- 前ページ
- 次ページ
「あなたの前世は、アメリカ人のおじちゃんだと思う~。」
職場の飲み会の二次会で連れて行かれたスナックで、そんなことを言われた。
--------------------------------------------------------------------
「あたしね、守護霊とか前世とか見えるのよね~。」
ママの友達だという彼は、
「あなた、分かりやすいわ!」
と、私の後方を見つめながらキュートな感じで笑った。
(いや、いきなり守護霊とか前世とか言われても…)と、
私は苦笑いしながら彼を見ると、
さっきのキュートな笑顔から一転して真面目な表情で私を見つめている。
「たぶんね、あなたの前世は、アメリカ人のおじちゃんだと思う~。」
私:(えっ…全然ピンと来ないーーー!ってか、おじちゃんなんだ…ぁ…。)
「牧場をやってたみたいね。山が綺麗に見える…。
顔がそっくりな2人の息子を立派に育てて…偉いわ~!」
「やだ!しかも、奥さんめっちゃ美人!!!おめでとうー!」
私:あ…ありがとうございます…
彼は親指をグッと立てて、またキュートな感じで笑った。
あれから何年も経つのだけれど、
あのスナックでのおもしろエピソードは忘れられなくて、たまに思い出しては笑ってる。
だって、「あなたの前世は~」と教えてもらったことなんて、あの時以外ないんだもの…!
----------------------------------------------------------------------
ある日、彼女とまだ友達とも言えないくらいの「知り合い」だった時に、
高原のカフェテラスでお茶をした。
私たちはすごく話が合って、コーヒーをおかわりしてもまだ話すのをやめられなくて、
ついには彼女が
「私たち、結婚しちゃおうか!」
なんて、言ったのだった。
私はその瞬間、(なるほどなぁ…)となぜかすごく納得した。
その時は、自分でも何だかよく分からなかった。
でも次の瞬間には、
「YES!」
って言ってた。
その後、私たちはお腹が痛くなるくらいに笑って、泣きながら笑った。
私よりちょっと年上の彼女は本当に綺麗な人で、
彼女が笑うと、テラスの庭の花々も満開になるんじゃないかって、私は本気で思った。
なるほどなぁ…と妙に納得したのは、あの前世の話がつながった気がしたからだ。
----------------------------------------------------
「やだ!しかも、奥さんめっちゃ美人!!!おめでとうー!」
----------------------------------------------------
私がアメリカ人のおじちゃんだった頃、美人な奥さんと結婚していた時、
もしかしたらこんな感じだったんじゃないのかなぁ~って。
だって、美人な彼女の背景には、緑の牧場があって、
さらにその上には雄大な山々が綺麗に見えていたのだから…!
あの日以来、彼女は私の隣にいてくれている。
こういうのをデジャヴっていうのかもしれないな。
人生は本当に…!不思議なことばかり。
一瞬だけ、ちょっと嫌な気分になった。
偶然、前の職場の人と久しぶりに会って、本当に些細なことなのだけれど、その人がほんのちょっと気遣いに欠ける行動を取った。
「あぁ、この人って、やっぱりこういう人だったよな…」と、
サッと一瞬で体温が下がるような、心に冷たい風が吹きこんだ。
でも、それに気づいたのは、きっと、今の私の近しい関係の彼女や彼らが、そういう些細な気遣いをごく当たり前にしてくれているからなのだ。
彼らは何事もなかったかのように、とてもナチュラルに私の心を温めてくれる。
彼らは時に、大雑把で大胆だし、細かすぎることに文句を言うこともある。
でも、彼らの愛情は私のハートのポイントをずれることがない。
これはもう、本当に不思議だ。
彼らがプンスカしている時でさえ、信頼がある。
私はこの歳まで、家族以外での「愛」というものがよく分からなかった。
ちょっと風が吹けば揺らいでしまったり、途切れてしまうものばかり。
孤独にもずいぶん泣かされてきたけれど、でも、奴らは直球で愛を投げつけてきた。
そこまでどうして尽くしてくれるんだろうとか、なぜ私に?とか、自己肯定感が低い私は戸惑うことも多かったけれど、慣れるのは意外と早くて、彼らの揺るぎない愛に絶対的な安心感と信頼を置いている。
こんなことは初めてだ。
私は奴らのペースに飲まれている…!
