「HISTORIC RINGS」指輪88―四千年を語る小さな文化遺産たち | てれんぱれん茶房

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「HISTORIC RINGS」
指輪88―四千年を語る小さな文化遺産たち
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amazonの内容紹介より
★あなたは知っていますか? あなたの指輪の原点を、真の意味を。
世界の歴史的な指輪(ヒストリックリングス)のコレクション「橋本貫志コレクション」より88点の指輪をとりあげ、それらのリングに込められた先人達の「想い」「メッセージ」を読み解くことで、指輪のもつ真の意味を考えていただく内容となっています。
 そのメッセージを読者に強く伝えるのが、特撮の写真と、指輪をこよなく愛する人たちの文章です。
【88点の指輪】
紀元前2000年→紀元1400年
1500年→1600年代
1700年→1930年代
1945年→現代
【興味深い巻末情報】
○実寸大写真と、オークション情報・・・オークションの落札価格も明記
○指輪の年表・・・88点の制作年代と世界史がクロス
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古代エジプトから現代アートまでの88個の指輪の解説。
指輪の素材、用途、その時代背景、込められた思想や精神性。
 
日本では残念ながら(?)絹が美しすぎた所為か平安時代あたりには布が主役になり、指輪・首輪・腕輪・ブローチなどは消え去って、近代になるまで忘れ去られた。
その付属品として簪、櫛、帯止め、他の工芸品といえば刀剣の類、煙管や根付などくらいしか発達しなかった。
・・・らしい。
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日本では歴史の浅い指輪なので、安物はアクセサリーの一部、高価なものは資産で捉えられがちですが、指輪が持つ精神性や(呪術的・宗教的・社会的)背景が見えてきます。
「指輪」をただの「宝飾品」として捕らえるとこの本は面白くない。
それにこの本には世間一般でイメージするところのキラキラした指輪ばかりが載っていない

ゴツイもの、一寸グロいもの、装飾過多なもの、綺麗なもの、まるで置物、色々。
 
コレを読んだ後は、日本のジュエリー産業やブライダル産業の宣伝文句に乗せられた指輪が何処となく浮ついたものに見える時がある。
(全てとは言いませんが)
 
なんて思いつつも、Kが日本の伝統の模様を全て理解してるわけではないし、ましてやジュエリーの思想を常に思っているわけでもないです。
着ける本人が楽しく嬉しくあれば良いと思います。
「着けられるものならば試着したい」と思う指輪はやっぱり石や造りが綺麗なものですし(笑)
 
西洋の物語でよく使われる「指輪」をこれを読んでからもう一度見直すと「指輪」の印象が変わってくるかも知れないし、博物館等での展示会での指輪を見る目が少しは変わるかもしれません。
 
巻末には指輪の相対的な大きさが分かるようになっています。
それにオークション元、落札価格、年代別年表、など資料編も充実。