しくなってるんだよ!」
 「氷河期世代の問題?
  自分たちは関係ないのかよ?」
   ‥‥etc.,etc.

 全くもってそのとおり!!―
と相づちを打ちたくなる“怒りのコメント”が殺到したのである。

この“時点”における私の見解はこちらの媒体に書いたので
 (「もう、諦めるしかない」中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖” )、
今回は“その後”明らかになった具体的な「能力開発の支援策の原案」を取り上げ、アレコレ考えてみようと思う。

<参考>
○「もう、諦めるしかない」中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖” --IT media ビジネスオンライン--
   https://00m.in/NtsW8

当たり前です。
第一次安倍政権当時にも、「再チャレンジ政策」をやっていましたが、あの前後がタイムリミットでした。
今や、40代です。
これから、
 「正社員になって、安定企業に入社して、出世して・・・」
とかとか、
 「今更ですか?」
と言う感覚しかなくて、響きません。




報道によると、政府は10日に開かれた経済財政諮問会議で、
 今後3年間氷河期世代への教育支援を集中的に行うことで、就職氷河期の初期世代が50代になる前に雇用の安定化を狙う
という。

具体的な支援策は夏までに固めるとされているが、
その支援計画のたたき台になるであろう「就職氷河期世代の人生再設計に向けて」と題された資料の内容に、
私の脳内のサルやウサギやタヌキが暴れまくっている。

資料と提出した民間議員はいずれもすばらしい方々なのだが、脳内サルの“暴れ具合”は半端なく、
申し訳ないけど
 「なぜ、そうなってしまうのか?」
私には全く理解できないのである。

<参考>
○就職氷河期世代の人生再設計に向けて --内閣府--
   https://00m.in/YSzy7

どんな内容なんでしょ?www




例えば、資料には次のように書かれている(以下、抜粋し要約)

 ・就職氷河期世代は、本来であれば景気回復後に適切な就職機会が得られてしかるべきだったが、
  当時の労働市場環境の下では難しく、不安定就労を続けている。

 ・この世代の人々が必要なスキルを得てキャリアアップし、正規化する仕組みをつくることは、
  いくつになっても充実した働き方ができる社会をつくる重要な第一歩だ。

 ・同世代を「人生再設計第一世代」とし、再チャレンジを支援する仕組みをつくる。

 ・就職氷河期世代の特性や採用側のニーズに即した就職支援や能力開発、採用企業への情報提供などを推進する。

‥ふむ。これっていったい何なのだろう?
氷河期世代をつくったのは
 著しく採用を控えた「企業」であり、
 非正規を正社員化しなかったのも「企業」の問題であり、
 「小泉政権の構造改革」による非正規雇用拡大により氷河期世代の問題は深刻さを増した
のではないのか。

本気で
 「本来であれば景気回復後に適切な就職機会が得られてしかるべきだった」
と考えているなら、まずは「今、うちの会社にいる氷河期世代」に会社が投資し、
「うちの会社が求める能力」を「今、うちの会社にいる氷河期世代」が習得すべく「うちの会社」が教育すればいい。

無業状態の人についても、企業が“研修生”として雇い入れた上で、教育プログラムを受けてもらえばいい。
「企業」を通じて国がすべて支援すればそれでよいではないか。

「会社の中に居場所」ができれば、安心して企業が求める能力開発に取り組めるだろうし、
自分に投資してくれた企業が「正社員」として受け入れてくれれば、今まで不遇な扱いを受けてきただけに、
 「よし、もうひと踏ん張りしてみよう!」
と彼らも最後の力を振り絞り一生懸命働くことが期待できるはずだ。

そうなのだ。「就職氷河期世代」と簡単に呼ぶけど、たまたま時代が悪かったというだけで、
最初の就職のみならず、その後も「不遇」につきまとわれた。
まるで泥沼に入り込んだように人生を翻弄され続けている世代だ。

私だってあと5年生まれるのが遅かったら「今の私」とは違う「私」になっていたはず。
たまたま運がよかった。詭弁(きべん)に思われてしまうかもしれないけど、
バブル世代の私は正直申し訳ないと思っているのである。

「パム」はずっと「現場の下っ端」を続けています。
同じような「氷河期世代」は多いはずです。
このような「氷河期世代」の「現場力」を活用するとか、そう言う手段は如何でしょうか?