バレンタインデーの話題になった時、
「愛には色んな形があるの。」とキリッと決めた表情で彼女が言った。
私は笑ったけれど、彼女が言うなら、きっとそう。
私はこれから彼女の多彩な愛の形を見ることができる。楽しみだ。
彼の愛は国境も軽く越えてくる。
愛には距離も言葉もあまり関係ないらしい。
むしろ、距離も言語の違いも、それこそがおもしろポイントって思っているようだ。
「コロナが落ち着いたら、あの国とあの国と、あの国と…連れて行ってあげるよ!」
いや、まだ計画しなくていいよ…!って私は言うけれど、彼の博学からやってくる突拍子もない話に、私の知識の渇きは癒やされている。
「もう、ご飯食べた?」
「今日は何してたの?」
「も~、ウチに来なさいよ。」
彼はいちいち聞いてくる。まるでオカン…。
なぜそこまで気遣ってくれるのか一番謎でもあるけれど、彼の愛は見た目に反して家庭的だ。
まるでサザエさんの世界線だ。
彼の愛は温泉みたいに温かくて、私はどっぷり浸かってしまう。
愛について、こんな風に考える日が来るなんて思わなかった。
嫌な気分になっていたはずなのだけれど、愛について考えていたら、もうすっかり心はポカポカだ。
今日はバレンタインデーですね。
チョコレートはありませんが、私の心からの幸せを差し上げます。
どうぞこれからも、よろしく。
たぶん、最悪の結果ってやつになるんだろう。
彼女は、夜行バスに乗って遠くの県に引っ越して行く。
私は、退職。
どうしてこうなったのか、正直、よく分からない。
ただ、倉庫の段ボールの間に隠れて泣いていた彼女を見て、私はもうこんな職場にいたくないって思ったのは覚えてる。
きっと、働いていればどこにでもあることなのだろう。
人間関係のあれこれや、理不尽な要求や、残業の多さ…等々。
そんなよくあることなのにも関わらず、私たちは耐えられなかった。
たったの半年。
私は、夜行バスに乗って行く彼女を見送ることにした。
待ち合わせの場所に、引っ越し作業を終えた彼女は片手にキャリーケースを引きながら現れた。職場ではいつもキリッとアイラインを引いている彼女だけれど、その日はノーメイクだった。
私たちは、ファミレスで夕ご飯を食べながら、部活の最後の大会が終わった学生みたいにこれまでのことを思い出して笑った。辛くてどうしようもなく苦しんだけれど、私たちはきっと精一杯やったのだ。
引っ越し作業もあったせいかちょっと疲れた感じの彼女と、胃がまだ本調子でない私と、たったの半年。でも、超濃厚だったねって。
彼女は行動力があって、私をグイグイ引っ張ってくれた。
彼女がいなかったら、私は死にそうになりながらもズルズルと不健康な仕事のやり方を年単位で続けていただろうし、きっとそれは身体か心のどちらかが致命傷を負う結末にしかならなかったと思う。
普段、「運命」なんて言葉は使わない。
でも、彼女はすごい勢いで、私の運命を変えてくれた。
これから悪い方にも良い方にも、どちらに進むか分からないけれど、もし私だけの道があるならば、そこに進むチャンスをくれたと思っている。
「運命の人ってさぁ、恋人とかだけじゃなくて、自分の運命を変えてくれた人も、運命の人って言えるんじゃないかなぁ。だとしたら、Aちゃんは私の運命の人だな(笑)。」
冗談っぽく言ったら、彼女は
「ほんまや…!私にとっても同じやで。」
大きな目をさらに大きくして真剣な表情で頷いた。
ずいぶん遠くの県に行ってしまうから、偶然に会うってことはないだろう。
下手したら永遠の別れになってしまうかもしれない…。
そう思いながら二人でバス停まで歩いた。
たぶん、私はこの日のことを忘れない。
ここへ来てくれてありがとう。
いつも隣にいてくれてありがとう。
私の運命を強力に変えてくれた人。
運命のひと。
転職8回。今の職場は9ヶ所目。
それでも、全然大丈夫だった。
こんなことを書いたのは、どこかの職場で悩んで苦しんで…下手したら死にそうになっている人がいるから。
気が利いて、優しい人で、頭の回転も早い。
だからこそ、仕事量が増えて、上司の機嫌に振り回されて消耗する。
自分はなんて駄目なやつなんだ…って泣いているならば、それは違うと思うよ。
もしかしたら、あなたの問題じゃなくて、上司の仕事のしわ寄せが来てるだけなのかも。
仕事の割り振りや、スケジューリングが苦手な上司の下で働いてない?
