R5本試験所感(5)※択一統合 | 士魂~samurai spirit~

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土地家屋調査士試験合格のための課外授業。
合格に必要なのは、条文知識や受験テクニックだけではないから。

R5本試験所感 択一部分を統合しました。

 

 

本日はおつかれさまでした。

いやー、色々な意味で大変でしたね。

 

全体的に歯応えがある問題設定でしたので、昨年のような高得点の争いにはならないと思われますが、果たしてどうでしょうか。

 

択一に関しては、所々に難所が設けられていましたので、何問かの失点も止むを得ないでしょう。

ですから、16問から17問の正解があれば、十分合格を争うレベルにあると予想できます。

 

 

さて、まず、民法について、第1問・第2問は正解を取りたいところですね。

第3問の遺言については、取れなくても仕方ないといったところでしょうか。

 

いずれにせよ、民法から2問の正解を得たいところです。

 

【第4問】

登記官の実地調査権に関する出題。過去問知識でしっかり正解を取りたい問題でした。

 

【第5問】

表題部の登記記録等に関する総合問題。出題の仕方として初見のものが散見されるが、調査士受験生としては、そもそもの根底理解があるはずなので、正解には辿り着けたはず。

 

【第6問】

地図に関する出題。

肢のほとんどが初見のテーマによる出題でしたから、できなくてもやむなし。です。

とはいえ、アの肢、イの肢をしっかり判断できれば正解は可能ということになるので、この1問正解は結構大きいかも。合格する実力ってこういうところに現れたりするんですよね。

イの肢は、普段地積測量図を散々書きまくっている受験生にしてみれば、「誤」と判断するのは厳しいところですよね。問題の作り方が上手いというべきなのでしょうか?

 

【第7問】

土地の表題登記に関する出題。

過去問知識で必ず正解を取りたい1問。

 

【第8問】

地目に関する出題。

全て過去問知識ですから、正解マストです。

 

【第9問】

土地分筆登記に関する出題。

過去問で正解が確実に取れる問題。正解マストです。

 

【第10問】

建物図面及び各階平面図に関する出題。

アの肢については、建物図面及び各階平面図の記録事項に関する規定である規則73条2項を根拠とする出題で、受験生であれば知らない人は少ないといえる条文ですよね。

ただ、「住所」という聞かれ方には驚いたかもしれませんが、普段ご自身で作成している建物図面及び各階平面図を思い起こせば正誤の判断は容易についたと思いますが、いかがだったでしょうか。近年は、省略としている答案用紙が多いことを逆手にとった出題ともいえるのでしょうか。

ウ肢については、「各階平面図の訂正の申出」というテーマで、その申出適格者に関する出題としては初見ということになりますが、出題の根拠となる規則88条については過去問で使用されている条文ですから、しっかり対応できたはずです。

エ肢は過去問において頻出事項、オ肢も択一では出題が少ないものの、各階平面図の作成を思い起こせば当然のことなので判断は容易でしたよね。

合格のためには正解を取りたい1問。

 

【第11問】

建物認定に関する出題。

正解肢の一本であるウ肢については、「塩化ビニールの特殊シート」とのことで、一瞬考えた方もいらっしゃるかもしれませんが、「ガラス板」での出題は頻出ですから、「永続性あり」でしっかり判断したい肢でしたよね。

もう一本の正解肢であるエ肢については、出題は多くないものの、過去問ではあるので、こちらも大丈夫でしょう。

それ以外の肢についても全て過去問知識ということになりますから、必ず正解を取りたい問題でした。

 

【第12問】

建物の床面積に関する出題。

正解肢の一本であるイ肢が初見ではありますが、規則115条を基礎とした基本的な内容であるので、落ち着いて対処したいところです。

その他の肢は全て過去問知識で決着するので、正解マストの1問でした。

 

【第13問】

建物の表題登記に関する出題。

これは・・・、難問といっていい問題かな〜と思います。

まず、正解肢イからコメントすると、ややウスいテーマではあるものの、割と近いところで出題実績がありますので、まあ、ここはしっかり判断して、3・4の2択に持ち込みたいところです。

次にオの肢ですが、既視感のあるワードが並ぶものの、正誤の判断をするには今一つ確証が持てない方も多かったかもしれません。

こうなると、ウの肢の判断に命運がかかることになるのですが、テーマは「非区分建物の名称が記録される欄は?」というめちゃウスいところ。この点、区分建物の名称欄とかはチラホラ目にする機会も多く、実際申請書の記載も行うことが多いですから、『建物の名称欄』が存在することは誰でもイメージできますよね。このイメージに引っ張られて、ウの肢を正しいものと判断し、3を正解としてしまってもやむを得ないと個人的には考えています。

