5月1日は母の命日である。そのことを間近になって思い出すことはずっとなかった。なぜか昨日はフッと思い出し、ほとんど空き家になっている実家へ行って御参りをしてきた。


 スーパーに寄り、花とお菓子を買って行った。玄関の扉🚪の錆びついた鍵穴は私が入ることを拒んでいるかのようで、なかなか開かなかった。ようやく中に入るといつも通りだった。1月にも雪をかき分けてここへ来て、父にお参りをした。今日も来ることができて本当によかった。


 心ばかりのお供え物をしてから怪しげな読経をした。読経はいつの間にか心地よいものになっていた。自己満足だが、読み終えると笑顔になれた。遺影の曾祖母、祖父、祖母、父、母は笑っているように見えた。母親が使っていた部屋に行って、箪笥を開けた。見覚えのあるような無いような品物があった。母親が使っていた物を持って行こうと思ったが、もうそんなものは無かった。


 ここに来れてよかった。忘れないでよかった。来年は5月1日の母の命日に来よう。(自分がしてもらいたいことを今自分がしているのかも)