念のため断っておくが、私は何も国が教育を支援することに反対しているわけではない。

人材不足と嘆く前に「目の前の人材」を生かす手立てを講じるべきだし、それを国がサポートすることには大賛成である。

だが「提言書」に書かれているのは、「氷河期世代支援策」という名の企業支援策。
企業の勝手な都合で厳しい状況に置かれたのに、
企業ががんばるのではなく、厳しい状況に追い込まれた人たちに
 「がんばれ!」
と。

 「企業が求めるスキルが習得できるプログラムをつくるので、正社員になりたい人はそれを受けてね。
  そしたら、多分正社員で採用してもらえるから」
と、採用される側の個人の問題にすり替えているのである。

そもそも「能力開発」だの「この世代の人々が必要なスキルを得てキャリアアップ」だの、
まるで氷河期世代の非正規の人の能力が低いような表現が散見されるが、何を根拠にそう断じているのか。

実は冒頭の日経新聞の記事が炎上した数日後、
一般企業や役所に勤める中間管理職の人たちとちょっとした会合があり、そこでもこの記事が話題になったのだが、
“現場の声”はSNS上の怒りとは少々違うものだった。

「現場の声」はどのような内容なのでしょうか???




 「『氷河期世代』に能力開発を、って変ですよね? 」
 「(笑)本当だよね。能力の問題じゃないでしょ。
  企業の都合で非正規雇用になっただけ」
 「そうそう。
  40代の非正規スタッフの能力は高いですよ。
  正社員が仕事を教えてもらってますから、うちの会社は氷河期世代の非正規スタッフなしには回らない」
 「若者活用とかで、若い世代にはチャンスは与えられているけど、
  結局上司はフォローしないから40代の非正規の人たちが彼らにノウハウを教えています」
 「現場がどれだけその『氷河期世代の非正規』に頼っているか。
  そのことを知らない人たちが言ってるんでしょ」
 「それに無期転換ルールとかができてしまったせいで、今後は雇い止めされるケースとか出てきそうだし」
といった意見が相次ぎ、一部の業種や企業では、
正社員に代わる存在、あるいは特定の技能や知識によって事業に貢献する存在として捉えられていたのである。

そそ!
これなんですよ。
「アルバイト」「派遣社員」で食い繋いで20年近く、「非正規の氷河期世代」は、もはや「熟練工」レベルです。




そんな「現場の力」を、人=コストとしかみない企業は、雇用調整のために活用し続けている。
いや、それだけではない。

正社員は雇用保険・健康保険・厚生年金の加入率は99%超だが、
非正規では雇用保険65.2%、健康保険52.8%、厚生年金51%と低く、失業期間中の生活の保障がされていないのだ。
雇用されている間も、雇用を切られたあとも、常に「不安定」がつきまとう
 (下記「第65回 雇用者の37.4%は非正規労働者~男性非正規労働者の割合も増加?~ --日本生命保険相互会社--」参照)。

これまでにも散々、非正規の雇用保険問題は指摘され続けているのに、実効性のある政策は取られなかった。
その結果、何が起こっているか?

雇用保険に未加入あるいは受給経験がない非正規の人は、
加入あるいは受給経験のある非正規よりも正規雇用への移行確率が低くなっていたのである
(下記「非正規雇用から正規雇用への移行要因―『全国就業実態パネル調査』を用いた分析―」参照)。

もちろん上記の調査は、正規雇用に転職できた人の要因を分析しただけであり、
 「転職するのに自己啓発に取り組んだか?」
 「転職するのに資格を取得するなどしたか?」
を直接的に聞いたものではない。

だが、自己啓発にいそしむのに「カネ」は必要不可欠。
生活の基盤も担保されない状況で、どうやって「再チャレンジ」に投資すればいいのだ?
どうやったら「人生再設計第一世代」になれるんだ?

もし、
 「採用側のニーズに即した能力開発の期間の交通費や日当を支給しますよ!」
というのなら、
 「じゃ、がんばってみるか!」
という気持ちになれるかもしれない。
そこまで国は“骨太”に支援してくれるのだろうか。

<参考>
○第65回 雇用者の37.4%は非正規労働者~男性非正規労働者の割合も増加?~ --日本生命保険相互会社--
   https://00m.in/WsilJ

○非正規雇用から正規雇用への移行要因―『全国就業実態パネル調査』を用いた分析― --京都大学学術情報レポジトリ 紅 KURENAI--
   https://00m.in/fmxfZ

実は、「小泉政権」時代の頃の「パム」は、
 「アルバイト」「派遣社員」「協力会社の正社員」「ベンチャー企業の正社員」「中小企業の正社員」
と、雇用形態はまちまちでしたが、収入が安定し続けて行った時期だったのです。
そして、「派遣社員/正社員」ではほぼ全て「社会保険」に加入してました。

ところが、
 ・「歩合給の業務委任契約+社会保険」
 ・「シフト制アルバイト(週払)+社会保険」
になるとどうなったでしょうか?
   →「天引き」がキツいっす・・・・・・。

そして、「自己啓発」「能力開発」についてですがね・・・。
実は、「パム」が「プログラマ」になった当時、「パソコンを使えないも同然だった」のです。
 ・当たって砕けて覚える
を繰り返して仕事を覚えて行きました。

わざわざ「研修」なんて意味あるのでしょうか?