自分が悪い…(リピート)を一時停止して、ちょっと周りを見渡してみる。
私は、緊張感というか、恐怖感が漂うような職場にいたことがあって、結構消耗してしまった。…メンタルをやられて病院通いをしたこともある。
何かのきっかけがあったら、死んでたかもしれない。
でも、転職して所変われば、空気も違った。
なんか、和気あいあいとしているのが普通っていう職場。
前の職場では、誰かが怒鳴って、怒鳴られて…って日常茶飯事だったけれど、次の職場では、一度もそんなことはなかった。
職場も、恋人と同じで、合う・合わないがあるんだよ。
世界中に、この職場しかないってこともない。
今の仕事を辞めたら、次なんて見つからないって心配で死にそうになるけれど、そんなことないよ。
例えば、今年の4月に入社して今月の7月で辞めても、全然OKだから。
私なんて、人生でそれ2回もやってたわ(笑)。
(笑)って書けるくらい、本当に大丈夫だった。
寝られないくらい苦しいならば、ちょっとどこかでストップさせよう。
休日で何とかならなかったら、休職するって選択もあるかもしれない。
それもできなかったら、仕事辞めよう。
出勤しなくても、辞める方法ってあるからね。
私は、「8回も転職って、社会不適合者だな。」って言われたとしても、小指で鼻くそほじりながらアハハ-って笑うけど。
(そのあと、手は、手だけはちゃんと洗うから…!淑女だから…私!)
半沢直樹でもないんだからさ、一社員が職場を変えるために戦うって、なかなか出来ない。
私は自分を変えられなかったし、その職場の問題にガッツリ取り組むエネルギーも残ってなかった…というか、そこまで愛情をかけられるような場所じゃないと思ったから、転職した。
https://www.instagram.com/p/CCQ2xO2pJZU/?utm_source=ig_embed
(やっぱ、堺雅人さんかっこいいわ~。)
話が逸れてしまったけれど…
仕事を辞めても大丈夫だし、次の仕事もきっと見つかる。
「逃げちゃだめだ…!」なんて結構前のアニメのセリフらしいし、そう言ってくる人からは逃げたらいい。
もしかしたら、もしかして、今の職場の状況が変わるってこともあるかもしれない。
転職8回・9ヶ所目の職場から、どうかあなたが笑顔になれるよう、心から応援しています。
「そうなのよ!今年も良いのができちゃったのよ~!」
電話から、母の明るい声が聞こえる。
以前から母は、家庭菜園でタマネギが採れたとか、キュウリが食べきれないほどできてしまったとか、よく電話してくる。
私ったら、仕事の日は料理自体ができなくて、休みの日なんて寝て終わってしまうので、キュウリを切ることすらレベルが高すぎるって感じだ。
だから、母の「いっぱい採れちゃったから送ろうか?」が、ちょっと煩わしかった。
「こっちでもタマネギとか売ってるから。宅急便の料金を考えたら、こっちでスーパーで買った方が安いでしょ。」
いつも、そうやって断った。
実家に帰省した際に、食べ物をたくさん持たされて帰ってきて、腐らせてしまったことがあった。その時の罪悪感ったらなかったし…。
この前、近所のスーパーに行ったら、とても大きなプリプリした新タマネギが売っていた。
広告の品で38円…!
