昨日、「あなたの知らない茨城県の歴史」という本を衝動買いした。
昼時にちょうど時間ができたので、暇つぶしに本屋に立ち寄ったら、この本が積み上げられていた。
茨城県にはあまり愛着がない私だが、歴史というとなんとなく興味が出て、手にとった。
茨城県で今活況な所というと、つくば市、守谷市、東海村ぐらいだろうか。
私も東海村に住んでいるが、雨後の筍とはまさにこのことかというぐらい、
次々と家が建ち、風景が常に移り変わっている。
原子力発電所の件もあり、今後のことは不透明だが、
ついこの間も近所で建設中だった家にも灯りが灯ったばかりだ。
まだまだ人口は増えそうだ。
先の本をパラパラと捲ってみて、ちょっと驚いた。
東海村は原子力研究所ができて、そのお陰で今の繁栄がある。
多くの人が原子力関係の仕事に携わっている。
村長が原子力反対をいくら訴えても、その反応は鈍いはずである。
つくば市と言えば、学園都市として繁栄している。
それができるまでは、何もない田畑ばかりの地域だった。
驚いたのは、東海村の原子力研究所が設置されたのが昭和32年、
筑波研究学園都市の建設が閣議決定されたのが昭和38年のことで、
いずれも私が生まれる前のことだったということだ。
私も来年は50才、初老を迎えている。信長の時代だったら、寿命だ。
思えば、そんなに長い時間の中で、東海村、つくば市の隆盛は形成されているのだ。
繁栄は長い時間の中で醸成されるものなのだろう。
中小企業の経営革新や事業再生、経営改善についてはどうしても短期的なスパンで
成果を求めてしまう。
でも、本当の成果は長い目で見ていかなければならないのではないだろうか。
短期的な改善策はどうしても対処療法的になってしまう。
抜本的な問題解決には結び付かない場合が多い。もちろん、
まず止血することも大切だが、将来を展望すれば、危険を伴う大手術に踏み切ることも
必要になってくる。
長期的なビジョンはある意味非現実的になりがちだが、
それでも可能であると信じて、それを目指さなければ、永続的な繁栄にはつながらない。
抜本的な解決、大きな成果にはつながらないのだ。
企業経営においては単なる延命策だけでは何の意味もなさない。
事業を永続させることこそ経営なのだ。
ローマは1日してならずである。