 

【第14問】

建物の表示に関する登記における添付情報に関する出題。

ウの肢の判断で一抹の不安を感じたとしても、いずれも過去問テーマからの出題であることから、正解マストの1問です。

 

【第15問】

建物の分割の登記に関する出題。

アの肢。過去問知識で「誤」判断。

イの肢。建物分割では初見であるものの、分筆ではお馴染みのテーマですから「正」判断。

この時点で正解肢は3しかないことになるので、ここで解答終了としたいところです。

ただ、この時点で確証が持てない場合、ウ肢を検討することになりますが、これは過去問テーマで「正」と判断すると、4の選択肢を否定するための確認が必要になりますね。

なので、エ肢を検討します。附属建物の符号は再使用しないというお馴染みのテーマですから、「誤」と判断でき、4の選択肢を否定して解答終了です。正解マスト。

 

【第16問】

建物の合体による登記等に関する出題。

全て過去問知識で解答が可能な問題でしたので、正解は必須となりますね。

 

【第17問】

共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に関する出題。

まず、アの肢は、共用部分である旨の登記関連ではお馴染みのテーマとなりますから、瞬時に「誤」の判断はできたはずです。

すると、「1 アイ」「2 アオ」の2択となりますので、イの肢を確認していきます。

イの内容は、初見のように思われた方も多かったかもしれません。今一つ判断のための確証が得らえずオの肢を先に見に行ったという戦略に出た方もいらっしゃるでしょう(ちなみにイの肢はH30に出題実績アリです。)。

で、オの肢。団地共用部分である旨の登記を申請する場合において不動産番号を提供した場合の家屋番号の扱いがテーマで、これもちょっとウスイけどH25の過去問となり、「誤」と判断でき、2を正解として解答終了といきたいところ。

なんですが、イの肢にしろオの肢にしろ、過去問とはいえかなりウスい知識だったかと思われ、人によっては難問と感じた方もいらっしゃるでしょうし、「1OR2」の2択で外してしまったという方も一定数いらっしゃると予想できますので、ここは正解が取れていなくても、まあやむなしとしてもよいのではないでしょうか。

 

【第18問】

筆界特定の手続に関する出題。

アウエ肢について、そのものズバリという過去問がないため、難問といえます。

ただ、完全な初見問題としてはウの肢のみで、アエ肢については関連過去問が存在しており、演習の際における解説の読み方で正解率に差が出そうです。

それでも、オの肢は直近R4に出題があるテーマなので、ここを軸に「4 ウオ」「5 エオ」の2択に絞り込めば充分勝負になるところでしょう。この点、ウの肢については判断の材料が乏しいわけですから、エの肢で勝負するしかないといった形になるでしょう。

正解が取れていなくてもやむを得ないでしょう。

 

【第19問】

法定相続情報一覧図の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出に関する出題です。

日建学院の受講生は、答練でかなり特訓したテーマでしたから、余裕を持って解答に臨めたはずですが、いかがだったでしょうか。

オール初見となる問題ですので、一般的には難問と認定してよいとは思いますが、日建学院生には、取扱い済みのテーマばかりなので、合格のためにはしっかりここで正解を取っておきたいところとなります。

 

【第20問】

調査士又は調査士法人に関する出題。

過去問知識で正解が取れる問題。オの肢については、法人の業務の一部停止処分がテーマとなっており、そのものズバリという過去問はないものの、関連問題での過去問解説ではよく目にするところですから、正誤の判断はついたはずです。仮にオの肢が判断できなかったとしても、ア〜エ肢でしっかり正解を取りたい問題となります。

 

 

【解答時間について】

解答時間については、早い人であれば35分程度。慎重に解く人であっても、45分程度で完了したはずです。

 

 

【合格のために必要な正解数】

上記の分析からは、民法から1問の失点、不動産登記法関連から第6問、第13問、第17問、第18問、第19問の5問の失点を許容することになりますので、14問の正解数があれば、ひとまず勝負の土俵に乗ってきていると考えることができるでしょう。

ただ、やはり合格を確実なものとするためには、第6問、第13問、第17問、第19問をいかに攻略できたかにかかってくると思います。

このうち、第6問及び第17問は日建学院の択一解答スキルを身に着けている受験生であれば正解が取れたはずであり、また、既に述べたとおり第19問も特訓済みのテーマとなっていましたから、この3問分の正解を加算できることになります。

以上からは、都合17問の正解があれば、択一に関しては充分合格を争うレベルにあるといえることになるでしょう。

 

※齊木個人の分析です。この記事内容に関して、日建学院へのお問い合わせはご容赦ください。