私はそんなにタマネギ好きではないけれど、何だか無性に美味しそうに見えた。
思わず手に取ろうとしたけれど、引っ込めた。そのまま買おうかどうか、店内をぐるぐる歩きながら悩み、結局買わなかった。自分でもどんな心境だったのか不思議だけれど…
宅急便で送ってもらう手間も料金もかかるけど。
送ってもらって腐らせてしまうかもしれないけれど…。
でも、せっかくなら、お父さんとお母さんが育てたタマネギ、送ってもらおうかな…。
なぜだか、そんなことを思った。
「やっぱり、タマネギ送ってもらおうかなぁ。」
母に電話したら、私が言い終わらないうちにすごい勢いで
「何個送る?」ってかぶせてきた。
母は、張り切ってるみたいだった。
電話から母に送ってもらった段ボール箱には新タマネギの他に、調味料やらお茶やら色々入っていた。
最近の私は弱っているのか、よく分からないけれど、何だかありがたくて涙が出た。タマネギをスライスしたら、もっと泣けてきた…。
私は自分にぴったりの物じゃないと、正直、いらないと思っている。
それは物だけじゃなくて、気持ちとか感情とか、そういう形にならないものも含めて。
でも、自分の思ったとおりの物じゃなくても、もらっていいんじゃないのかな…とも思った。
例えば、黄色の色鉛筆が欲しかったとして、12色セットの色鉛筆をもらったっていいじゃない?使わない色があったとしても。
「受け取る」って、そういうことも含めて、受け取ることなのかもしれない。
私は器が小っちゃい方だから、一緒に受け取ってしまうもの…
煩わしさとか面倒くささとか、罪悪感とか、そういうものがこわくて断ってしまう。
でも、勇気を出してガバッと…!一気に大きな器で受け取る。
そこで初めて感じる幸せも、あるかもしれないなぁって思った。
八ヶ岳を下りて、街に引っ越してきた。
ここには大型のスーパーやショッピングモールが至る所にある。
私ったら、山から下りてきた修行僧のように、
または刑期を終えてシャバに出てきた囚人のように、
スーパーの店内を興奮しながら見渡す。
ここには何でもある。
…それなのに、なぜか寂しい。
不満なんてないのに。
なんでなんだろう…。
理由は、きっと…
あの場所で泣きべそをかきながらも頑張ってきた自分と、
バリバリと引き離されると思うからだ。
過去の自分と引き離される感じがするからなんだと思う。
私って、いつもそう。
だから、ここで生きていくために、過去の自分も連れて行く。
過去にこだわるってことじゃない。
今の私が生き延びるために、捨てなくちゃならなかったもの。
それを忘れたりせず、大切に思ってもいいんだってこと。
これからの私も、きっと、今の自分を大切に思ってくれるんだろう。
google社が瞑想を取り入れているというのは、どこかで聞いたことがあったのだけれど、ネットで偶然見つけた「慈悲の瞑想」の一部分が、意外に心に染みた。
【参考:https://zuiun.net/blog/meditation/128/】
まず、今日あなたが出会った人の中で、楽しい会話をしたお気に入りの人を、心の中で思い浮かべましょう。
もし、今日楽しい会話をした人がいなければ、昨日、一昨日とさかのぼっていただいて構いません。
心の中に、その人を思い浮かべたら、心の中で、次の言葉を言ってみましょう。
この人は、心と身体を持っています。わたしと同じです。
この人には、気持ちや感情、考えがあります。わたしと同じです。
この人は、悲しんだり、がったりしたり、怒ったり、混乱したりすることがあります。
わたしと同じです。
この人は、人生において肉体的、心理的な苦しみを経験しています。わたしと同じです。
この人は、人生において喜び、幸せ、愛を経験しています。わたしと同じです。
この人は、幸せになりたいと思っています。わたしと同じです。
この人が幸せでありますように。
では、そっと目を開けてください。これで終了です。
不安になりやすい私へ。