ただでさえ長いあいだ非正規を渡り歩いたり、無業期間が長くなったりした人たちは、
精神的に厳しい状況に追い込まれているケースも多いというのに、
 「フリーターの半減を目指す!」
だのなんだのと数値目標を掲げたところで絵に描いた餅だ。

そんないくつもの“現場のリアル”を無視し、
 「ハローワークに行ってね!
  がんばって自己啓発して!」
というような支援策が“再チャレンジ”といえるのか。
いろいろと考え、議論している“お偉い方たち”にはたいへん申し訳ないけど、
私には理解できないし、これが氷河期世代の「光」になるとは到底思えない。

そもそも(そもそもばかりです!)今回の“能力開発”問題は、
2008年にNIRA総合研究開発機構が報告書「就職氷河期世代のきわどさ」の中で示した、
 「氷河期世代がこのまま高齢化すると20兆円程度の追加的な財政負担が発生する」
という試算結果に端を発している。
当時、就職氷河期に増加した非正規雇用者は100万人を上回る規模で残存。
非正規雇用の人たちが高齢化すると生活保護受給者が増えることが懸念された。

が、現実はもっと深刻だった。
2018年時の氷河期世代のフリーターは約52万人、非正規は317万人で、トータル400万人弱。
この報告書が出された10年前の予想を大幅に上回ってしまったのだ。
(下記「就職氷河期世代の人生再設計に向けて」参照)

<参考>
○就職氷河期世代のきわどさ --NIRA総合研究開発機構--
   https://00m.in/rMAbq

○就職氷河期世代の人生再設計に向けて --内閣府--
   https://00m.in/YSzy7

予測の4倍!!!
想像以上に「非正規雇用」が増加してます!




そこで‥‥ここからは私の妄想だが、
  「うそ!
   こんなにいるのかよ?
   やばい!
   なんかやらなきゃ!」
 と慌てて支援策に乗りだした。
  「“リカレント教育”だよ!
   リ・カ・レ・ン・ト!
   『人生再設計第一世代』ってことでどう?」
 といったノリで、はやりのスローガンを掲げ、
 もっともリスクが少なく、改革しているように見せやすい「教育=自己啓発」に手をつけた。
‥‥と、私の脳内のサルやウサギは考えているのである。

‥‥とここまで書いて12日金曜朝刊を開いたら、
小泉進次郎氏が事務局長のプロジェクトチームが「勤労者皆社会保険」の提言書をまとめたという記事が飛び込んできた。

人生100年時代には転職や学び直しを繰り返すと想定。
「就労を阻害するあらゆる壁を撤廃する」ために提示された「令和時代の7つの改革の1つ」が
「勤労者皆社会保険」だったのである。

 「企業の被用者保険制度は主に正規雇用向けでフリーランスなどに対応できていない。
  勤労者皆社会保険として雇用形態を問わず社会保険に入れる制度を求めた。
  たとえば低所得者の保険料を減らしつつ事業主の負担は維持する制度案を示した」
  (4月12日付日経新聞より (下記「「勤労者皆保険」を提唱 自民PT、社会保障で7改革案 多様な働き方支援」参照))

これですよ。
こういうまっとうな提言を実行に移すべく進めてほしい。
就労支援と社会保障の連携なくして氷河期世代の救済策にはなり得ない。
繰り返すが、氷河期世代を生んだのは「企業」であり、「社会」だ。
ならば手をつけるのは「生みの親」であってしかるべきではないか。

そして、もし、本気で
 「わが国の成長・発展を支える原動力は人だ」(by 安倍首相)
と考えるのであれば正規雇用にこだわるより「非正規の賃金を正社員より高く」すればよろし。
その方がよほど「人生再設計第一世代」になると思います!

<参考>
○「勤労者皆保険」を提唱 自民PT、社会保障で7改革案 多様な働き方支援 --日本経済新聞--
   https://00m.in/RAuZK

「パム」は、「公的支援の対象にギリギリならない」人達の負担を考えた対策が欲しいです!!!